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2007年4月

2007年4月30日 (月)

オープンにいこうぜ

研究所等の公開に興味ある方、こんなサイトあります。

http://www.shokabo.co.jp/keyword/openday.html

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サイエンスな半日ラスト

421日 理化学研究所一般公開
最後の力を振り絞ってたどり着いたのがリニアック棟。なにしろ敷地が広いうえ、この棟はちょっと離れたところにある。でもここで今年の目玉である113番元素を見なくては。場所がよくわからなかったので、そこにいた海坊主みたいだけどやさしそうなオジサンに訊いたら、まさにその場所が113番元素の発見場所だった。しかも、このオジサン、この研究チームのリーダー、森田浩介先生であった。大変失礼しましたぁ。
P1030444_1 回転している円盤に亜鉛ビームを投げつけ、そこへビスマス標的(それが何なのか、訊かないで)をぶつける。すると元素ができているはずなのだが、不安定なのですぐ壊れる。その壊れた様子を見て、おお113番元素ができていたのだ、と確認したのだそうだ。つまり、113番元素っていうものをP1030446 今みることはできないというわけなのだ。これを作る大変さはハンパでないらしい。6000時間かけて2個しかできなかったんだって!! 
現在元素は111番まで名前がついているそうだ。113番は日本で発見された(というか作られたというか)ので、是非日本で名前をつけたいが、その後アメリカチームも成功しており、そっちに命名権をもっていかれる恐れもあるとのことだった。ちなみに、元素の名前がつくのには10年もかかるんだそうだ。この元素の確認・追証にそれだけの時間がかかるということだ。って、この話をしてくださったのは森田先生ご自身で、大変気さくに質問にも答えてくださり、写真もどんどん撮っていいですよと言ってくださり、私はこんな人のよい、研究熱心なオジサン(熱のこもった説明というのは、その人の研究に対する愛情、誇りなどすべてを表すと、私は思っている)に絶対命名権を確保してほしい、と切に願うものであります。
これで、理研見学記は終わり。相変わらず長かったですなあ。それでもこうして書いていると、自分の見学の狙いが不明だったり、勉強不足だったり、不備がいろいろ明らかになってくる。ただ見てくるだけではなく、その研究が実際にどういうことの役に立っているかなど、来年はもうちょっと準備して、深く見学してこようかな、と思う。
和光市の公開は終わったが、横浜研究所623日に公開されるので、興味のある方はぜひ行ってみてはいかが?

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サイエンスな半日その4

421日 理化学研究所一般公開
この後は脳科学情報センターへ。脳は人気で、見学客の数も多い。そういえば去年も見たし触ったな、と思い出した1_10 のは、サルの脳とネズミの脳(写真、わかるかな。親指と人差し指の間にあるのがネズミの脳)。知能は脳の大きさよりは、やはりシワの数に比例するらしい。もっとも脳が小さければシワの増え方にも限界があるよね。アルジャーノンの脳にはシワがどれくらいあったのだろうか。チャーリーとアルジャーノンの生涯は切なすぎる。
もうこの辺はメモを取っていないので、記憶もだいぶいい加減だけど(脳を見に行って記憶がダメだっていうのも皮肉なもんだ)、神経のネットワークが作られていく過程はちょっとすごかったな。24時間の神経細胞の動きをわずか10秒ほどに短縮した画面が繰り返し映し出されていて、ず2_8 っと見ていても飽きない。未熟な神経細胞から腕(軸策)が伸びてきて、ヒトデみたいな形になり(樹状突起)、最初は隙間だらけだった画面が24時間後には形成されたネットワークで一杯になっている。神経細胞はこうやって発達していく、ということが明確にわかる。かなり疲れていたから説明はほとんど聞かなかったのが悔やまれる(写真は、子供たちが粘土で作った神経細胞をどんどん繋げたもの)。
あとは、リーリンという物質を作る能力を奪われたネズミ(リーラーネズミ)と正常ネズミを比べる実験。リーリンっていうのは、大脳皮質と小脳で作られ、大脳皮質ではニューロンが生まれた順に並んで6つの層を作るために、小脳ではプルキンエ細胞が1列に並ぶために必要な働きをする。そのリーリンがないリーラーマウスはよろよろしてうまく歩けないし、尻尾をつかんで持ち上げるとブルブル震える。
ES細胞、遺伝子導入とか色々面白い発表があったのだけど、疲労のため、説明のパネルを写真撮影しただけでパスしてしまった。ラストへ続く。

