配信版「義経千本桜」
国立の「義経千本桜」はチケットを取っていなかったので、映像配信があるのはありがたかった。ところが、編集でところどころカットされていて、とても残念、すごくモヤモヤした。
本筋にあまり関係ない部分が削られているようだったが、お銀の亭主自慢とか、魚尽くしとか、弥助の出とか、けっこういい場面がないのである。画面が急に変わることもあって、物語の世界に入り込みきれない。お芝居というのは骨格だけでは成り立たない、人物の性格や暮らしぶり、細かい状況がわかるような場面があってこそなのだと、改めて思った。まあ、しかし配信上のいろいろな制限もあるのかもしれない。配信期間は4月6日~4月30日15:00と長くてありがたかったが、結局全部は見られなかった。菊之助さんはじめ出演者の無念を思うと、全部を見られなかった私が不満を言ってはいけない。
「義経千本桜」(国立劇場大劇場)
主に見たのは「渡海屋」「大物浦」、Bプロ(「椎の木」「小金吾討死」「鮓屋」)、「河連法眼館」。
権太の母親役・橘太郎さんは、権太が訪ねて来たとき、勘当されたのになぜ来たかとなじりながらも権太可愛さが溢れていた。そういうあなたが権太をダメにしたんじゃないのと思いつつ、それもわかるよな~…。
梶原がよこした小袖の場面はなかった。維盛はそのままの衣裳で旅立つ。
狐忠信の出は何度も見ているのに、花道が映ったのと「出があるよ」の声で、思わずスッポンに目をやってしまった。すぐに気づいたけれど。
ラストは荒法師は出てこないで、狐が鼓を持って法師たちを追いかける感じで花道を引っ込む。
見た後、忘れないうちにざっとメモっていたのだが、今自分のメモを辿ると、本当にそうだったっけとかなり記憶から飛んでいる。もっと色々感想もあったはずなのに、メモにない。
ちなみに、動画は15時に突然切れるものと思っていたら、視聴中のものは期限を過ぎても見ていられた。歌舞伎座もそうだったのかしら。だとしたら、期限直前にアクセスすればよかった。
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