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2007年10月 4日 (木)

温かい哀しみ:「ブラフマンの埋葬」

やっと電車の中で本が読めそうな余裕ができたので、机に積んである文庫たちの中から一番文字数の少ない「ブラフマンの埋葬」を選び、4回の乗車で完読した。

小川洋子さんの本はこれも含めて2冊しか読んだことはない。「ブラフマン」は、以前にmamiさんが感想を書いていらしたのを見て、どうせツンドクくせにな~と自嘲しながらも早速購入したもので、そのときはまだ「博士」も読みきっていなかったから、まず先にそちらを読んだ。

2冊を読んだだけではあるが、小川さんの文体は1人称でありながら感情に溺れることがない。どこかで<><>を見ている別の視点があるような感じがする。もしかすると、その視点は<哀しみ>という視点かもしれない。静かに淡々と、しかし温かく描かれる博士やブラフマンとの日常の中に、常に哀しみが潜んでいるような気がするのだ。哀しみの感情が表に現れるときでさえ、淡々としたその筆致は変化することなく、それが逆にストレートに、しかし突き刺すのではなしに、徐々に心に染み渡ってくる。涙が出るのとは違う。温かい哀しみとでもいおうか、そういうものに包まれる。

小さなブラフマンに寄せる<>の思いは、私もサンタという名の小さなシーズーと生活していたからよくわかる。ブラフマンの仕草や行動がサンタに重なり、何度微笑みそうになったことか(電車の中だから、一応)。

いい本に出会えたな、そんな感じである。
071004santa

昨日の続き:久々の朝陽の中で見る部屋は、埃やゴミが目立ちすぎ、一昨日掃除したばっかりなのに、ついつい今日も雑巾掛けしてしまった。

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