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サイエンスな半日その3

421日 理化学研究所一般公開
4月ももう終わってしまう。理研のレポートがまだ終わっていない。大して深い内容ではないけれど、もう薄れかけてきた自分の記憶のためにも残しておきたいので、しつっこく書いておこうと思う。3本一挙アップです。
昼食後覗いてみたのは、情報基盤棟。ここでは「赤ちゃんの言語ってどうやって調べるの?」というのをやっていた。私は実験の途中から入ったので、一部しか見ていないのだが、例に挙げていたのはRLの発音。赤ちゃんに単純なモニター画面を見せて、同時にLANとう言葉を繰り返し聞かせる。赤ちゃんの目の動きはモニター画面の後ろのカメラでチェックされている。赤ちゃんはやがて同じ画像に飽きてきて、キョロキョロし始める。そこで今度はRANという言葉を聞かせる。すると赤ちゃんは音の変化に気がついて、再びモニターを見る。これを繰り返すと赤ちゃんはLRの区別をはっきり認識するのだそうである。英語教育に役立つのかな。ここでは実験に参加してくれる赤ちゃんを募集していた。関心のある方はどうぞ。
その隣では、文字を追う視線の動きの実験をやっていた。ある文章をアイカメラをつけた被験者に読ませ、コンピュータでその目の動きの軌跡を描出する。漢字と仮名が混じった文では、行をまっすぐ規則正しく追うのではなく、あっちこっちに視線が飛んでいる。文字の流れだけを追っているのではないことがわかる。文章を平仮名だけの分かち書きにした場合(小学校1年生の教科書はそうなのかな)は、スペースを飛ばして読んでいる。分かち書きにしない場合は読みにくいという被験者の感想だったが、視線の動きはよくわからなかった。でも先に分かち書き文を見せたのは失敗ではないだろうか。同じ文なのだから、読みやすい分かち書き文の記憶で簡単に読めてしまうもの。
あとここのチームは、区切り方によっては意味が幾通りにも取れる文を聞かせて、それぞれに適合する絵を数枚用意しておき、その人がその文を聞きながらどの絵を見ているかというのを調べる研究もしているということであった。簡単な例を挙げると、「女の子は長靴を履いて座っている男の子を呼んだ」という文。「女の子は長靴を履いて、」なのか「長靴を履いて座っている男の子」なのかで、それを表す絵は違うっていうこと。長くなるからその4へ。   

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深夜の探し物~懲りない人

0704293 ここのところ毎晩のように、深夜になると探し物をしている。仕事をしていると、資料がパソコンの周り、机の上、床と、ひっちゃかめっちゃかに散らばり(まさに足の踏み場がない、移動しようとすると紙類の上に乗っかって滑ったりする)、必要な物がさっきまではあったのに、今はもうどこかに消えてしまっているのだ。
P1030594 必要な物っていうのはだいたい翌日の外出に持って行こうとする物で、仕事中はそれを横目で確認しながら「後でバッグに入れよう」と、とりあえずその存在を無視する。それがいけないのか。きっと物に復讐されているんだな。いやいや、探し物をする時間の無駄を考えたら、即仕舞うか、資料の整理をすればいいのだ。それをしない私は毎晩同じ轍を踏み、まったく懲りない人だと自分にぼやいている。
写真は、このテーマには全然関係ないけど、近所の人からいただいたスノーボール。紫陽花かと思った。

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2007年4月29日 (日)

