« 2007年12月 | トップページ | 2008年2月 »

2008年1月

2008年1月30日 (水)

絶対オススメ:映画「ペルセポリス」

130日 映画「ペルセポリス」
絶対オススメである。以前、この原作4巻を娘とじっくり読む機会があり、その後映画化されたこの作品をパリで見た娘から「絶対見なくちゃダメ」と言われていたこともあって、日本公開を心待ちにしていながら、すでに1カ月以上もたって、やっと今日めでたく見ることができた。
ちなみに原作はモノクロのグラフィック・ノベル、映画はそれをアニメ化したものである。
内容は、パリ在住、1969年生まれのイラン人女性マルジャン・サトラピ(マルジ)の10歳からの自叙伝(映画は9歳から)。イランの歴史などほとんど知らない私にとって、苛酷な歴史に翻弄されてきたイラン人一家の物語は新鮮かつどきどきするような興味をひくものであった。パーレヴィ時代も革命時代も、イスラム共和制になってからも人々は希望を踏みにじられ、そのたび大勢が殺され、やがて勃発したイランイラク戦争でもまた多くの人々が命を落とし……そういうイランという国に住む1人の少女の日常が実に生き生きと描かれている。マルジと一緒に怒り、泣き、落ち込み、苦しみ、笑い、幸せな気分を味わい、マルジを愛おしく思う。
マルジの周囲でも逮捕や処刑が日常化している暗い時代背景なのに、この物語が暗くじめじめしていないのは、時にブラックでもあるユーモアがこの作品にちりばめられているからだろう。それは、自由でインテリジェンスに満ちた前向きな態度、理不尽な権力に負けない抜け道を見出す智恵と英知をもった両親と母方の祖母の愛情に支えられたマルジの性格がなせる業ではないだろうか。とくにおばあちゃんの生き方がマルジに与えた影響は大きい(このおばあちゃんを見て、私はオシムを思い出した。あんなに皮肉屋ではないけれど、歴史の波にもまれた人の共通点があるような気がする)。おばあちゃんは毎朝ジャスミンの花を摘んでブラジャーの間にしのばせておくという。なんてステキな女性!!
自由がどんなに貴重なものであるか。自由を当たり前のように享受している私たちからすれば笑ってしまうような理不尽な不自由さが当たり前の社会、それは日本でもかつてあったものであり、今も世界の多くの地域でみられるものであろう。そんな国や社会でも故郷は故郷、人は故郷を捨てても、故郷を愛し続けるものなのだ。この映画は、まったく押し付けがましいところなく、説教臭くもなく、自然にそれに頷かせてくれる。

マルジ自身による絵は独特の不思議な雰囲気を醸し出しているが、映画はそのままモノクロでアニメ化したことにより、まさに原作が動いているかのような印象を与え、この不思議な雰囲気をまったく壊していない(マルジの現在だけ、つまり映画の出だしと最後だけ、カラーが用いられている)。4巻にわたる原作はグラフィック・ノベルであるからして吹き出しの中のセリフも、いわゆる地の文も文字が多く、これを95分の映画にまとめるのは至難の業だったと思う。しかしマルジ自身が脚本・監督を担当(ヴァンサン・パロノーと共同脚本、共同監督)することで、それは大成功を収めた。
さらにこの映画が魅力的なのは、なんとマルジ母娘の声をドヌーヴ様とキアラ・マストロヤンニ母娘が、そしておばあちゃんをダニエル・ダリューがやっていることだ(ドヌーヴ様とダリューはいくつかの映画で親子として共演している)。私が見た映画館(渋谷シネマライズ)では先週英語版をやっており、フランス語版の見たかった私は英語版が終わるのを待っていたのだが、英語版でもマルジ母娘はドヌーヴ様とキアラが、そしてマルジのおとうさんをショーン・ペンがやっていたのだそうだ。そう知ると、英語版も見ておけばよかったかな、なんてちょっと残念な気がしないでもない。
絶対オススメなんだけど、渋谷シネマライズでは22日からはモーニングショーのみになる。

映画の詳細はココで。
<
上映時間>1回目:予告1040、本編10551230、というように、予告編15分、本編95分。21日までは1250150017101920の回がある。2日からは1040分の回のみ。予告がやたら多い。

<シネマライズについて> 1階の窓口で座席指定券をもらわなくてはならない。前売り券を持っていても同じ。私はそれを知らずに、入り口に並んでいたら、入場のときにそう言われて、慌てて窓口に走った。
スクリーンは二階に合わせて作ってあるとのことで、1階は少し見上げるようになるらしい。そういうことなので、1階は段差なしだが後方の席が見やすい。個人的好みは2階だという窓口のお兄さんの言に乗って私は2階席を選んだ。まだ誰もいなかったらしく、どこでもオーケーだったので一番前のど真ん中を取った。手すりがスクリーンの一番下からちょっと下に当たるような感じ。とても見やすかった。
おまけ:センター街からパルコ3へ上がる細い坂道の途中で、こんなお店発見。
080130kankuro

| | コメント (2)

2008年1月29日 (火)

浅草ではハマってみよう

浅草には6芸神がいらっしゃるそうだ。私はたまたま顔ハメをいくつか見つけただけなのだが、この神さまたちを祀った祠もあるらしい。6芸神とは、顔ハメの3神のほかに踊神(おどりがみ:1人でおられるところは15日の当ブログに掲載)、演神(えんじがみ)、戯神(おどけがみ)。次回はまず6芸神の祠にお参りし、残りの3神の顔ハメがあるかどうか、探してみたい。行くたび、浅草は深い、と実感する。
080126kaohame1jpg

  ↑
奏神(かなでがみ):どんな歌にも演奏を合わせられる神様。歌や楽器演奏の舞台を見守ってくれる。この神様が一緒に演奏してくれると、心に響く演奏になるといわれている。
080126kaohame2

  ↑
唄神(うたいがみ):奏神の弟。歌手の力をいっそう引き出してくれる。この神様が舞台に現れ一緒に歌ってくれると、その歌は必ず流行するといわれている。
080126kaohame3

  ↑
話神(はなしがみ):説明が見えないのだけど、察するに高座の神様でしょう。

080126kaohame4
  ↑
こちらの神様は雷門の雷神さま。下には風神さまも。
080126kaohame5

  ↑
控え目な私もこの中なら目立たなくていいかなと入ってみたかったのだけど、やっぱり1人では…。

| | コメント (2)

2008年1月28日 (月)

夢のあとが寂しくて:兎と亀

あ~今月の歌舞伎、終わっちゃったんだな~と思ったらなんだか寂しくて、こんなおやつをいただいてしまいました。
080128usagitokame
左は歌舞伎座土産の夢調兎最中(浦和花見)、右は浅草土産の亀せんべい(亀屋)。

| | コメント (0)

面白かった楽しかった:進化した顔見世狂言

127日 「小町村芝居正月」千穐楽(国立劇場大劇場)
080127sensyuraku_2 めちゃくちゃ面白かった。筋は知っているのに、新しく見るような楽しさがあった。いや、筋を知って入ればこそ、それを追わずに芝居そのものを楽しめたような気もする。また、当然ではあろうが、初日に比べて、テンポが格段によくなっていた。
以下、勝手気ままな感想を。
なお、千穐楽のハプニングの面白さなど、はなみずきさんのところで大変わかりやすく詳しくまとめられています。是非ご覧になってください。

<序幕> まずは田之助さん。無人の小屋に住んでいるような怪しげなオババのいでたちだから、白い眉は長く、長い白髪を後ろでゆるく結び、着物は前合わせがゆるく、きちっとした身なりではない。杖をついてデンと立っており、顔だって素の田之助さんに近い。その田之助さんをじっと見つめながら、男に見えたっておかしくないのに、どうしてそう見えないのだろうと、田之助さんにはまったく失礼ながら、私は変に感心していた。絶対おじいさんじゃない、どこからどう見ても女性、おばあさんなんだもの。どこかにやわらかさがあるんだろうなあ。これが芸の力なのか。
大伴黒主が雲の中に入る場面は、ドライアイスのけむりがむくむくで、雲感を醸し出す。私もちょこっとひんやりした雲を感じることができた。空気の流れの関係か、中央あたりに一番けむりが集中していた。
<幕目> 大内紫宸殿に大伴黒主が3人の若い女性を連れてくる。紀貫之の娘・香取姫、文屋康秀の娘・綾絹、安倍清行の娘・妻菊である。不覚にも演舞場で「雷神不動北山櫻」を見たときに、この娘たちのことをまったく思い出さなかった。それが今日3人の名乗りを聞いて、あらららら、あの安倍清行さんの娘だって!! と可笑しくなってしまった。だって、海老ちゃんのあのすました安倍清行が思い出されて、一体いくつの時の子なんだろう、って余計なことまで考えてしまった(あの時の海老ちゃんは100歳を超えていたから)。ところで、文屋豊秀って、康秀とは関係ないの? 実在の人物じゃないのか。 私はてっきり康秀のおとうさんが豊秀だと思っていた。どこからそんな理論もってきたんだろう。きっと1字違いってことから、だろう(他人事みたいな言い方だ)。
ところで、惟喬親王の亀蔵さん、珍しく台詞をド忘れしちゃって、私ちょっとドキドキ。一呼吸二呼吸ばかり置いた後、無事に「して、それに控えし者どもは」の台詞が出てきてホッとした。しかしよく、ちゃんと出てくるものだなあ。台詞につまった亀蔵さんを、ちょっとからかうような突き放すような、何とも言えぬ表情で眺める花道の菊五郎さん……フフフです。
<幕目> 時様と菊五郎さんのカップルがとても綺麗だった。私は時様が目許にほんのり笑みを含んだときの艶っぽさ、愛らしさがとても好きで、今日もぽ~っと見惚れてしまった。食後の踊りだから絶対寝るぞ、と心配していたが、ぜ~んぜん寝なかった。松緑さんと菊ちゃんを加えた4人の競べ馬の踊りも楽しく、4人が花道と本舞台の二手に分かれたときには欲張って両方を見ようと、あっちへキョロ、こっちへキョロと目を右左へと忙しく動かさなければならなかった。
<四幕> けだもの店の幕開き、何となく役者さんたちがみんな笑いをかみ殺して芝居をしているような様子で、裏で何があったか知らないが、不思議な雰囲気が漂っていた。そして、けだもの店のお客と女中の間に交わされる勘定の遣り取りでも「アレッ」と思うような間が。お客の台詞がいつもと違ったらしい。で、何となくぎこちないような、いたずらっぽいような空気が流れて。
時様と松緑さんが登場してそれまでの雰囲気は断ち切られたが、やがて菊五郎さんが新しい女房も菊之助さんを連れてくると、再び舞台の神様がイタズラを仕掛けた。菊五郎さんが新しい女房の名前をトチってしまったのだ。「おつゆ…? ん、おみきだっけ?」。客席が笑いに包まれる。おつゆはどこからもってきたのでしょう。おつゆとおみきはどっちも液体(お汁にお神酒)っていう共通点はあるけれど(^^)
菊五郎さん、この場面は鬼門かしら、初日もこのあたりで「女房」と言うところを「亭主」とやっちゃってましたし。
しかし、亀蔵さんは幕目の惟喬親王とこの幕の大家さんだけの登場。もったいない。もっとたくさん見たいのに。
私はけなげでひたむきな表情の菊ちゃんが何とも愛おしいと思うが、小女郎狐がまさにそれである。犬四天との立ち回りは思い切り楽しい。辰巳さんの階段越えのトンボ、千穐楽まで無事に勤められたことに心から拍手を送った。
<大詰> 千穐楽バージョンなのか、アドリブ続出、役者さんまで堪えきれずに笑みを見せるほど。とくにその一発目にはやられた。ひときわ高い壇上に構える菊五郎・大伴真鳥黒主、赤腹の亀三郎・亀寿兄弟と團蔵さんに向かって、「そこなめたぼな者たち、われに敵向かう奴ばらを片っ端から成敗しろえ~」とか何とか、とにかく敵をやっつけろと命令する。あれ?あれ?なんかここの台詞にちょっと馴染まない言葉が…。あっ、「めたぼな者たち」は「メタボな者たち」だったのか、と私の頭はほんの0.5秒ほど遅れてそれを理解した。菊五郎さんったら、表情一つ変えずに言うから~。で、メタボとわかった途端、可笑しくて可笑しくて、くっくっくっくっ、笑いが止まらない。舞台上にすまして並ぶ時様、松也クン、梅枝クン(とても綺麗で、かつ成長著しい)、権十郎さん、彦三郎さん、その上で憎々しげに立ちはだかる亀三郎さん、亀寿さん、そしてちょっと離れたところにいる菊ちゃん、みんな笑いを抑えることができないでいる。悪いと思いながらそのこらえ笑顔を盗み見たら、又可笑しくなって、笑いが止まらなくなり、本当に困った。その中で、花道に登場したばかりの團蔵さんだけは笑わずに頑張っていたように見えたが、その後の「ヤットコトッチャア、ウントコナ」の掛け声はヤケクソみたいな大声でやっていた。笑いを仕掛けた張本人の菊五郎さん、すまし顔で皆を見下ろしていたけれど、してやったり、ですね。
その後、菊ちゃんのアドリブ(その時は覚えていたし忘れないようにしようと思っていたのに、未だに笑っちゃう菊五郎さん効果で忘れてしまった)→思い出したっ、正確じゃないけど。
   ↓
花道の松緑さん(孔雀三郎)に近寄る菊ちゃん(初音、実は小女郎狐)、突然腰を振り振り、あの鈴を転がすようなお声で「♪お尻かじり虫~、お尻かじり虫~。……あら、お尻とお尻でお知り合いの松緑さん」。すると松緑さん、「楽屋でそんなことばかり考えているお菊ねえさん」とやり返し、もうこの2人に客席の笑いは頂点に達する。
「暫」の松緑さんは、ものすごい衣裳で花道に登場する。本舞台でそれを脱ぐのだが、分厚い衣裳を何枚もしっかり着込んでいるから、後見さんたちが3人がかりで必死で脱がせる。そのあまりの必死さに客席が思わず暖かい笑いをもらす。私のところからは辰巳さんが歯を食いしばって力をこめているのが見えた(がんばれ!!)。あんなスゴい衣裳を着て、朗々たる台詞を言う松緑さんはスゴい。
とにかく、楽しくて楽しくて、昨日の浅草とはがらっと違う顔見世狂言、1月の歌舞伎のシメとしては満足した。ちょっと失敗したなと思ったのは、中ほどの日程で上から見るべきだったなということ。初日も千穐楽も大変いい席で見ることができた私のさらなる我儘ではあるけれど。
おまけ1初日は4時間半かかったけれど、今日の終了時刻は165分。25分も短縮されていた。今日の上演時間は以下の通り。カッコ内は初日の時間。序幕25分、休憩10分(15分)、二幕目50分(55分)、休憩30分、三幕目25分(35分)、休憩15分、四幕目40分、休憩15分(20分)、大詰35分。テンポがよくなったわけだ。あるいはテンポがよくなったから時間も短縮できたわけだ。
おまけ2後見さんで思い出した昨日の浅草。亀治郎さんの雪姫についていた黒衣の後見さん、3人のうち中心は段之さんじゃなかったかしら。そして、黒衣さんたちは頭から垂れる黒い布を口で咥えて押さえていた。
おまけ3初日は劇場のおにぎり昼食にしたから、今日はちょっと贅沢して、この芝居にちなんだ3500円也の江戸弁当をいただこうかなと思っていた。でも、やっぱり高いよな~、などとクヨクヨ悩んだ末、やっと決意したら、完売でした。あんなに迷ったくせに、食べられないとなると妙に損した気分になる。真に残念。
おまけ4:昼食の休憩時間にイヤホンガイドの抽選会をやっていた。先着20名というアナウンスに駆けつけたら18番。ぎりぎりセーフ。一等賞は文楽の招待券だそうだが、それは19番の方(!)が当てたようだ。私は↓をいただきました。嬉しいです。
080127strap

