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2007年8月28日 (火)

ショー的歌舞伎:新版舌切雀

827日 八月納涼大歌舞伎第二部その2(歌舞伎座)
070813sparrow_2 「新版舌切雀」
渡辺えり子の新作で、「今昔桃太郎」がとても面白かったから期待していたのだけれど、既にあちこちで見かける批評ではそれほど評価が高くなく、それはそれで自分自身にとってはどうかな?という期待をもって見た。

たしかに、はじめのほうに見たら、なんだか消化不良というか、まとまりのつかないまま帰ることになったかもしれないな、と思った。しかし、さすがに日が経ったこともあるのだろう、ごちゃごちゃ感は残るものの、案外面白く見ることができた。
暗闇に包まれた場内に、清太夫さんの「♪人は誰でも昨日は子供 今日は大人で夢忘れ」の声が流れる。幕が開くと、なんと鮮やかな舞台。舞台中央に設えられたひな壇の一番上には鳥の王様(孔雀王・孝太郎)とその奥方(鶴姫・芝のぶ)。ちょっと目を下にやると、おおお松也クンがいます。きれい~、かっわい~い。
勘三郎さんの玉婆は、ごうつくバアサンにしても強烈にデフォルメされた感じがあり、度肝を抜かれた。それが、扇雀さんのばかデカい蚊(「蚊よ」という名前)が出てきたあたりから、このバアサンの寂しさみたいなものが伝わってきて、なんだか親しみがもてて、可愛らしささえ感じるようになってきた。
三津五郎さんの小人が結局は3人の人物像をもっていた、というのがわかりにくかったが、まあ何となく押し切られたという感じであろうか。

鳥たちの中で私のお気に入りは梟の局の亀蔵さんと鷲丸の市蔵さん。亀蔵さんは顔も衣裳も真っ白で、ほとんど座っているだけという印象だったが存在感バツグン。途中変な眼鏡をして、それが光ったのには笑った。市蔵さんは赤っ面だけど別に悪人というわけではなく、鷲の強さを表現しているのだろう。この市蔵さんがとてもかわいいのだ。とくに踊りのときなど、私はかなり市蔵さんに目を釘付けにされた。
鳥たちの踊りはとても楽しい。私は群舞が好きなのだ。白鳥の湖のパロディ(筝曲版「白鳥の踊り」がかかる)にはその意外さに笑い転げた。黒鳥の鶴松クンが可愛い。
それから、勘三郎さんと三津五郎さんの「三社祭」もとてもよかった。このお2人の踊りは「越前一乗谷」でも見られたが、もっと見ていたい~。

渡辺えり子さんの意図にはそぐわないだろうが、私は細かいことは考えずに、ショーとして見たらかなり楽しめる芝居だと思った。

おまけ1玉婆が2人同時に舞台に出る場面が2回あったと思う。1回は勘太郎さんかなと思っていたのだが、2回目(フィナーレ)は勘太郎さんは本来の森彦という玉婆の息子役で出ていたし、ん??とよく見たけど、誰がやっているのかわからなかった。だれ、だれ? 気になる。
おまけ2小山三さんが孫娘お富士役で登場。真っ赤なおべべを着て、可愛らしい。お元気な姿に心から拍手。

おまけ3秀調さんと三津五郎さんは、やっぱりお顔が似ている。表情によってはそっくり、と感心する。秀調さんの飄々とした感じ、大好きです。

おまけ4清太夫さん、1人衣裳をつけてらしたから何?と思ったら、外国の鳥の通訳さんも兼ねていらっしゃいました。大好きな清太夫さんがこういう形でもお芝居に参加されて嬉しい(この衣裳をつけたお姿がまた、可愛い。あらら、誰でも彼でも可愛いで、「可愛い」のオンパレードになってしまった)。

おまけ5勘太郎クンと七之助クンは夫婦役、昼の恋人役といい、さすがに息ぴったりで、今年初めて見る予定の錦秋公演が楽しみ。
<上演時間>68分

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