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2008年6月 9日 (月)

脳内整理の歌舞伎入門展

68日 「ようこそ歌舞伎の世界へ」歌舞伎入門展(国立劇場伝統芸能情報館)
歌舞伎が思いのほか早く終わったから、歌舞伎入門展を見てきた。自分の記憶のために、簡単に記録を残しておきます。
1.
「歌舞伎の始まり」
出雲阿国による女歌舞伎から、若衆歌舞伎、野郎歌舞伎への流れを浮世絵等で見せる。
女歌舞伎:阿国歌舞伎図屏風、花模様慶長期(小林清親)など
若衆歌舞伎:四条河原の芸能を描いた屏風
野郎歌舞伎:中村座を描いた歌舞伎図屏風(江戸時代初期のもので、舞台で大勢の役者が踊り、客は土間に座ってそれを見上げている。お喋りに興じたり、飲み食いしている客もいる。今じゃ顰蹙モノだけど、昔は大らかだったのね。
2.
「歌舞伎の役柄」
立役は役者絵と現代の役者の写真(大正12の羽左衛門と昭和12年の松蔦はブロマイド)とのセットで展示されていて、その役が連綿と受け継がれてきたことを改めて思う。
立役
 荒事→曽我五郎:豊国歌舞伎十八番シリーズ vs 左近(現松緑)
    梅王丸:12世團十郎(明治27vs 勘九郎(現勘三郎)
 和事→曽我十郎:12世羽左衛門(嘉永5vs 菊五郎

    藤屋伊左衛門:12世羽左衛門(嘉永5vs 富十郎

 敵役→仁木弾正:3世九蔵(7世團蔵、明治15vs 吉右衛門

    松永大膳:3世嵐吉三郎(文久2vs 富十郎

 色悪→田宮伊右衛門:8世仁左衛門(文久1vs 羽左衛門(大正12
    斧定九郎:3世九蔵(7世團蔵、安政4vs 写真なし
女方
 娘方→八重垣姫:3世田之助(文久1vs 時様
    お光:6世梅幸(明治40vs 勘九郎
 傾城→揚巻:4世福助(5世歌右衛門)vs 菊五郎(昭和52年)
    八橋:4世福助(5世歌右衛門)vs松蔦(昭和12年)
3.
「義経千本桜」
静御前の文楽人形が展示されていた。実際に使われるものより小型ということだが、実際に文楽を見たことのない私は、「えっ、これで小さいの!!」とやや驚いた。そのほか、初音の鼓(海老ちゃんの無邪気な狐が思い出された)、狐の衣裳である毛縫いが目を引いた。
4.
「神霊矢口渡」
源内さんの肖像画、新田大明神絵巻のほか、矢口の渡、新田神社、頓兵衛地蔵堂の写真があった。地蔵堂は、前非を悔いた頓兵衛が義興の冥福を祈って建てたのだそうだ。小道具として、頓兵衛の家の生活用品も展示されている。暗闇の中、この煙草盆につまずいたのかなあなんて思いながら眺めるのも楽しい。義興の霊が放ち頓兵衛の首に刺さった矢は、さっき双眼鏡で見たとおりだった。真ん中がU字型になっていて、そこに首をはめると、ちょうど刺さっているように見えるわけ。
ここに展示されていたお舟の写真におやっと目がとまった。平成3年としか書かれていないのだが、これ、ひょっとして亀ちゃん? うん、この顔、絶対そうだ。で、後で調べたら、やっぱり亀ちゃんでした(海老反りしている亀ちゃんの写真がココに。頓兵衛は亀パパです)。まだ15歳。
5.
「歌舞伎の演目」
純歌舞伎:青砥稿花紅彩画、三人吉三
義太夫狂言:奥州安達原(貞任の文楽人形あり。これも実際のものより小さい飾り人形であった)、妹背山女庭訓
歌舞伎舞踊:積恋雪関扉、京鹿子娘道成寺
新歌舞伎:沓水鳥孤城落月、斑雪白骨城(はだれゆきはっこつじょう:初めて聞いた。斑雪をはだれゆきと読むのも初めて知った)、椿説弓張月(大掛かりな舞台で面白そう)
番外(?):江戸時代の歌舞伎解説書
式亭三馬(三津五郎さんですよ)の「戯場訓蒙図彙(しばいきんもうずい)」(初版享和3年、展示品は文化3年の再版本)。これは文化デジタルライブラリーで全文を見ることができる。
三亭春馬の「御狂言楽屋本説」(安政
56年)は宙乗りなどの仕掛けについて絵入りで解説。

もう一つ人気を集めていたのが、バーチャル歌舞伎舞台。バックステージツアーみたいな感覚かしら。タッチパネルで回り舞台、黒御簾、スッポン、奈落などを見学できる。さらに指でドラッグするようにすると、アングルが変わってスゴい(ルーヴルDNPの技術みたい)。奈落なんて実際に見る機会ないから、面白い。
そんなに広くない空間での展示だからあっさりはしているが、少しは歌舞伎に慣れてきた私みたいなのでも、脳の中も整理されるし、たっぷり楽しめた。

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