おまけ5:ちょっと後ろめたい気分なのですが、また手拭を頂いてしまいました。今度は梅枝クンが投げてくださいました(やったー!!)。去年も2回行って、2回ともその周辺で私だけはずれたので、今年は超ラッキー。まあ、たまにはそういうこともあるさ、とご寛容のほどを。

| | コメント (6)

2008年1月27日 (日)

浅草歌舞伎第二部千穐楽:その2

126日 浅草歌舞伎第二部(浅草公会堂)
<
金閣寺>

080126kinkakuji_2 あちこちで評判の亀・雪姫。期待の「金閣寺」である。
幽閉されている部屋の障子があいて雪姫が姿を見せたとき、「あつ、雀右衛門さん」と思ってしまった。私は雀右衛門さんの雪姫は見たことないし、その魅力もつい3日ほど前に少しわかった程度なのに、これは紛れもなく雀右衛門さんである、と確信した。体の線、くねらせ方、首の角度、どれをとっても、雀右衛門さんのたおやかさを髣髴させる。形だけでなく溢れる情感も含めて、顔まで似てくる。
ところが面白いことに、物語の進行につれ、雀右衛門さんがいなくなり、不思議なことに、ふっと歌右衛門さんが現れるのだ。歌右衛門さんの雪姫も見たことないと思うし、見ていたとしても記憶にない。だけど表情、体の動きがなぜか「ああ、そっくり」なのだ。うまく表現できないけれど、ちょっときついというか、硬い強さというか、歌右衛門さん独特の一種狂気を含んだような表情が窺える。
そして雪姫は徐々に亀ちゃん自身になる。この変化が私には面白く、これだけ素晴らしい雪姫を演じた亀ちゃんが今後どんな型をつくっていくのか興味深いなあと思った(亀ちゃんにこれだけのものを伝えた雀右衛門さんも凄い。師弟の才能がピタリと合ったか)。
刑場に引かれてゆく夫との別れの哀しさ、辺り一面に降り注ぐ桜吹雪(すごい量で、客席が沸いた)の中の雪姫の美しさ、忘れられない。
あとみんなよかったけれど、とくに光っていたのが獅童さん。カッコいいし、悪役としての大きさが感じられた。成長したなあ。そうそう、それから、いてうさんが松永大膳の弟役に抜擢。去年の錦秋公演でちょっと注目しただけに、「おお、やっぱりいいじゃ~ん」と嬉しくなった。
私の席はかなり上手で、ちょっとガッカリしないでもなかったのだが、雪姫の最初の登場は思い切り正面だったし、2本ある桜の木の上手のほうに縛られたし(実際の演技は真ん中で行われるのだけど)、まあまあ亀ちゃんをよく見ることができて、よかった。だけど花道七三、刀身を鏡にしての鬢のなでつけは遠くてあまり見えなかったのが残念。何しろ、椅子が舞台中央を向いて設えられていないから、かっなり首が痛いのです。
もうひとつ残念なのは、音響があまりよくないような気がしたこと。舞台真ん中より下手寄りでの台詞は、とくに亀ちゃんや獅童さんの声が籠るような感じになって、聞き取りづらかった。そういえば亀ちゃんはこれまでにない高い声を出していたな。聞き取りづらかったのはそのせいもあるかもしれない。
<
与話情浮名横櫛>
080126yowanasake 見染の場の七之助さんが玉三郎さんを思わせる。七之助さんのお富の声の出し方は、いい感じだなという印象を受けた。愛之助さんの与三郎は、時々ものすごく仁左様に似ている(とくに膝を立ててちょっとそっくり返るような動きがそっくり)のにもかかわらず、仁左様ほど江戸っ子ぽくなくて、はんなり部分があるような気がした。私は骨太ラブリンが好きなので、このはんなり部分がちょっと気になってしまった。でも、これがきっと愛之助さんの魅力をつくっている上方の味なのだろう。無理になくす必要はないのかもしれない。
愛之助さんと獅童さんが浜辺の景色を眺める場面、2人は客席に降りてきて、通路を歩きながら、お客様に話しかけたりの大サービス。そこは座席の都合上、私などは傍観者として「うらやまし~」と指を咥えて眺めるしかない。それでも、舞台で見るよりは近い。獅童さん、やっぱりカッコいい。
亀鶴さんの蝙蝠安、亀鶴さんをもっとたくさん見たいと思っていたから嬉しかった。亀鶴さんのニンとは思えない蝙蝠安だけど、とても頑張って上手に演じていて、違和感は覚えなかった。花道での与三郎とのお金をめぐる遣り取り、面白かったし。とはいえ、亀鶴さんのニンに合った大役を見てみたい。
<
千穐楽だから>
定式幕が閉まるとすぐ、席を立つ人もチラホラいたが、絶対何かあると信じて、私は座席でねばっていた。カーテンコールを求める拍手も鳴り止まない。もちろん私も拍手し続ける。幕の中では、どうしようか決めかねていたのだろうか、なかなか幕があかない。確信がちょっと薄れてきて、拍手を続けながら腰を浮かし加減になったとき、幕が開いた。愛之助さんと七之助さんが中央に立っている。ラブリンが千穐楽のお礼を述べる。七之助さんは「こうやって(多分、扮装のままでということ)愛之助さんと立つと恥ずかしい気がする」と言って照れていた。2人の深々としたお辞儀で、今年の浅草第二部は終わった。

<上演時間>金閣寺100分、幕間25分、与話情浮名横櫛90

おまけ:相田翔子が来ていたらしい。

| | コメント (2)

浅草歌舞伎第二部千穐楽:その1

126日 浅草歌舞伎第二部(浅草公会堂)
080126asakusahall
千穐楽が
3座重なるって、ずっと残念に思っていたのだけど、浅草の第二部は今日が千穐楽だったんだ。ということに気付いたのは今日になってからだった。それで、かなり嬉々として浅草へ。
<
舞台写真と筋書き>