ワシントンホテルでワシントン抜きの試合を見る

今日のレッズは鹿島でアウェー戦。我ら4人は浦和のワシントンホテル(なんて名前だ!)の飲み屋(普段はイタリアンのお店らしい)で観戦することになっていた。そうしたら昼前、仲間Aから「朗報あります」のメール。朗報といえばワシントンのことだな、と思ったら案の定、今日はワシ欠場との情報。報道では理由は不明の不可解な欠場だそうだが、移籍話もあるとか(いいゾ)。
16時の試合開始ギリギリに飲み屋に着いたら、もうサポーターで一杯で、予約してない人たちは立ち見。店内は広いP1030596 んだけど、目一杯客を入れてるから狭い。大スクリーンが1面、あとは大型TVが数台、あちこちに置かれ、どの席に座ってもどこかの画面が見えるようになっている。
この前負けたあとの今日は、連敗しないためにも大事な試合だから、応援にも力が入る。おまけにビールをガンガン飲みながらの応援だから、気取りとか自制心のタガがはずれて、きゃーきゃーわーわー、思いっきり弾けて、本当に私は自分がどうかしちゃってるな、と思う。だって、今年はもうサッカーはどうでもよくて、歌舞伎歌舞伎歌舞伎でいくつもりだったのだ。競技場へ行くのも今日の飲み屋へ行くのも、仲間に半ば強制的に引っ張られて、「めんどくせーな」とブツブツ言いながらだ。それなのに、いざ試合が始まると、夢中になって選手を励まし、時には罵り、審判に文句を言い、のどが痛くなるほど叫び、ばしばし手を叩き、負ければどうにも不愉快な思いをし、勝てば飛び上がって大騒ぎをする。なんだろ、今年はどうしちゃったんだろ。
今日なんかワシがいないから、イライラすることもなく、一生懸命走る選手に大きな声援を送ったよ。ワシがいないおかげで、連係がよくなって、なかなか入らない点にも苛立つこともなく、きっとどこかで入れてくれるさ、って信じていた。ポンテ!! えらい、よく決めた。ポンテもワシがいないからイラつかないでプレーできたんだよ、きっと。ポンテが点を決めた時と、試合終了の笛が鳴ったとき、私は仲間とはもちろんのこと、見ず知らずの隣の席のサポたP1030597 ちともハイタッチ・握手で気勢をあげた。店も頭上の照明から放たれた赤い光がクルクルまわり、雰囲気を盛り上げる。そんな狭い空間での連帯感って、凄いエネルギーで、いい方向に向かうときはいいが、悪いときは集団心理ってヤツでとんでもないことになるんだろうな、ってチラっと思った。
鹿島は世代交代が進み、知ってる選手といえば、キーパーの曽我端、MFの本山(坊主頭になっていて、以前と全然見た目が違う)、今日はスタジアムで観戦していたけどFWの柳沢くらい。代表選手がいないせいかもしれない。敵として、それも寂しいものだ。
しかし、今日ひどかったのは、紙吹雪だ。試合前に紙吹雪を散らしたらしく、前半のピッチは白い紙が芝を埋めて、ボールが見づらいことおびただしい。ハーフタイムできれいに除去したようだ(大変な作業だったんじゃないかしら)が、後半また紙が撒かれていた。プレーの邪魔ともなるものであろうし、選手が足でも滑らしたらどうするんじゃい。ピッチにあれだけの紙がいくような撒き方はどうかと思うわ。
まあ、とにかく無事勝ち点3を得たので、気分よくカラオケして帰ってきました。

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2007年4月28日 (土)

嵐のごとく嵐

まさに嵐でしたなあ。
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雹。初めてまともに見たかも。やんだら、ほどなく姿を消してしまった。降っている最中に写真撮りたかったなあ。
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その後の緑は深かった。

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出待ち

1_9 帰りに演舞場の楽屋入り口付近の公園で人だかりがしていた。おお、小道具の人力車が2台と自転車(春団治がまだ若い頃の自家用車)があるではありませんか。そして藤浪小道具の人たちが2台のトラックに小道具を積んでいる。春団治は5月博多座、6月松竹座に行く。小道具はもう博多に向けて出発というわ2_7 けだ。私は写真をバチバチ撮りながら、初めての出待ちっていうのを10分ほどした。ただし私が待っていたのは白い人力車。そりゃ、内心、藤山直美とかジュリーが出てきたらどうしよう、なんて半分ドキドキしてはいたけどね。待ってる間に化粧を落とした役者さんが何人か出ていらした。その中の1人は小島秀哉さんで、舞台より若く見えた。役者さん3_8 が出てくると、通路で待っている人たちが拍手する。なるほど、出待ちって、そういうことするのか。結局白い人力車はちっとも出てきそうにないので、諦めてそこを離れ、愛する歌舞伎座前を又通って、地下にある銀座四丁目郵便局に寄って(その存在をつい先日知った)、少しノンビリした気持ちで帰路に着いた。
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自然体のおじさん・ジュリー

