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2007年11月27日 (火)

食後の茶噺

父と2人の夕食。父は年齢のせいか、入れ歯のせいか、食べるのがと~っても遅い。先に食事を終えた私は、お茶を淹れてほ~っと飲んでいた。いつも自分がお茶を飲むときには父の湯呑みにもお茶を注いでおく。だけど、父はどういうわけか食事中には絶対お茶を飲まない。最近とみに嚥下能力が落ちてきた父は時々食べ物がうまく喉を通らなくて咳き込んだりもするのだから、お茶で流せばいいのに、と思うが、そうしない。

で、私がとっくにお茶を飲み終わってくつろいでいる頃、やっと父の食事が終わり(本人も「あ~、やっと食べ終わった。くたびれた」と言う。そりゃ1時間もかけてモグモグやってりゃ疲れもするわな、と思う)、父が湯呑みに手を出した。そして一口啜るなり、確認するようにこう言った。「これ、お茶じゃないね?」

「お茶だよ」。でも父は怪訝そうな顔をしている。父は耳が悪くて、私の言うことが聞こえないといつもそういう表情をして、私はだからそのたび、大きな声で何度か繰り返すことになる。今日も「お茶。お茶!!」と、ちょっとイラついた調子の大きな声になった。

「でも、これ入ってないよ」。怪訝そうな顔のまま父が差し出す急須を見ると、うわわわ~。ショック。確かにお茶っ葉が入っていないではないか!! きっつい声で「お茶!!」と断定してしまった私の立場は……ぁあ。カッコわるぅ~。

しかし私のショックは実は、大声でお茶と断定してバツが悪いことではない。ただの小湯をお茶だと思い込んでおいしく飲んでいたなんて!!! 年取った父に指摘されるまでそれに気付かなかったなんて!!! ああ、ガクッときました。

父に悪いことしちゃったなと思いながら、「ごめん」は口の中で小さくつぶやき、早速茶葉を入れてお茶を淹れなおした。自分も飲みなおしたそのお茶は、マジでひどく苦かった。

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