公会堂は予想通り大盛況。補助椅子も沢山出ていたし、廊下は大混雑、幕間のトイレは長蛇の行列。私は少し早めに着くことができたので、まずはイヤホンガイドを借り、イヤホンを耳に入れてから舞台写真売り場へ。これは、亀ちゃんのインタビューは開演前、雪姫の舞台写真は昨日は売り切れていたけれど焼き増しされたらしいという情報をある方から教えていただいたおかげ。雪姫の3枚はどんどん売れるとかで、私はまだ混まないうちに、何も考えずにさっと買った。あとで、おとくも忠信利平もほしくて余程 買おうと手が伸びかけたけれど、財布の中身を考え涙を呑んだ。
080126seal_3 というのも、バカみたいだとは思いながら、筋書きを又買ってしまったからだ。歌舞伎座や演舞場と違って、初期と内容は変わら ないのに、表紙に千穐楽シールが貼ってあるのだ。一昨年も昨年もこのシールが手に入らなかった。たしか、シールだけ売っていたのだが、アッという間に売り切れてしまい、私としては3度目の正直なのだ。でも、やっぱりバカみたいだなあ。
<イヤホンガイド>
それからトイレに並ぼうかと思ったけれど、トイレはイヤホンガイドが入らない。せっかく亀ちゃん目当てに借りたのに、聞こえなくては意味がない。そこで、まずは座席でしっかり聞くことにした(第一部のときはまったく聞く余裕がなかった)。
今回の企画は、出演者が客の質問に答えるというもの。亀ちゃんの質疑応答は、
①現在の一番の興味は?→読書。浮世絵はロンドン公演の時に見たり、ディーラーから買ったりして今は1500枚のコレクションがある(「何でも鑑定団」に出演したのに、見るの忘れちゃった)。現在多忙のため、芝居が趣味のようになっているが、やはり一番の趣味は読書だろう。ノンフィクションならジャンルは問わない(フィクションはあまり読まないらしい)。
②浅草の一番のお気に入りの店は?→蕎麦の尾張屋。天麩羅蕎麦がおいしい。冬のオススメはゆずきり。池波正太郎も通ったこの店は女将さんのお人柄も良い。ウナギは苦手(私もウナギ、ダメです。亀ちゃんと一緒だ)だが、唯一小柳のウナギなら食べられる。ここの鳥弁(鳥重のことらしい)もおいしい。
というものだった。ほかの出演者のも聞きたかったのだが、開演前、幕間は座席にじっとしていないので、残念ながら諦めた(外に出ると雑音が入ったりして、うまく聞こえないのだ)。
<
お年玉ご挨拶>
今日は愛之助さん。口上口調で観に来てくれたことに「厚く厚く御礼申し上げます」と感謝したかと思うと、おもむろに胸元から何かを取り出し、立ち上がった。マイクだった。ワイヤレスのそれを手に持ち、花道七三まで進み、ごく普通の口調になって話し始めたから、客席受けた。
演目の説明をした後、舞台を降りた愛之助さんは客席からの質問を受け付けるという。私、ずっと以前から誰でもいいから歌舞伎役者さんに聞きたいことが一つあって、手を挙げたかったけれど、さすがにその勇気が湧かない。それがけっこうあちこちで手が挙がっているので感心した。
質問①初日に観たが、その後日が経って、与三郎の出来はご自分ではどうか?→「そんなこと言えるわけないじゃないですか」と苦笑いのラブリン。「満点とも言えないし、出来が悪いなんていったらお客様に失礼だし」。稽古には仁左様や玉様、勘三郎さんがいらして、見てくださったそうだ。で、「自分では初日の頃から2段階くらいは上がったでしょうか」。
質問②大阪が恋しくならないか?→「それほど恋しくない。東京(浅草だったかな)は<熱さ>が大阪に似ているからかもしれない」。
質問③去年松竹座で、海老蔵さんの代役として初役の鳴神を務めたが、どんな気持ちだった?→「人間、何とかなるものだ。ただ、その時(代役を言われた時)は『やるぞ』という気持ちだったが、御簾が上がった途端、死にたいと思った。一言目の台詞は何だったかいな、なんて」。
愛之助さんの答えは真摯で、関西のやわらかさを含んでユーモアたっぷり、頭の良さを感じた。三番目の質問は、私の席のすぐそばに立って答えており、文字どおり目の前で素顔のラブリンを見て、内心「ラブリン素敵~。きゃっきゃっきゃっ」と興奮。ちょっと端すぎるよな~と思っていた座席だったけれど、一気にラッキー席に変わっちゃった。

舞台へ戻った愛之助さんは、再び口上口調で「よろしくお願い申し上げます」と挨拶を終えた。楽しい15分間だった~。

以下、続く。

| | コメント (2)

2008年1月26日 (土)

ベタが一番:続・三丁目の夕日

125日 映画「ALWAYS 続・三丁目の夕日」
近場の映画館で長いことかかっていたが今日が最後と知り、前作を見て大泣きした身としては「やっぱり見ておかなくちゃな」。だけど、全体にノスタルジーを強調しているような意図が見え隠れしているように思ったし、結局、絶賛を得た前作の続編に同じ新鮮な感動を期待するっていうのが間違っているんだな、と思った。いや、誤解されると困る。面白くなかったとか良くなかったというのではない。新しい作品として見ればいいものを、前作に未だにしがみついているという、あくまで見る側の問題である。
まず、時代を表す町が作り物にみえてしまった。これは、前作であまりに町の作り方を詳細に紹介されてしまったせいだと思う。まだ高速道路が覆いかぶさる前の日本橋も、都電の走る町も、ブルーバックの前で人物が演技をして後でCGを重ねたんだなあ、とか、特急つばめの疾走する場面も、模型を走らせたんだろうとか、そんな余計なことが頭に浮かんでしまった。東京タワーが意外とチャチい。今見る東京タワーのほうが立派な感じがする。
それにまた、エピソードが多すぎて、入り込んで泣こうとか笑おうとかいう前に、プツンと次の場面に移ってしまう。そのため、ず~っと物語に入り込めず、何となく客観的に眺めていたというのが正直なところだ。だけど、私の隣の女性は最初から最後までずっと鼻をずるずるいわせていたから、やっぱり私のほうに問題があったのだろう。
さて、時代は前作から4年後の昭和34年。祝・美智子妃ご懐妊の頃らしい。画面にはいきなり、ゴジラの襲撃に逃げ惑う東京の町が映し出される。ゴジラにつぶされ、廃材と化した鈴木オートの看板を見て、文字どおり怒髪天を衝く社長(あまりのベタさに、思わず声をあげて笑ってしまった)。このゴジラの場面は、茶川さんが書く小説のイメージとして出てきたのだが、オープニングにこういう部分を入れるっていうのも一時流行したなあ、なんてちょっとそれもレトロっぽい気がした(それとも、今でもそうなのかな)。でも、私、初めて映画館でゴジラというものを見たから、本物でなくてもかなり嬉しかった。
展開はかなりベタである。でも、このベタさに笑い、泣けるのだ。以前、TVのバラエティ番組で、タレントが過去のドラマのベタな展開を考えて新たにドラマを作るというのがあり、思い切りベタなストーリーに意外やみんな泣いていたが、ベタって、案外人間のツボを衝いているのではないだろうか。私は最後の2030分、茶川と淳之介とヒロミの結末にボロボロ泣いてしまった。ハンカチを目と鼻から離すことができない。隣の女性みたいに鼻がズルズルいい始め、ヒックなんてしゃくり上げそうになって慌てた。
子供たちで言えば、前回は一平と淳之介の友情的なものが主眼だったが、今回は鈴木オートの親戚の女の子と一平の心の通い合いがそれに代わる。この辺も思い切りベタなんだけど、それが心を温かくして後味が良い。一平の幼い恋みたいなものがあれば、六ちゃん(最近、堀北真希ちゃんが可愛くってしょうがない私は、六ちゃんの性格の愛らしさとの相乗効果で、余計思い入れた)にも恋の予感があり、トモエさん(鈴木オートの奥さん、名前初めて知ったわ)には上川隆也(ここだけ俳優名になっちゃった)との恋の過去があり、過去といえば鈴木オートのおとうさんには多くの戦友が死んだのに自分は生き残ったというトラウマがあり、茶川さんには東大出だけど1人ショボくて同窓会にも出られないという引け目があり、そんなこんなひっくるめて、みんな一生懸命生きていることに共感を覚える。
近所の家庭の事情に口や手を出すことがプライバシーの侵害になったのはいつの頃からだろう。それがいいって言うわけではないし、私も他人にとやかく言われたくないとは思うけれど、孤独死や幼児虐待は今よりはなかったのではないだろうか。まあ、考えてみれば50年も前の話です。
あれこれ1淳之介が給食の時間に読んでいる本、あれは講談社の少年少女世界文学全集だ!! 私も愛読者だった。たしか毎月配本されていたはずだ。今でもそのうちの何冊かは持っている。わずか何秒か写っただけで、どの巻だかもわからなかったけど、この時は思わず叫び声をあげそうになった(プログラムによれば、「点子ちゃんとアントン」だって。この巻は、どういうわけか箱だけ残っていて、本体がない。数年前に映画を見て、あらためて本を買ったことがある。ケストナー大好きなんで)。

あれこれ2羽田空港が小さい。飛行機もプロペラ機だ。

あれこれ3エンドクレジットで、「福士誠治」「貫地谷しほり」の名前を発見。福士誠治って、「ナツひとり」に出ていた…え~、もしかして鈴木オートの戦友が福士誠治だった~? 正直言ってあまりよく知らないので気付かなかった。この戦友の場面、ちょっとナゾで、どういうことかわからなかった(ひょっとしてユウレイ?) 貫地谷しほりは不覚にもまったく気付かなかった。ヒロミの仲間のダンサーだったとは!! もう1人のダンサーはよく覚えているのに、貫地谷しほりのほうはどういうわけか印象に残っていない(毎朝「ちりとてちん」見ているのにショック)。

あれこれ4一平役の小清水一揮クンは前作の印象があまり変わらなかったけど、淳之介役の須賀健太クンは大きくなったよなあと思う。
あれこれ5堤真一って、すっごいなで肩(筋肉なで肩)だ。

| | コメント (0)

2008年1月25日 (金)

退化

宅配便でやりとりをする仕事がいくつかある。相手先から着払いの伝票が送られてくる場合は自分の名前と住所を書き込むだけでいいが、そういう相手ばかりではない。伝票にフルに記入するのって、字はヘタクソだし会社名を書くのがけっこう面倒だなあとわずかな手間を億劫がっていたところ、ヤマトの「クロネコメンバーズ」というシステムを知った。
どんなものかと思ってネットでとりあえず申し込んでみたが、カードが送られるまで2週間ほどかかるという。なんだ、じゃあその間は結局いつもとおんなじかあ、とちょっとガッカリしていたら、送り状をダウンロードして内容をすべてパソコンで入力できることがわかった。
そういうのってすぐ試したくなる私は、早速やってみた。最初はこちらのデータ、相手先のデータ、色々入力しなくてはならないが、2度目からは保存された履歴が利用できる。A4の普通紙に4分割で印刷された伝票は大きさこそ違え、手で記入するものと同じだ。
早速それをもって翌日宅急便を出しに行った。何しろ初めての経験だから、どんなふうに処理されるのかなと興味津々眺めていたら、宅急便の営業所では、4分割の伝票をバラバラにすべく点線に沿って鋏を入れ、雨にあたっても大丈夫なようにビニール袋に伝票を入れていた。私はとても楽をしたのだが、営業所では余分な手間暇がかかり、申し訳ない気分であった(いや、向こうも手で記入する内容はないから同じかな)。
ところが、ここで一つ問題が。「もう1枚伝票ありませんでしたか?」と訊かれたのだ。えっ……。よく見ると、確かに4枚の伝票にはBCDEとあり、Aがない。そうだっ、画面には2枚印刷と出ていたけれど、1枚目はただの注意書きみたいだったから「もったいない、いらないや」と2枚目だけを印刷したのだった。そうか、その1枚目にAがあったのだな(2度目の利用で、たしかに1枚目にAを発見)。
紙とインクをケチったとも言えず、「すみません、気が付きませんでした」と小さくなっていると、Aの伝票は<お客様控え>であるという。私が必要としなければ、事はすむ。どうしようか、やっぱり控えは必要だよなあ、と困っていたら、住所などのデータが印字されていない伝票を渡してくれた。これは<取扱店控え>だそうで、取扱店に情報が漏れないよう、住所と内容物がわからないようになっているのだということだった。なるほど、いつもこの伝票は何なんだろうと疑問に思っていたが、ひょんなことからそれがわかった(よく見たら、今の伝票にはちゃんとそれが明記してある)。で、私は直接営業所に持ち込んだため、取扱店控えを受け取っても問題はないわけだ。というわけで、荷物も翌日無事に届き、一件落着。早とちりのケチはいけませんな。
というか、手書きをサボることによって脳がまた退化しそうな気がしてきた。

| | コメント (0)