427日 「桂春団治」(新橋演舞場千穐楽)
藤山直美はもっちろん最高だったけれど、これに加えて脇を固める松竹新喜劇の役者さんたちが名優ぞろい。涙ぽろぽろ出てまいったな、と思ったその次の瞬間には大笑いさせられて、泣いたり笑ったり、これが「古い大阪の喜劇」なんだろうな。おときのおとうさんの小島秀哉なんて、立ってるだけで泣ける泣ける。もう、芯から父親になってるんだね。俥夫の曾我廼家文童、哀歓こもる人情味で、早くに死んで引っ込んじゃったな、と残念がっていたら、最後にあんなシャレた形で再登場。嬉しいじゃないの。レッツゴー3匹の長作、役者としていい味出していた。だけどあんまり老けててビックリした。レッツゴーなんてもうTVで見なくなって久しいから、年もとるわな。それにしても若いときの姿から間が抜けて一気に老けちゃったなあ。
土田早苗なんていう懐かしい人も出ていた。おときに夫を奪われる、春団治最初の妻・おたまだ。昔はよく時代劇で見ていたな。相変わらず綺麗で、セリフがはっきりしていて丁寧で、高感度大。もっとも役もいい役だし。
しかし春団治って、なんであんな女にモテたんだろう。別れた妻2人が2人とも、今は他の女と結婚している春団治の苦境を知ってなんとか救ってやろうと手をのべる。本人は高座で客を笑わせること以外、自分にはどうでもいいことだと高言する、生活者としては身勝手でどうにもならない男。でも女たちはその芸を愛し、彼の芸のためなら何でもするのだ。私は春団治を知らない。とにかく絶大な人気があったらしいが、芝居の中でほんのさわりだけ流れる本人の落語を聞いただけでは、どこがそんなにいいんだか、ぜ~んぜんわからない。だからその芸に対する彼女たちの気持ちはわかりようがないが、ほんものの春団治でなく沢田研二演じる春団治が放っておけない男なのかもしれないのは納得できる気がした。
ジュリーは春団治を自分のものにしており、本物がどうあれ、ああ、春団治ってこういう芸人だったんだろうな、っていう存在感がある。ジュリーのことは私は昔はあまり好きでなく、今になって若い頃のジュリーを見るとなんて美しい男なんだ、キムタクなんてメじゃないぜって思うけど、現在のジュリーは顔も大きくなり、腹も出て、がっかりするくらいオジサンだ。以前にTVで見たとき、あのジュリーがこんなになって、わ~イヤだぁと嘆いたことがある。それに引き換え、若い頃の財産を必死で守り抜いて、老いても美しさを保とうとする芸能人も多いだろう。それはそれで並々ならぬ努力が必要だから敬意を表するし、それが成功している人たちにはポッとお熱をあげることもあるかもしれない。でもこの春団治を見たら、ジュリーのような年の取り方も悪くはないな、とちょっと思った。生き方に無理がないような気がするのだ。老いというものを受け入れ、自然に生きているという印象を受けた。我が身を振り返れば、これから年齢というものをどう受け止め、受け入れるか、考えていかなくてはならないな。

★大いに端折ったストーリー:人気者の春団治が京都でおときを口説く。おときは妊娠し、結婚しようと言った春団治のもとに押しかけてくる。春団治にはおたまという妻がいたが、それを知らずにやってきて、しかもおなかに子供がいて、実家から勘当もされた、そんなおときを見て、おたまは自分が身を引き、家を出て行く。やがて女の子を産んだおときだが、春団治は後家のおりう(入江若葉)のところに入り浸り、おときは辛い毎日を送っている。おときに同情した俥夫の力松の一計で、春団治はある晩帰宅するが、そこでおときと喧嘩になり、今度はおときが子供を連れて出て行く(おときは、あの時のおたまの気持ちがよくわかったと、血を吐く思いで言う)。春団治はおりうの籍に入り、おときは娘・春子を1人で育てている。あるとき、春団治がレコード会社との契約違反でピンチに陥る。元妻のおたまが1人で稼いだなけなしのお金、前妻のおときが実家に頼み込んで用立てしたお金(おときのおとうさんが、おとき名義と春子名義の貯金通帳を渡してくれる。しかもこのおとうさん、勘当した娘の身が心配でこっそり様子見に来たりしている。親ってどんなに有難い存在だか…泣けたよ)のおかげで、春団治は苦境を脱する。やがて春団治はおときに復縁を求めに行くが、断られる。「おりうさんに同じ思いをさせたらあかん」と言うおときの意地が小気味良い。この夫婦関係を軸に、高座仲間や吉本の大番頭(小島慶四郎、芋たこでかもかのおっちゃんのおとうさんやった人)などが絡み、身勝手ながら多くの人に愛された春団治の半生が描かれる。

