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2008年7月14日 (月)

どうした海老ちゃん

714日 7月大歌舞伎昼の部(歌舞伎座)
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開演時間を30分間違えて到着した。それも、11時開演の時の通常の到着時間よりさらに早く。東銀座駅の階段を上がって外に出た08071402kaien_2 とき、完売の割にはいやに人が少ないな、と不審に思ったのだ。それでも気付かなかった。私が早く着きすぎたんだぁくらいの感覚。やがて1040分開場というタテカンを見つけ、やっぱり~、でも20分で客を入れられるのかしら、なんて暢気に構えていたら、ふと「1130分開演」という文字が目に入った。ふわ~参った参った。外は暑くて動きたくない。ただ立っていても、じわ~っと汗が流れて目に入る。扉に一番近いところで日を除けて開場を待つ。
08071403seats_308071404azuki_4 長い長い時間が過ぎて、やっと中に入った。がらんとした座席を見ると、歌舞伎座のスタッフになったような気分がした。
中に入っても時間があり余るから、あずきアイスを初めて食べた。アイス系は、これまではおなかが弱くて食べたくても食べられなかったのだ。最近少し強くなったみたい。しかし時間が余るということは、お金を使い、さらに太ることにつながると思う。2回目の休憩も35分もあり、ついつい鯛焼きを…。
前置きが長くなった。多分、今日は感想より前置きのほうが長いかも。
08071405toriimae_2「鳥居前」

静御前の春猿さんがとてもきれいで、義経(段治郎)を見上げる顔に愛が溢れているように見えた。弁慶、誰だかわからなかった。顔がわからなくてもたいてい声でわかるんだけど、今日の権十郎さんについては、筋書きを見てしまった。忠信の海老蔵さんは、身体も動きも大きく(早見藤太の市蔵さんとの関係がライオンとねずみみたいに思えた)「荒事って好きだ」と思わせてくれるのだけど、セリフが私でも「ん?」っていうくらい、なんか無茶苦茶な感じで、ヤンチャな忠信という印象を受けた。
08071406yosinoyama_3「吉野山」
静(玉三郎)も忠信(海老蔵)も色気があり、連れ舞が美しい。義経を含めた3人の微妙な関係の雰囲気が、2人の踊りから漂ってくるようであった。美男美女を眺めるのはええもんですなあ、なんてね。この踊りは見ていて楽しかった。狐の人形使い(弘太郎)が出てくるのは初めて見たかも。今回、ここでの早見藤太の登場はなかった。
08071407sinokiri_2「川連法眼館」
これ、エンタテインメントとしては成功だけど、芝居としてはどうなの? 喜劇になっちゃったみたいじゃない? 

ケレンの部分では客席は大いに沸いたし、最後の宙乗りなんか、もうみんな目が海老ちゃんに引き付けられて、私もたくさん拍手しながら「海老ちゃん、吊られてるのにはしゃぎ過ぎ~」なんて嬉しがったりしたし(ふと、義経・静のいる舞台を振り返ったら、定式幕が引かれている最中で、かろうじて2人が寄り添って忠信を見送っているのが見えた)、宙乗り小屋から桜吹雪が吹き出してきた時もきゃっきゃッ喜んだし、荒法師とのユーモラスな立ち回りも楽しくて、帰り道、あのリズムに合わせてぴょんこぴょんこ踵で跳ねて歩きたくなっちゃったし。
でも…。

海老ちゃんの義太夫ものについては色々批判があるのは知っている。私もそれに頷くこともある。だけど、海老ちゃんにはそれを超える、たまらない魅力があるとも思っている。だけど、だけど、肝心の涙を誘う場面であんなに客席に笑いをもたらしてしまってはねえ……(私は笑わなかったけれど、泣けもしなかった)。それが海老ちゃん狐に対する親しみの笑いだとしても、だ。1811月に演舞場でやったときも笑いが起きていたと自分で記録しているけれど、あのときの海老ちゃん狐はセリフはともかくいじらしさと哀れさが感じられて、けっこう感動したのだ。それが、今日はねえ……、どうしたんでしょうねえ。
ぴょんこぴょんこ心の中で跳ねながら、国立の「四の切」をもう一度、無性に見たくなったのでした。
<上演時間>「鳥居前」46分、幕間35分、「吉野山」38分、幕間35分、「川連法眼館」71

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コメント

興味深いレポを、あぁぁぁ~りがとう、ございまするぅぅぅ(コンっ)。私も、山法師のリズムにあわせて、家の廊下でバタバタ首と脚を上下に動かしております(笑)。あのリズム、一度頭に流れると、なかなか止まりませんよね!

>だけど、海老ちゃんにはそれを超える、たまらない魅力があるとも思っている。

激しく同意、致します。今月の昼の部はまだ拝見しておりませんので、レポを拝読し、ある意味、楽しみが膨らみました! 私が拝見するときにはどんな海老狐が拝見できるのでしょう♪ 今月は、昼の部も夜の部も、色々な感想が出るのでしょうね。それもまた、芸術の一つとして、当然のことと存じます。

あ、もうメモφ(.. )されたかと存じますが、夜の部は17時開演ですので、お間違えなく♪

投稿: はなみずき | 2008年7月15日 (火) 19時19分

はなみずき様
コンメトじゃなかった、コメントありがとうございます。

海老蔵さんについては人によってさまざまな意見があるようですが、それも海老蔵さんが芸術家であり、またスーパースターであるからなのでしょうね。今回の狐が海老蔵さんの狐として定着するのか、また別の狐像を作っていくのか、今後も見続けていきたいと思います。
はなみずき様のご感想も楽しみにしております。

夜の部17時とのご注意、ありがとうございます。夜の部については今回は変則的な開演時間だなあと気付いてはいたのですが、18時だとばかり思っていました(まったくいい加減な記憶でして)。危うく1時間見逃すところでした。助かりました

投稿: SwingingFujisan | 2008年7月15日 (火) 21時03分

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