2008年1月24日 (木)

zzzz…反省しきり、たまにはこんな日も

123日 初春大歌舞伎昼の部(歌舞伎座)
080123hiru 朝目覚めたら「雪かよ~」。せっかくの歌舞伎だっていうのに、なんか急に億劫になった(氷雨とか雪って、外出しようという心を挫く)。それでもせっせと出かけたら、丸の内線に乗り換える予定の後楽園で、降り損なった。駒込も本駒込も東大前もぜん~んぶ知ってるのに、後楽園だけ気付いたときにはドアが閉まっていた。寝ぼけ眼で慌てて<乗換案内>を見ると、な~んと丸の内線、有楽町線、日比谷線が混雑のため遅れています、ではないか。ケガの功名、よし溜池山王から銀座線だ~。銀座まで行けばこっちのもの、電車が動いてなくても自分の足がある。
と、幸い日比谷線もまったく問題なく、無事早めに歌舞伎座に着いたのでした。さあ、白く薄化粧した歌舞伎座を撮るぞ、と張り切って階段の途中でカメラを出したら、な~んだ、全然白いところなんてないじゃない。雪も雨っていうかみぞれっていうかに変わっている。
半分ガッカリして3階に上がると、もうあのいい香りに捉われる。0080123syoujou_2 朝から飲まず食わずの私はガマンがならず、早速たい焼き1個を頬張った。おいし~い!!
早々とおなかに物を入れたせいか、眠い。今日は何だかず~っと眠かった。だから感想はいつも以上にまともじゃない。
「猩々」。酒売りが猩々に酒を飲ませるってだけの話なんだけど、正月にこういう踊りはいいなあ。梅玉さん、酒好きの猩々の雰囲気を漂わせていた。猩々って想像上の生き物だけど、オランウータンのこともいうそうだ。これは珍しく、ちゃんと寝ずに見た。
080123okura 「一條大蔵卿」。やたら眠くて、全体的にぼ~っとして眺めていた。それに、手すりが目の前で舞台を遮っていて、少し前かがみになるか、椅子の前のほうに腰掛けないと見えないから、何となく後ろの人に遠慮してちゃんと見なかったり、っていうのもある。鬼次郎は前に見たときは仁左様だったから梅玉さんはどうなのかなあと思っていたら、意外と違和感なかった。ここのところ骨のある男っぽい梅玉さんもカッコイイ。そういえば梅玉さんと魁春さんの夫婦役って初めて見たような気がする。段四郎さんの八剣勘解由、悪くてかつ面白かった。最後まで金にこだわる根性に、客席から笑いが起きた。大蔵卿に殺されて、首をぽんぽんボールがわりに遊ばれたりして(首がアッという間に出てきたので驚いた。ここも客席苦笑い)、えぐいというか、気の毒というか。
ところで八剣(やつるぎ)って最近どこかで聞いたような、と思ったら、「毛抜」に出てきてたのね。こちらの八剣は玄蕃だけど。吉之丞さんの八剣女房、好きです。なんであんな立派な女性があんな悪人と一緒になったんだろう。
080123masago 「けいせい浜真砂」。今日はこれを見るために来たっていう感じかな。雀右衛門さんの魅力をなんとしてもわかりたい。たった10分の登場だった(もっと短く感じた)けど、美しいと思った。女五右衛門らしく鬘がなんていうのかな、五右衛門風で、それが上品で色っぽくて、透明感があって、台詞の声はあまり届いてこなかったけれど、それでもいいや、って思えるくらい、その姿にひきつけられた。ジャッキーの魅力、少しわかったかも。山門がせりあがったりする大仕掛けだったから、3階席は正解。
それから、三味線二丁による大薩摩が珍しくて、よかった。しかしいつもの大薩摩に比べて勇壮感がイマイチだなあと思っていたら、五右衛門が女性だから柔らか味をもたせているんだということだった。納得。最初の三味線部分がけっこう長いのだけど、この間客席のざわつきがかなり目立った。浅葱幕がかかっていたせいか、お喋りがあちこちでもわんもわんいっている。もう芝居は始まってるんだけどな……(寝てばっかりいる人に言われたくない?)。
080123sougorou 「魚屋宗五郎」。ついこの前見たばかりだと思っていたら、それは去年の4月のことだったのね~。幸四郎さんは予想していたよりよかったし、それなりに面白かったけれど、オペラグラスのレンズに写る顔はやっぱりちょっと立派かなあ。途中暑いし食後のとろ~っとした空気が頭の中に流れていて……。ふと気付くと、磯部家の善玉家老が歌六さんだった。顔が歌昇さんに似てるな、兄弟だなあ、なんてつまらんことを考えた。錦之助さんの磯部主計之助がステキ。ステキだけど、「今さら謝罪したって、お蔦は帰ってこないのよ。短慮にもっと早く気付け~」と心の中でツッコンでしまった。
080123omaturi 「お祭り」。ごめんなさい、あまり記憶にない。そうだ、「助六が出てきた?」と思ったんだっけ。ボケた頭でよく考えたら、助六とは全然違うんだけど、なんとなく助六っぽく見えてしまった。「お祭り」もしょっちゅう見ている気がする。歌舞伎座外の演目紹介看板には、昼の部の演目が多すぎてはみ出した「お祭り」が夜の部のところにある。で間違えないように、上に「昼の部」と表示してある。
<上演時間>「猩々」20分、幕間15分、「一條大蔵卿」87分、幕間30分、「けいせい浜真砂」10分、幕間20分、「魚屋宗五郎」68分、幕間15分、「お祭り」15

歌舞伎座の舞台写真入り筋書きも買ったし、終演後演舞場でも写真入り筋書きを買ったから、カバンが重かった。演舞場はちょうど開場の混乱のさなかで、チケット売り場の前でうろうろしていたら(筋書きはチケット売り場でも買える)、演舞場の人が劇場の中に入って買ってきてくださった。演舞場はついに、空席なしになっちゃったなあ。

ああ、しかしダラけた観劇だったなあ。役者さんに申し訳ない。反省しきり。
080123utikake_2 
 ↑
「助六」揚巻の衣裳。2階に展示されていた。
080123mokuroku_2 

 ↑
魚河岸の旦那衆から團十郎さんに贈呈された助六の鉢巻の目録

| | コメント (6)

2008年1月23日 (水)

決めたっ、博多行き

新年会で亀ちゃんに煽られ、同席の方には「日帰りできるでしょう!!」と背中を押され、自分の中でもテンションがどんどん高くなって、とうとう行かないわけにいかなくなっちゃった。

で、昨日、急いでチケットと飛行機の手配をした。
今から留守番がいるとわかっている日は2月に1日しかなく、だけどもうその日の博多座はかなりチケットも厳しく(他の日だって前のほうはもうない)……。
最大のお目当ては夜の部の「蜘蛛絲梓弦」だから、夜だけにしようか…でも、昼の部で獅童・知盛がどれだけ成長したかも見たいし、「高坏」「団子売」だって魅力的。
散々悩んだ挙句、日帰りで昼夜観劇強行、ただし昼の部はB席にした。飛行機はマイルが使えるからタダなんだけど、チケット、ちょっとケチってしまった。大物浦の知盛は上から見るのがいいかなあ、なんて。いや、実はあまりの株価激落(暴落を通り越してる)と原油高に怯えたためです(フリーランサーは何かの折には直撃を受けるから)。

| | コメント (4)

2008年1月21日 (月)

素敵な武田兄弟:信玄と信繁

120日は、亀治郎さんの新年会。後援会組織が新しくなってから初めての新年会は、会場の恵比寿ウエスティンホテル、ギャラクシールームに出席者170名を集め、大盛況であった。
<亀治郎検定>
テーブルに着くと、「亀治郎検定」と銘打った紙が置いてある。え~っ、亀ちゃんファンとしちゃあ、下手な点とれないぞ、と恐る恐る手にとってみると、前半は歌舞伎に関する問題。昨年亀ちゃんが演じた役名を答えるもの。オペラ座、「十二夜」、巡業で演じた全部で6つのお役。漢字で書かなければいけないという但し書きはあったものの、これは自信をもって答えられる。
なんて、ほとんど全員正解に決まってる問題に答えて内心得意がっていた鼻をへし折られたのは、次の「風林火山」に関する問題を見たとき。全部4択なのだけど、一目見て、こりゃ全滅だ~と、今度は内心青くなる。
晴信の歌「朝まだき野分の風の吹くからに」は後にどう続くか(それとも上の句を当てるのだったかもしれない)、926日クランクアップはどのシーンか、信玄誕生は第何話か、天文10年新年の祝賀の席で晴信の正面にいたのは誰か、Gackt謙信が亀信玄の軍扇に3太刀で付けた傷はいくつか、とか13カ月間亀ちゃんについたメイクさんの名前、45話のタイトル、川中島の決戦のロケ地等々、全9問(歌舞伎問題と合わせて15問)。だいたい、まだ「風林火山」の川中島以降の録画を見てないうえに(私だけかと小さくなっていたら、ご同様の方が他にもいらして、ちょっとほっとした)、かなりマニアックなんじゃないの~と思う私は、亀ファン失格かしらと少しいじけたが、他の皆さんもとまどっていらっしゃるようで、少なからず安心した。「カンニングはしないように」という注意書きをほぼ守り、最終的にはもうカンのみ。会が始まるまでの30分弱をああでもないこうでもない、と頭を悩ませながら、周りの方と和やかに過ごす。劇場やイベントで何回かお見かけすることはあってもほとんど見ず知らずと言ってよい方々と打ち解けるにはいいアイディアだな、と思った。途中、回答が回収され、最後に正解と成績優秀者発表があった。
なんと全問正解者が2名もいた。素晴らしい!! 私は意外にカンが当たり、いいセンいくかなあと思ったが、多分41名いたという11問正解だったんじゃないかしら。
<映像紹介>
さて、いよいよ新年会の始まりである。会場のライトが落とされ、壁に設えられた大型スクリーンに注目していると、なんと、信玄亀ちゃんの破顔一笑が大写しになる。2007926日クランクアップの映像だ。いきなり私たちを画面に引き込む素晴らしい笑顔と高らかな笑い声。勘助の内野さんがさっと寄ってきて硬く抱き合う2人。その後は次々と「風林火山」の共演者、スタッフさんたちとの1年間に亘る数々の画像がテーマ曲とともに紹介された(マネージャーさんが編集なさったそうだ)。スタジオやロケ地での扮装写真、もうすっかり昔のことになってしまったみたいな若くて初々しい晴信さん♡、飲み会での和やかな雰囲気、そのどれもが亀ちゃんの魅力に溢れている。食い入るように見つめた映像・画像が終わると、待ってました、亀ちゃんステージに登場。
<祝賀の舞>
傘をもっただけの素踊り。しっとりとした「祝賀の舞」の間、私はず~っと亀ちゃんの指の動きにひきつけられていた。以前NHKの歌舞伎番組で雀右衛門さんが女方の舞いの指の使い方について説明していらしたことが甦る。あの時の雀右衛門さんが見せてくれた指と亀ちゃんの指が重なる。浅草歌舞伎の雪姫について上村以和夫さんが、雪姫の指導を受けた「雀右衛門になって、同時にそれ以上に亀治郎として輝いていた」と書いておられるが、それが頭をよぎったのだ。もちろん、この踊りでは雀右衛門さんの影響がなくったって、そういう美しい指の動きをしていただろうことはわかっているのだけど。
<写真撮影>
亀ちゃんの挨拶・乾杯(何をするにも健康が第一、ということでみんなの健康に乾杯)の後、各テーブルに亀ちゃんが加わっての集合写真撮影。今年はテーブル数も多いので、砂時計が落ちるまでという条件で(^_^)亀ちゃんはテーブルをまわって歩く。砂時計は2分計だったんじゃないかな。位置を決めて撮影するだけのあっという間だった。
<対談>
そして楽しみにしていたゲストとの対談。千葉さんだろうか内野さんだろうか、はたまた千住さんだろうかという声が飛び交う(飛び交っていたらしい)中、現れたのは、武田信繁、あの冷静で真面目で武田家を思い兄を思う心優しい弟君だった。この嘉島典俊さんがなんとかつてのチビ玉であったとは!!! 初めて知りました。
私が大いに感銘を受けたのは、嘉島さんの頭の良さだ。用意された質問にユーモアを交え的確に答えるだけでなく、亀ちゃんがぶつけてくる球をストレートあるいはカーブでさっと投げ返す。そして内野さんや千葉さん、Gacktといった共演者の物真似まで出て。
もう2人の対談が楽しくって楽しくって、このゲストは大正解だったなと、ひどく感心したにもかかわらず、ビールにワイン(と言っても少量だけど)、さらにその後の二次会でのカクテル3杯に思った以上に酔いが回った私は、肝心の話の内容をほとんど覚えていない。よく、授業で大事なことは忘れるけれど、先生の冗談や脇道にそれた話は一生覚えている、っていうそんな感じで、大事なところはみんな抜けてしまった。

嘉島さんは、亀ちゃんに言わせると出演者の中で一番礼儀正しかったとのことで、亀ちゃんも言っていたが、大衆演劇の劇団の躾の厳しさが伺える。
寒いときの撮影では、みんな見えないところで靴下を穿いていたそうだ。嘉島さんは片足だけにポップな模様の靴下を穿いていたりして、お茶目な面を見せていたとか。
嘉島さんはリハーサルも本番もちゃんと泣くから感心した、と亀ちゃん。当の亀ちゃんは泣く場面ではほとんど目薬を使ったと言う(ホントかな。そうでもないような気がする)。唯一、大井夫人とのなんだかの場面(これも忘れた)で目薬を使わなかったそうだ。
2
人とも一番印象に残ったのは、兄弟の別れの場面だということであった。私、まだ見ていない。きっとボロボロ泣くんだろうな。信繁に対する「生きよ」という信玄の言葉は、亀ちゃんのアドリブらしい。亀ちゃんはけっこうアドリブを入れるのだが、さすがに元チビ玉クンはしっかりそれを受け止める芝居をしたそうだ。4月の「風林火山」、嘉島さんは再び信繁役で舞台に登場されるとのこと。ますます楽しみが増えました。
これまでみたいにサインを頂いたり、ツーショット写真を撮ったりということができなくなったのは少し寂しいけれど、亀ちゃんの魅力にたっぷり接することのできた楽しい2時間だった。
おまけ1この先、亀ちゃん出演の2!!の映画が公開されるとのこと。いずれもゲスト出演的な感じらしい。何の映画かはここで言っちゃっていいのかどうかわからないので、先のお楽しみということで。
おまけ2段之さんも亀ちゃんに合わせたのか、坊主頭(スキンヘッドではありません。何分刈りっていうのかな)になっていた。「お館さまに合わせたんですか?」と訊くと、ふふと笑って「私も4月の風林火山に出ます」って。
おまけ3信繁さんは実は信玄公より2つ年上の弟なんですと!!
080120kamesoup おまけ4この日のお料理には亀パンと亀のスープが出た。亀のスープ? スッポンじゃないの? 食用亀っているのかな? と思っていたら、やはりスッポンのスープだった(給仕の若い女性がわざわざ料理長に確認してくださいました)。スッポンの肉って初めて食べた。繊維がしっかりしている肉自体の味はあまり感じなかったけれど、スープ全体はおい080120kamepan しくいただいた。実は、お昼に久~しぶりにマックを食べたらひどくムネヤケがして、お料理いただけるかしらなんて心配していたのに、さすがはオバサン、完食しました。それも、皆さんあまりの可愛らしさに「食べられない~」と手をほとんど出されなかった亀パンも、ぜ~んぶおなかにおさめちゃった(^_^)
亀治郎検定の答え:パリの役は源義経と山神。「十二夜」はもちろん麻阿。巡業は袖萩、安倍貞任、佐藤忠信(源九郎狐)。「朝まだき野分の風の吹くからに」の後は「庭もまがきもなびく草むら」と続く。クランクアップは勝頼元服のシーン。信玄誕生は第43話。新年の祝いの席で晴信の正面にいたのは信繁。Gackt謙信が亀信玄の軍扇に3太刀で付けた傷は7つ。13カ月間亀ちゃんについたメイクさんは仲原さん。45話のタイトルは謀略桶狭間。川中島の決戦のロケ地は長野の長門牧場。
もうひとつおまけ:会場でmamiさんとお会いしました。いつもブログを拝見し、時々コメントでお話しているせいか、初対面とは思えぬ親しさで歓談することができました。おかげさまで楽しい新年会がさらに楽しくなりました。mamiさんのブログにも会の様子が素敵に詳しく描かれていますので、そちらも是非ご覧ください。

| | コメント (2)

2008年1月19日 (土)

きびしいチケット

5月のシアターコクーン、菊之助さんと野村萬斎さんの共演、演出はあの蜷川さん!!! って、文化村のお知らせがきた。斎藤実盛親子のお話だそう。萬斎さんが実盛、菊ちゃんがその息子五郎役。
うわああ、今から興奮しちゃって。ニナガワのタフネスには心底脱帽(って、おかしな表現か)。
だけど、何よりチケットが手に入るか心配。

「我が魂は輝く水なり」

あ、亀三郎さんもご出演だ♪

チケットといえば今日は「トゥーランドット」の一般発売で、Web松竹でも扱っているから探してみたんだけど、真ん中より後ろのほうしかなかった。実を言うと、ぴあの先行販売で買ったのがある。でも最後列(--,)。高い席ではあるけれど、前のほうがあったらもう一度行ってもいいかなと思っていた。
ぴあの一般販売はなかなかアクセスできず(混んでいた)、やっと入れた時にはやはり後ろのほうしかなかった。それだって、最後列よりは前なんだけどね。で、結局最後列に甘んじることにした。だけど、同じ料金で席に差がありすぎるよ~。普段、歌舞伎会で恵まれている有難さが痛感される。

| | コメント (4)

ふ~っ

年越しの仕事がやっと終わった。これでやっと他の仕事にとりかかれる。
とにかくこれさえ終えれば全体的なメドがつく、とわかっているのに、なかなか捗らなかった。停滞しているうちに新しい仕事は入ってくるし、ますます手がつかない。おまけに、けっしてつまらない仕事ではないのに、どういうわけか、それを始めると必ず激しい睡魔に襲われる。ガクッと音を立てたかと思うほど首が落ち、椅子から転げそうになったこともある。よほど相性の悪い仕事だったのかもしれない。
そんなわけで、さっさと次の仕事に取り掛かればいいのに、今は達成感に浸りきっている。

| | コメント (0)

2008年1月18日 (金)

何度でも見たい海老ちゃん5役:鳴神ってこんなに面白かった?

117 「雷神不動北山櫻」(新橋演舞場昼の部)

もう1度見に行きたくなってしまった。

鳴神が、あまりによかった~。鳴神って、こんな面白い話だったんだっけ、と初めて思った。芝雀さんはコケティッシュな魅力で芝居を盛り上げ、私がこんなに面白いと感じたのはそのおかげもあるかもしれない。そして徐々に惑わされていく海老ちゃんの鳴神の純真さは、可笑し味とともに哀れさを誘い、後の怒りへとつながるのがよく理解できる。
海老ちゃんの花道での動きの大きいこと。今日の座席は1階の割と前のほうだったけれど、上手寄りで花道はかなり遠かった。それでも六方の大きさに、心躍り、絶対もう1回見たい、という気持ちがムクムクと湧いてきた。
そして大詰めの早雲王子の素敵な悪ぶりにも、ドキドキしてしまった。もちろん、立ち回りにもすっごく興奮した。この前は四天中心に見ていたけれど(はなみずきさんに教えていただいので、今回は猿琉さんに初めから焦点を当てることができた)、今日は海老ちゃんもスッゴク頑張っているんだってことがよく認識できた。やっぱり大きな動きが魅力。
不動明王も今回は距離が近い分、よく見えた。さらにオペラグラスでなるほど、と納得。本当はイリュージョンのままにしておいたほうがよかったのかもしれないけれど、ついつい種を見たくなってしまうのが私の悪いクセ。
前回3階席から見ていて羨ましかったのが、段治郎さんと欣也さんが通路に降りて客席内を回ったとき。後で海老ちゃんも舞台下の通路を歩いたのだけど、3階の客は傍観者として下の興奮を眺めているしかなかった。今回は45人先に段治郎さんと欣也さんを見ることができて、ラッキー。段治郎さんは背が高く綺麗でカッコいいうえに、とってもやさしそうで、元々好きな役者さんではあったけれど、気の多い私はますます惹かれてしまった。段治郎さんたちが後ろのほうへ行くと、今度は海老ちゃんが通路へ。異様な盛り上がりで、近くの席の人たちが「きゃ~っ」と歓声をあげ、その辺が拍手と黄色い声に包まれた(この前は観客席、そんなに騒いだかなあ)。最前列の人がうらやまし~い。海老ちゃんが下手から上手に移動すると、歓声も移動する。舞台に上がる階段がちょうど私の正面くらいの位置にあったので、海老ちゃんのこともそこそこよく見えた(オペラグラスと肉眼交互で、夢中で見ちゃいました)。海老ちゃんはやっぱりスター☆だ。
という調子で、今日は海老ちゃんの魅力を満喫。又見たい~ということになったのだけど、いかんせんチケットがむずかしい。奇跡的にスケジュールの合う日の昼の部3階席が出てくるってことはあるかなあ。23日から出るという舞台写真入の筋書きでガマンしようかなあ(だいぶトーンが落ちた。舞台と写真じゃ落差ありすぎか)。

| | コメント (8)

2008年1月17日 (木)

1回、2回、3回

発売前から2度見よう、3度見ようと入れ込むものは別として、たいていの場合、同じ芝居は1度しか見ない(いや、見られない)。
「面白かった、感動した、だから是非是非もう一度、いや何回でも見たい」と願う芝居は多々ある。諸事情がそれをなかなか許さないのだが、思いがけずいい芝居に出会い、本当は初日と千穐楽、そして真ん中あたりの計3回、それぞれ違う座席で見てみたかったなあ、と後になって残念がったりもする。
しかし一方で不思議なことに、「すごくよかった!! でも1回でいいかも」と思うこともある。たとえば昨日の「助六」。とっても面白かったし、役者さんたちもみ~んなよかった。だけど今のところ、一期一会としてあれで納めておこう、という気持ちである。なぜそう思うのかは、自分でもわからない。あるいは1度で満足しきったのかもしれない(と言いながら、後で又見たくなる可能性は十分残っている)。
そうかと思うと、思い切りはずしたのに、「もう1回見てもいいかな」ということもある。これは思うに、自分の見方が悪かったのかもしれない、もう一度見れば良さがわかるかもしれない、という未練がましさなんだろう。もうひとつ、内心忸怩たるものがあるが、睡魔に打ち克てなかった芝居は、リベンジとしてやはりもう一度見たい。
で、明日(今日だ)演舞場にもう一度行くのは、冒頭の入れ込みによるもの。今度は下で見てきます。

| | コメント (0)

2008年1月16日 (水)

初春・歌舞伎座

115日 初春大歌舞伎夜の部(歌舞伎座)

080115yorunobu

今年初めての歌舞伎座お目見え。別にいいのだけど、また夜の部が先になってしまった。

080115kakuju 「鶴寿千歳」。松竹梅の歌昇さん、錦之助さん、孝太郎さんのあでやかな踊りを見ているうちに、ああ、なんて華やかで正月らしいんだろう(元は正月用の作品ではないらしいんだけど)、やっぱり歌舞伎座はいいなあ、と強烈な感激が込み上げてきて、涙が出そうになった。もちろん、国立も浅草も演舞場もどれも素晴らしくて感動したのに、この思いは何なんだろう。いつまでもこの3人の踊りを見ていたい気持ちになった。3人が引っ込んだ後、白髪姿で登場した芝翫さんと富十郎さんは、イマイチ見せ場がなかったかなあ。人間国宝2人、それも踊り上手な2人なのに。ただ、赤い着物がよく映えて、芝翫さんがとても可愛らしかった。

080115renjishi 「連獅子」。前に同じ幸四郎さん・染五郎さんで見たときの、染五郎さんのマイペース毛振りは今でも印象に強く残っている。染五郎さんのきびきびした動きは楽しめたが、幸四郎さんにこの演目はもうきついのではないだろうか。2人の動きを合わせようとしているんだろうなとは思うのだが、結局は合わなくなる。それはそれで、この親子の<連獅子>なのだろうか(連獅子は親子で演じられることが多いとか)。比べるのはナンセンスかもしれないけれど、やっぱり勘三郎さん親子の情に満ち、なおかつびしっと揃った演技をついつい思い出してしまう。

080115sukeroku 「助六由縁江戸桜」。こ~んな有名な演目なのに、私、今回が初めてだから、とても楽しみにしていた(海老蔵さんの襲名興行では、見損ねてしまったのだ)。その「助六」は段四郎さんの口上で始まり、最後に、赤い格子の中に控える河東節の方々に「河東節連中様、お始めくだされませ」と言って(正確ではない)引っ込む。段四郎さんはくわんぺら門兵衛でも登場し、テンポもよく、途中まですっごく見応えあったのに、セリフに詰まってしまったのが残念。でも、その後は又盛り返してよかったよかった。
福助さんの揚巻がとても綺麗だった。あんなに綺麗だったら鏡を見て楽しいだろうなあ(私だったらきっと1日中鏡見ている)と思うほど。そのうえ堂々たる貫禄を見せ、左団治サンの意休に悪態をつく気の強さもカッコいい(「べ~っ」とやるところはちょっと、という気もしないではないが)。しかし、あの衣裳はスゴい。後ろ向きになって観客に披露する打掛は、注連飾りに門松、餅も縫い取られていた。後で七夕の打掛も見られる。以前に衣裳展で見たことがあるけれど、実際に人が羽織っていると迫力も違う。帯も豪華に垂らしているし、鬘も重そうだし、そんな重みと戦いながら、高さ21センチの下駄(孝太郎さんの下駄は18センチなんだそう)で、しゃなりしゃなりと平然とした表情で歩く。だけでなく、芝居もするのだから、凄いとしか言いようがない。
傾城さんは大勢のお付きを従えているが、その中の禿ちゃんたちの可愛いこと。1人の禿ちゃんは揚巻と意休の遣り取りの間とても眠そうで、私は倒れないよう「頑張れ頑張れ」と、ずっと念を送っていた。
揚巻付きの振袖新造の1人に梅之さんがいる。梅之さんのよさは、ただ綺麗なだけでなく、楚々とした上品さがあることだ。今風邪気味だそうだけど、役者さんって、舞台の上で咳き込みそうになったらどうするんだろう。私自身、芝居が始まって数分するとほぼ必ず咳が出て苦しい思いをするので、堪えるのはさぞ辛いだろうなと心から心配になった。
その梅之さんの師匠の梅玉さんの白酒売り。これがまたとても良いのだ。おっとりと品良く喧嘩を売るから、こちらも品良くクスリと笑ってしまう。梅玉さんの個性が光る役だった。
そして助六と白酒売りに股くぐりをさせられる東蔵さん。こちらも程よい品を備えたおどけ役で、大いに笑わせてくれる。團十郎さんはフランスの芸術文化勲章、梅玉さんは日本の紫綬褒章を受けている。これをうまく台詞に取り入れて、言われるままに両人の股くぐりをするのだ。團十郎さんのときは、<シャネルの5>を振りかけて、凱旋門をくぐります、って。團十郎さんも梅玉さんもよく吹き出さないものだと思った。
最後に團十郎さんの助六。とにかくその良さが堪能できる。屈託なく大らかで、やんちゃで可愛い面も見せ、華がある。TVで見た初日とテンションが変わっていないように思えた。今、こうしていても、助六の顔がその辺に浮かび、セリフが頭に響いている。5年ぶりという團十郎さんの助六を見ることができて、大満足。
そして、助六と曽我兄弟をミックスしちゃうなんて、歌舞伎って「やるぅ」。

<上演時間>鶴亀千歳16分、休憩15分、連獅子54分、休憩35分、助六120
080115kotobuki 080115katoubushi_2

| | コメント (0)

2008年1月13日 (日)

ドタコンおばさん風邪ひきかける

娘の休暇が終わった。

ドタコン(?daughter complex?)の私はいつものように、出国手続きに向かう娘の姿が身体検査のゲートの向こうに消えるまで手を振り、急いで搭乗ゲートの見える位置を探す。
今回は残念ながらゲートはどこからも見えなかった。落胆を抱えたまま寒風吹きすさぶ見学デッキで見えないゲートを見つめていると、バッグがブルブルいっている。慌てて中を探り携帯を取り出したら、なんてこった、切れてしまった。公衆電話から留守電に吹き込まれた「これから乗りま~す」の声を何度も聞きながら、タッチの差の非情を嘆く。

時間まで中で暖をとっていればいいものを、鼻水をすすり、じっと金網に張り付いたまま待つ。出発時刻とゲートの方向を見計らい、これじゃないか、という飛行機を目で追う。
離陸した飛行機が雲の彼方に消える速度がいつになく速い。アッという間に点になる。もしかしたらこの飛行機じゃないかもな、次かもな、とも思わないじゃないけれど、何しろ寒い。これに賭けて、私は見学デッキを後にした。
フランスは遠いなあ。空港から帰って、買い物をして、娘の洗濯物を取り込んで、仕事をして、夕飯の支度をして、食事時がちょっと寂しいのをガマンして、お風呂に入って、それでもまだ飛行機は飛んでいる。
080113plane

| | コメント (0)

2008年1月12日 (土)

海老さま堪能:雷神不動北山櫻

111日 「雷神不動北山櫻」(新橋演舞場昼の部)
080111raijinfudou もうもう、素晴らしかったです。
幕が開くと、まずは海老蔵さんの口上。今回海老蔵さんは5役を演じるが、この口上でもう1役というか、本人自身で登場する。舞台正面には成田屋さんの紋の描かれた6枚の襖が設えられ、その上に5人(5役)の海老蔵さんの姿が掲げられている。
挨拶のあとに、この長い物語の発端である陽成天皇出生の事情から5人の人物(鳴神上人、早雲王子、安倍清行、粂寺弾正、不動明王)の関係を海老蔵さんが簡単に説明する。不動明王の説明の最中に、「まだかまだか~」の声が下手奥からかかる。猿弥さんだ。これを合図にそろそろ話を切り上げるか、というところだったけれど、海老蔵さんはこの後も「二階の不動明王にお参りしてください」だの「長いのでお菓子など食べながら見てください」だの、案外色々おしゃべりしていた。
海老蔵さんの解説のおかげもあり、また通しで演じられることもあって、これまで独立した演目として見ていてそれなりに理解していた「毛抜」も「鳴神」も、事情がよりよくわかったし人物の気持ちもよりスムーズに伝わった。昨年の「傾城反魂香」もそうだったが、通しで演じられることの良さがよく現れていたと思う。
海老蔵さんの5役はどれもよかった。安倍清行は100歳なのに若く美しくどうしようもない女好きで、ちょっとコメディータッチ。人物として私が一番好きなのは粂寺弾正かな。ちょっとHだけど、人間が大きくて、智恵もユーモアもあり、見ていて楽しいし爽快感がある。海老蔵さんの弾正は團十郎さんに似ている部分と海老ちゃんの個性がミックスされてなかなか面白かったが、私は團十郎さんの弾正のほうが好きかも。弾正には團十郎さんの大らかさがぴったり合っているような気がするのだ。その点、大らかさと昏い怨みの混在した鳴神は海老蔵さんによく合っているかもしれない。実を言えば、前の日ほとんど寝ていなかったのと、昼食後だったのと、もう一度見に行くことになっている安心感とで、鳴神の前半はかなりがくっと頭が落ちた。にもかかわらず鳴神はよかったなあと思う。芝雀さんの雲絶間姫がとても綺麗で、品良く色っぽく可愛かったし。

私はこのたび、空中浮遊を宙乗りと同じように考えて海老ちゃんがこっちへ飛んでくるかなあなんて期待して3階席を取ったのだが、それは大きな間違いだった。運よく一番前が取れたんだけど、手すり部分が少し高くなっていて、多少前に身を乗り出さないと、舞台前方が視界から切れる。また花道も普通に腰掛けていたのでは七三がギリギリで見えるか見えないか、というところ。その辺は仕方ないと割り切り、見えない部分は左側のモニターで補った(遠いし、モニター画面では小さいけれど)。しかし「北山岩屋の場」(いわゆる「鳴神」)や、とくに大掛かりな大詰では、3階席の醍醐味を堪能した。大詰の立ち回りなんか、四天の大活躍に歓声を上げながら精一杯拍手した(とにかく素晴らしい。この中に猿琉さんがいたはずなんだけど、遠いのと動きが激しいので見分けられなかった)。
もう一度といわず、二度も三度も見たい~。千穐楽だって見たい~。でも、千穐楽は演舞場も浅草も国立も重なるのよね。去年は浅草に行ったけれど、今年は国立。3劇場全部で千穐楽を見たいというのは欲張りでしょうか。ああ分身が欲しい。
<上演時間>発端・序幕35分、休憩15分、二幕目55分、休憩35分、三幕目85分(序幕が最初の35分に入ったか次の55分だったか、忘れたけれど、全体的な時間配分はこういうことです)

おまけ1演舞場のロビーも廊下も観客でごった返し、どこを歩いても人にぶつかることぶつかること。ちょっとビックリ。
おまけ2海老ちゃんのインタビューを聞きたいと思ってイヤホンを借りたのに、トイレに並んでいる間に大半が終わってしまったみたい。でも、少なくとも今年前半は古典歌舞伎に集中するという抱負だけはしっかり聞いた。そういえば、奥田健太郎さんが、市川團十郎家という一家族の信仰がそのまま芝居になるというのは稀有なことだ、と強調してらっしゃいましたっけ。
080111fudomyoo おまけ3二階ロビーでの成田山不動明王の出開帳。皆さん手を合わせていらっしゃいました。私ももちろんお参りしました。
おまけ4筋書きが昔のサイズに戻っていた(歌舞伎痤と同じサイズ)。やっぱり、このサイズがいいなあ。

おまけ51階売店脇と2階に、海老ちゃんの5役のポスターが貼ってある。しっかり写真撮ってきました。

| | コメント (4)

2008年1月11日 (金)

芝居との相性:ジンギスカン

19日 「ジンギスカン」(ル・テアトル銀座、13時の回)

芝居にも自分との相性がある。そういう意味で言うと、この「ジンギスカン」は、あまり相性のよくない芝居だったように思う。
一つには、期待していったものと内容が違ったことがある。つまり、私は何というか、壮大な国盗り(国造り?)物語を期待していたのだろう。しかし三角関係(四角関係かな)のメロドラマといった感じで、そのギャップを終演までに埋めかねた。ただ、2幕目のほうが1幕目よりは多少埋まったのか、まあまあ面白く見ることはできた。また歌あり踊りありで、そういう部分は楽しい。ただ舞台がちょっと狭くて、大掛かりなスペクタクルは無理だったのかもしれない。
もう一つは、全体にハイテンションで、ちょっと疲れたこともある。割と盛りだくさんで、しかも高いところで高低差がつけられているから、山場が目立たず、いつも怒鳴り声やら大声やらを聞かされているような気がした(マイクを使っているから余計かも)。間にロマンチックなデュエットが入ったりはするのだけれど、テムジンとカルカが愛を語る場面になると、どういうわけか眠くなってしまった。
音楽も歌謡曲っぽくて、モンゴル感が薄いような感じを受けた。
それと、これがけっこうつらいことで、全体に登場人物に魅力を感じないのだ。
主演の平岳大は父親(平幹二郎)によく似た容貌と立派な体躯で姿良く声も良く、テムジンにぴったり。だとは思うけれど…う~ん…う~ん。肝心のテムジンに惹かれない。あくまで私の好みと違う、ということだと思いますが。
相田翔子(カルカ)はあまり上手とはいえないが、でも可憐で一生懸命やっていた。その一生懸命さが心を打つ。テムジンに惹かれながら、夫であるジャムカに貞節を立てるカルカの人物像はありきたりな感じがしないでもないけれど、清潔感のある彼女に合っていた。ただ、私がテムジンに惹かれないから、カルカの気持ちに入っていけなくて。でも、「あなた(テムジンのこと)と一緒に海を見たかった」と別れを告げる場面ではちょっとウルっときた。
ジャムカ(榎木孝明)という人物もあまり好きになれない。1幕目ではなかなかな人物かなと期待したが、本人も言うとおり、所詮は大部族の下で小さくなっている部族の長、テムジンに対する劣等感やら妻への猜疑心といった部分が醜い。男の猜疑心と嫉妬という点ではオセローを思い出すが、オセローほどの深みが感じられなかった。
そういう中でほとんど唯一魅力的だったのは、猿四郎さんの演じるムカリ。テムジンの四天王の1人で、人物としての大きさもあり、面構えの良さ、メリハリがすてきだった。猿四郎さんだからという贔屓目では決してない、つもりだ。
出演者で一番ビックリしたのは榛名由梨。すっかり肝っ玉母さんになっていました。
冒頭にも書いたが、芝居との相性というものがある。ちょっとネタバレするが、カルカが嫉妬に狂った夫に殺され、テムジンがカルカの潔白を証明するあたりでは泣いている人もけっこういたから、やっぱり相性の問題だろう。もちろん、ご覧になって、素晴らしかったと賞賛される方もいらっしゃるに違いない。私にしても実を言うと、時間があればもう一度見てもいいかなと思う気持ちはある。もう一度見てもやっぱり相性が悪いのか、あるいは別の見方ができるのか、それを確認したいのだ。

<上演時間>第180分、休憩20分、第280

| | コメント (4)

2008年1月10日 (木)

こんなこと初めて!!

2月の歌舞伎座予約のため、10時5分前にログインしようと思ったんだけど、もう既に「込み合っています」。
え~っ、あり得ない!! っていうか、時間前に入れなかったことなんて初めて。ゴールド会員が又増えたのかなあ。
今は「サーバーがみつかりません」状態。ううう~。

10時15分頃、やっとチケット取れましたぁ。

| | コメント (0)

とりとめなく

越年の仕事がぜ~んぜん終わらない。パンク寸前ってのに、新年の仕事がもう次々入ってきた。有難いのは有難いけれど、どうすりゃいいんだ~。
080109kamepan1 と言いながら、今日も芝居を見てしまった。「ジンギスカン」。ちょっとはずした、という感想は後で。で、上演劇場であるル・テアトル銀座ホワイエのバーで見つけた亀パン。猿之助さん総合演出の芝居を見に来て、おお亀パンとは、と家にもって帰ってきたら、少しつぶれてしまった。
下の亀パンは、以前に友人が出会ったとい071130kamepan2 うもの。亀ちゃんファンの友人は食べるに忍びなかったそうだが、同じ亀ちゃんファンでも私はぱくりと平気で食べてしまった(^^)。う~ん、確かに下のパンのほうがいたいけかも(こういうのって、どこから食べたらいい?)。
で、夜、たまたま聞いたラジオ番組で、なんと、レイモンド・ラブロックの日本語の歌がかかった!! レイモンド・ラブロックなんて誰も知らないだろうな。当時学生であった私にはかなり刺激の強かった映画「ガラスの部屋」(当時は、体のいいポルノだと思った)の主役で、とにかくめちゃくちゃハンサムだった(今はどうしているのかなあ)。「ガラスの部屋」といえば、主題曲が「ヒロシです…」のバックミュージックとして一時脚光を浴びたけれど、私はそんなのとっくに気付いていたもんね~、と密かに得意がっていた(バカだね、自慢にも何にもなりゃしない)。ま、それはともかく、レイモンド・ラブロックが日本語の歌を歌っていたなんて知らなかった。いや、あるいは記憶から消去されていたのかも。「恋は風」というその曲は浜圭介の作詞作曲だそうで、思い切り歌謡曲、しかもレイモンド・ラブロックの日本語にほとんど訛りがない。イタリア語のセリフが入るからイタリア人らしいとわかるけれど、歌だけ聞いたら日本人かと間違える。
で、1人盛り上がったりして、全然仕事モードになれない。困った。ますます忙しさが増すだけなのに。
そういえば、我が家に滞在したフランス人の女の子が娘に「おかあさん、家の中でいつも走ってるね」と呆れていたそうだ。以前別々に泊めた男の子2人にも、まったく同じことを言われたっけ。うちに来ると一番先に目に付くことらしい。
フランス人の話が出たついでに、彼女に関して面白かったことを2つ。1つは、ジブリ美術館で壁にたっくさん貼ってあるイラストやスケッチを見て、「フランスだったら30分もしないうちにほとんど無くなっている」。わかるわかる。ちなみに私はジブリの作品はほとんど見たことがないし、美術館も行ったことはないけれど、大人でも十分楽しめるそうで、いずれ是非行きたいと思っている。もう1つは、駐車場に整然とお尻から入れて並んでいる車を見て、かなり感心していたということ。フランス人には考えられないらしいが、そりゃ前後に何ミリのアキもなく止めるあなた方にはそうでしょうよ。いや、そういう止め方をして、そこから脱出できるフランス人のほうに私は感心する。
そうだ、そうだ、話は飛ぶが、今日、3カ月も前に注文しておいた「キサラギ」のDVDが手に入った。ボーナス版も付いた2枚組み。でもなあ、さすがに仕事を差し置いて見るわけにはいかない。

あ~あ、こうしてとりとめもないお喋りをすることで、私は仕事という現実から逃避している……

| | コメント (2)

2008年1月 9日 (水)

2度目の初詣

人ごみもおさまった頃で、なおかつ松の内のうちに、と思い、その日だけ天気の悪かった7日に、父と母の初詣に付き合った。考えることは同じなのか、いくつかの施設からも車椅子のお年寄りたちがお参りに来ていた。孫たちの介護を受けながら母は、私の頂いた甘酒を3口含んだ。「おいしい」と言う母に、甘酒をあげられてよかったと思った。
お参りの後、公園を少し散策した。お天気が悪かったのが残念だったが、思ったよりは寒くなく、父も頑張ってずいぶん歩いた。
080107flag

やっぱり、ここの神様(いや神主さん)はレッズファンなのだ。まだ旗が出ていた。
080107cat2   

公園には人懐っこい野良猫が何匹もいた。この子は、木に登るというパフォーマンスを見せてくれた。
080107watering_plae

手で水を受ける。

| | コメント (2)

2008年1月 8日 (火)

楽しい半分、疲れた半分、インターナショナル年末年始

先月23日から16日目の昨日朝、フランス人の女の子が帰国の途についた。昼間はほとんど毎日自分で都内見物(浅草が大好きで、今回も何度か足を運んだらしい。前回来た時は浅草のすべての店の写真を撮り、合計で2000枚にもなったと言っていた)、私は彼女の帰宅に合わせて、彼女の好きそうな食材で夕飯を用意していればいいだけの旅館のおばさん生活だったようなものだけど、それなりに気も遣い、けっこう疲れもしたみたいだ。
どこが、と言うと難しいのだが、彼女との微妙なリズムの違い(ということは、相手もそれなりに疲れたかも)、1人で外出させることへの多少の後ろめたさ(娘の休暇に強引に割り込んできたのは向こうだし、そういう約束ではあったけれど、受け入れた以上、できるだけ楽しく滞在してほしいと努力したつもり)というあたりが、疲れの原因だろう。
何となく仕事もはかどらず、毎日居眠りしながらのほぼ徹状態、これを解消すべく、昨夜は10時前という考えられないような早寝をして、今朝5時までまったく目を覚ますことがなかった。5時にストーブをつけに降りて、再び布団にもぐりこみ、6時半までしっかり寝入ってしまった。こんなに寝たのに、それが呼び水になったのか、まだ少し眠い。

彼女は甘いものに目がなく、お屠蘇と伊達巻が大いに気に入ったようであった。お屠蘇は風邪薬のシロップみたいな味がすると言い、どうやって作るのか、屠蘇散は買えるのかなどと熱心だったが、残念ながら正月を過ぎたスーパーではもう売っていなかった(薬局ならあったかな)。今年の暮れに買って送ってあげようと思っている。

今回面白いなと思った日本人とフランス人(と、誤解を恐れず大きく括ってしまうが、この場合、日本人は私もしくは私の家族、フランス人は私と娘が知っている人たち、とくに今回客として迎えた彼女くらいの意味で使っている。以下も同様)の違いをいくつか。
前にも書いたが、一番驚いたのは、外出から帰って手洗いもうがいもしたことがないということ。人によってはトイレでも手洗いはしないことがあるらしい。そんなことしなくたって、風邪もひかないし、おなかもこわさないのだそうだ。日本人は抗菌抗菌と大騒ぎして、逆に菌に弱くなっている可能性はあるが、そうでなくても私などすぐ喉をやられるし、おなかは思い切り弱いし、丈夫な彼女が羨ましい限りである。
また、フランス人はトイレに行かない。朝、自宅で行ったら夕方帰ってくるまで平気という人もかなり多いらしい。だから、私のような日本人がパリなりどこなり行くと、青くなる前にとにかくトイレを見つけるのが先決。日本は実にありがたい。
もう一つ、大きな違いはテレビ。フランスのテレビ番組って、本当につまらない。私はくだらないバラエティが好きだから特別だとしても、そうでなくたってつまらない。そうしたら、フランス人はあまりテレビを見ないらしいのだ。日本人のように1人(あるいは1部屋)1台なんてことはあり得ない。食事をする部屋にもテレビは置いていないから、食事時はテレビを見ずに会話を楽しむ(私など逆に、ほとんど食事の時間しかテレビを見ない)。多分食後もそうなのだろう。私はこの正月はそれなりに娘と一緒にテレビを見たが、その間でも彼女はおかまいなしに娘に次々話しかけてくるから、テレビが聞こえな~い。ま、彼女にとっちゃ、日本の番組見てもわからないから当然なんだろう。いや、言葉がわからないなりに彼女が楽しめる番組を見ていても、見ながらそれについて感想を言ったり、よく喋っていた。とにっかく話題が豊富で感心する。
おまけにフランス人は声が大きい。声帯のつくりが違うのかもしれない。彼女もどこにいても大きな声で陽気に喋った。喋っているうちに自分で盛り上がってきて、ますます声が大きくなる。表情も豊かだし、言ってることはよくわからなくても、こっちも案外楽しくなる(もっとも、その声の大きさに少し疲れもするけれど)。
そうそう、それと、フランス人の若い子って、海外旅行にスーツケースを持たない。形の定まらない横長のデカ~いバッグを使うのだ。使いづらくないのかしらと思うけれど、がっちり形が決まっていないだけ物を入れやすいのかもしれない。おまけに荷造りの早いこと早いこと。私たちなど、ああでもないこうでもないと、入れたり出したり何時間もかかることを、アッという間に終えたのでホント驚き感心した。そしてずっしりと重くなったそのバッグを、エイっと肩に担いで歩く姿は頼もしく、1人で成田まで行かれるかしらなんていう不安を一掃させてくれる。
陽気な女の子が1人減って、少し寂しくはなったけれど、上天気のもと、客用布団を干したり、片付けたり、やることは多くても久しぶりにゆったりした気分も味わっています。

| | コメント (0)

2008年1月 6日 (日)

息もぴったり素敵な浅草歌舞伎

15 浅草歌舞伎第一部(浅草公会堂)
080105asakusakabuki1
今日は、フランス人の女の子と娘を連れて行った。「傾城反魂香」は
2人には難しいかなと思ったが、イヤホンガイドの助けもあった娘はほぼよくわかったと言っていた。筋書きの英語版は、普通の紙に印刷した程度のものがあり、これは日本語筋書きを買えば無料、単独では300円ということであった。もちろん、日本語筋書きを買ったので、無料で頂き、彼女に渡した。しかし事前にそれを読む時間がなく、英語のイヤホンガイドもなかったので、やはり理解しづらかったようである(多分、今日寝る前に読んでいると思う)。
080105asakusakabuki2 お年玉のご挨拶は七之助クン。去年は出演演目の都合上挨拶には出なかったそうで、2年ぶりの挨拶にかなり緊張していると言っていた。初回は何を喋ったか全然覚えていないほどだったそうだが、2回目の今日は客が入らなかった頃の浅草歌舞伎の思い出や、今日の演目などについて落ち着いて話していた。白浪五人男はわざわざ目立つ格好で、しかも「私は泥棒です」(「白浪」=泥棒)と書いた傘をもって逃げるんですよ、なんて笑わせたあと、「白浪」の語源についてウンチクを傾ける。そのウンチクは「実は携帯で調べたんですよ」と種明かし。私は携帯には詳しくないけれど、携帯からgoogleへ入ったのか、それとも携帯に百科事典的なサイトがあるのかしら。
「傾城反魂香」
080106asakusakabuki3 080105asakusakabuki4
何より感銘を受けたのは、おとく(亀治郎)の又平(勘太郎)に対する体の寄せ方である。すっとすり寄るその仕草が綺麗で情感に溢れていて、それだけで胸が熱くなって涙が出る。手水鉢に絵を描き終わった又平の指がこわばって筆を放すことができなくなり、おとくが指をさする場面。その仕草のなんとやさしいこと。そこにおとくの愛情が凝縮されているようで、本当にじ~んときた。

勘太郎クンははじめちょっと力みすぎかなと思った(師匠に使者を願い出るセリフはちょっと流暢すぎたように思うのは私の気のせい?)けれど、後半、死を決意してからは力みがなくなったような感じがして、とてもよかった。土佐の苗字を許されてからは可愛かった~。踊りも楽しかった。
「弁天娘女男白浪」
080105asakusakabuki5_2 080105asakusakabuki6 
七之助クンはやはり女方なのかなあ、と思った。はじめのお嬢様はとても綺麗だし、見ていて安心できるのだけど、男になってからが私にはちょっと馴染めなくて(まあ、私の偏見には違いない)。なんだったか忘れたけれど、けっこう大事なセリフもちょっと上滑りした感じがした。南郷力丸(獅童さん)との花道でのやりとりも、もう少し面白みがあってもよかったように思う。でも、そうしたことはどれも、これから進化して良くなっていくんじゃないかという予感もある。演目自体面白いし、そんな期待も込めて、これはもう一度見たいなあ。

獅童さんは技量を超えて、色気もあってカッコよくて、席が花道の近くだったので間近で見て、私かなりときめいてしまいました。
亀鶴さん、いなせでした。愛之助さん(日本駄右衛門)が貫禄と凄みがあってよかった。ここのところいつも思うけど、ラブリンはなよなよした二枚目より骨太の役のほうが私は好きだな。
名乗りのセリフは、私には日本駄右衛門、忠信利平(亀治郎)、赤星十三郎(勘太郎)が心地よく聞こえ、とくに赤星が素敵でした。
今回、坂東巳之助クンが参加していて、七之助さんも「今まで僕が最年少だったんですけど、巳之助クンが入って僕も年をとったんだなあ」などと感慨を喋っていたが、こういう若い役者さんが入るのも刺激になっていいかもしれない。巳之助クンは、声がもう少し良くなったらいいかなあと思う。今後を期待したい。
ああ、それにしても、こうやってみんなの息もぴったり素敵な浅草歌舞伎を見てしまうと、博多座への誘惑が再び頭をもたげてくる~。
<上演時間>お年玉ご挨拶5分(嬉しいことに、10分ほどに延長されていました)、傾城反魂香90分、幕間25分、弁天娘女男白浪75分

| | コメント (0)

2008年1月 5日 (土)

浅草でみつけた3人(?)

浅草ではいつも、何か新しい発見がある。っていうか、見落としているものがたくさんあるのだろう。今回の発見は・・・
080105asakusa1

今年のお尋ね者(?)、鼠小僧
080105asakusa2_2

踊神の像。日本舞踊から洋風ダンスまで網羅する神様で、この神様が舞台に現れると、その舞台は成功するとのこと。
080105asakusa3

さてどんじりに控えしは、可愛い犬のカップル。バックシャン? いえ、後姿しか見ることができなかっただけで、きっと前から見てもキュートだったと思います。

| | コメント (0)

2008年1月 4日 (金)

進化を期待:甦る顔見世狂言

13日 小町村芝居正月(国立劇場初日)
080103komachi1_5 080103kokuritu_4  
<鏡開き>

080103sake_4 待ちに待っていた本年芝居初め。歌舞伎はもちろん、1045分からの鏡開きも初日の狙い目。10時半開場のところを、今日は娘を付き合わせたために多少遠慮して15分ほど前の到着でガマン。入場待ちの行列は昨年より遅い分だけ後ろになったという感じ。問題は中に入ってからで、それなりのベストポジショ ンが取れるか…。
結果、まあぎりぎりセーフでカメラを向けられる位置を確保できた。去年は興奮のあまり思い切りミーハーした080103kagamibiraki_3 が、今年は娘の手前もあり、やや落ち着き気味に行動し(た つもり)た。時様はやはり美しかったですぅ。菊五郎さん、時蔵さん、松緑さん、菊之助さんら(なんか去年より1人少ないなあと思ったら、去080103masu_5 年は三津五郎さんがいらしたのでした)による鏡開きはあっという間に終わり、その後に 振舞われた樽酒を枡で頂いたら、ぽっと体が温まった。先着36名には役者さんのサイン入りの枡での振舞い酒、そこへ食い込むには何時から並べばいいのだろう、残念ながらそこまではとても無理。年に1度しか味わえないこの雰囲気の中に身が置けただけで幸せ。
<鑑賞>
080103komachi2これまでの2作(曽我梅菊念力弦、梅初春五十三驛)にみられたような強烈なドタバタ的笑いを期待していくと、ちょっと違うかもしれない。
だんまりあり、立ち回りあり、道行あり、形式的な場面あり、ふんだんなパロディ、小野小町と深草少将の荒唐無稽な設定(さすが、なんでもありの歌舞伎、ぶっとんでいる)、見事な舞台装置(大伴黒主が妖術によって雲の中に入っ 080103komachi3_3 ていく場面はちょっと見もの)と、盛り上がる要素はたくさんある。しかし初日でもあり、これまでにないもたつき感があったし、御大自身も含めセリフの間違いがけっこう目立った。とくに、まだ他の役者さんのセリフが終わらないうちに入ってしまうという、珍しい間違い(私は初めて)が2度あって(菊五郎さんじゃないよ)、ちょっとドキっとした。「216年ぶりの上演(筋書きによれば219年ぶり)という芝居は、誰も知らない。顔見世狂言ということで、役者に合わせて作った芝居だと思うのでそれぞれの出演者に合った芝居作りをして皆様のお目にかける」と菊五郎御大が鏡開きの挨拶で述べられたが、全体にまだまだ手探り状態といったところかしら。
でも、そういうこともすべて含めて、芝居は一期一会、そして200年以上も経過して甦ったこの芝居の上演の最初の日に立ち会えたことが、私にとってとても貴重なことだったと思う。千穐楽にもう一度見る予定なので、進化を期待している。
<上演時間>序幕25分、休憩15分、二幕目55分、休憩30分、三幕目35分、休憩15分、四幕目40分、休憩20分、大詰35
と、12時から4時半までという長丁場ではあるけれど、かなり細切れ。
おまけ1筋書きには、序幕に尾上辰巳さんが力者として出演と書いてあるが、イヤホンガイドでは音一郎さんと言っていた。確かに辰巳さんではなかった。変更になったのかしら。でも辰巳さんは、四幕目で階段を飛ぶ見事なトンボを2連続で披露する。目一杯拍手しました。その辰巳さんは、大詰で松緑さんの後見としても登場。ここもちょっと見所です。
おまけ2四幕目、狐の出にご注目。
おまけ3定番の流行ギャグ、なかなか出てこないなぁと思っていたら、四幕目でやっと、流行語大賞のあの一言が。そして大詰ではちょっとぎこちない小島よしおとIKKO。歌舞伎座でも小島よしおとIKKOをやっていたし、去年の流行語はこの2つ(とくに小島よしお)に尽きると思った。
おまけ3手拭撒きは大詰で。菊十郎さんから手拭いただきました。菊十郎さんは投げようとして手がそれ、うまくいかない場面もあり苦笑しておられた(かわゆ~い)。菊十郎さん、橘太郎さん、大蔵さん、徳松さんの4人による事なかれ主義日和見貴族のとぼけた味が面白い。進化すればもっと笑いのアクセントになると思う。
おまけ4富司純子さんはステキなボブで相変わらず若く美しい。今回、はじめて舞台でない寺島しのぶさんを見た。すっきりまとめたおぐしに白っぽいお着物で、ほっそりとしてとても綺麗。いつも最愛のローラン(むむむ…)と一緒で、一度だけすれ違ったときに英語(シングリッシュだそうで)で話しているのが聞こえた。
おまけ5NHK BSで中継があるからと、HDDでなくていきなりDVDに録画するよう設定して出かけた。帰宅してからウキウキとDVDを見ようとしたら、な~んにも写っていなかった。予約の設定もそのまま残っていたし、何かの間違いじゃないかと、そのDVDを入れ直してみても「新規のDVDです」って出るばかり。だ~いショック!! 私のやり方が間違っていたのか、番組自体にコピーガードがかかっていたのか…。
080103komachi4

| | コメント (4)

2008年1月 3日 (木)

お茶目な亀ちゃん

おひげの亀ちゃん、お茶目でしたねえ。
最後の10分ほどしか見ていないのですが(録画して後でゆっくり見るつもりだったのだけど、ガマンできなくなってしまった)、結果はある意味意外、ある意味予想通り。
だけど、亀ちゃん、また痩せたような気がするなあ。
「平成教育委員会」のことでした。

亀ちゃんにはあさって浅草で、翌6日は「情熱大陸」で、そして15日には「なんでも鑑定団」で会えま~す♪

| | コメント (0)

2008年1月 2日 (水)

祝・各歌舞伎初日

080102fuji1
080102fuji2_3   
初富士に祝う各歌舞伎初日。
團十郎さん、思い切り気合入ってますね♪

| | コメント (4)

神様もレッズファン?

080101shrine
080101shrine2
ちょっとわかりにいくけれど、まぎれもないレッズの旗。
神様もレッズファン(?) ということにしておきましょう。

| | コメント (0)

2008年1月 1日 (火)

2007年から2008年へ

20081_editedwebsize_2
善男善女の1人として、近所の寺と神社、そして我が家のすぐそばの小さな神社にお参りしてきました。
日本人だな~とつくづく思いました。
大好きな甘酒を3杯いただきました。
星がとても綺麗でした。

| | コメント (12)

« 2007年12月 | トップページ | 2008年2月 »