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リベンジしたぜ、藤山直美

427日 「桂春団治」(新橋演舞場千穐楽)
「ご臨終です」の言葉に、客席は一斉に爆笑し、舞台上では泣きの涙。こんな芝居って、あるだろうか。春団治、まさに死を迎えた場面である。なんでこんなことになったかというと(ネタバレするからご注意くださいね)、要するに春団治の死を舞台の上手と下手の両方で違う角度から描いているわけ。上手では、死の床に就き、それでも苦しい息で冗談を言う春団治のまわりに、妻、元妻、弟子、仕事仲間等々が集まり、その瞬間を待っている(身も蓋もない表現だけど、そういうことでしょう)。
上手の時間はそこで止まり、舞台中央から春団治が死出の旅に向かおうと登場する(ってことは、布団の中の春団治は吹き替えってことだ。どうも声の出方がおかしいとは思ってたんだ。でもすっかりだまされていた)。そして下手には、春団治を慕い、その家族の面倒をよくみてきたが既に亡くなっている俥夫・力松が、真っ白な装束で真っ白な人力車を引いて春団治を迎えにきているのである(これには度肝を抜かれた)。この2人の遣り取りが面白おかしく、また悲しく、客は泣いたり笑ったり。春団治を乗せた人力車が天国に向かいかけては、春団治が「あ、ちょっと待ってや」とか「引き返してや」とか言って、この世に戻ろうとする。でもやがて力松の「師匠、制限時間です」という言葉に、春団治はついに出発を決意する。その瞬間が、さっきの「ご臨終です」という医師の宣言になって、爆笑と泣きが共存することになる。
春団治の人力車が思い出の法善寺前に来ると、前妻・おときが娘・春子を連れて京都からやっと駆けつけてくる。それを見た春団治は再び車を止め、おときとしみじみ言葉を交わす(死者と生者の会話ですな)。そして春団治が本当に旅立った後、一人になったおときの頭上にはたくさんの星がきらきらと輝くのであった。幕。
鳴り止まぬ拍手に藤山直美が登場。客に挨拶する。「ありがとうございます。私は古い大阪の喜劇が大好きです。これはDNAですが。これからも古い大阪の喜劇を一生懸命演じて、皆様に楽しんでいただきたいと思います」「今回は(相手役に)星の王子様をお迎えしました。私の星の王子様をご紹介します」。そこでジュリー登場。藤山直美は「この方のためなら、どんなことでも耐えられます」と、おときのセリフのようなことを言い、観客の笑いを誘う。千穐楽だけど、カーテンコールはこの1回だけだった。他の出演者たちも見たかったのでちょっと残念な気はしたが、でもこの潔い終わり方も案外悪くはないかもしれない(まだこの先2カ月公演があるしね)。
いきなり臨終場面から入っちゃったけど、2月の「殿」のリベンジ、完全にできたね。おかしくて、可愛くって、いじらしくって、悲しくて、温かくて、藤山直美、最高!! 細かい動作ににじみ出る生活感は、今まで演舞場で日常生活を描いた芝居をいくつか見てきたけど、やっぱり藤山直美の右に出る人はいないね。それに気持ちが身体全体に表れていて、春団治を取り巻く女性たちの中で、一番感情移入できちゃう。自分のことのように力が入る。春団治が癌で、手術に娘の血液が必要だからと、自分から夫を奪った女に頭を下げられ、娘をその女に託して送り出したあと、一人になって声を出さずに泣くところなんか、絶品。こっちは思わず声をあげて泣きそうになった。  続く
★おまけ:最後の幕が降りる前、藤山直美が空を見上げると無数の星が瞬く場面。昨日、松屋で「星の王子様展」を見たときに、会場の一隅で同じように星がキラキラしていたのを思い出した。そうしたら、カーテンコールで藤山直美が「私の星の王子様」ってジュリーを紹介したから、不思議な符合を感じた。

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胸の熱くなるpetit prince

426日 星の王子さま展(銀座松屋8階)
松屋でこういう催しがあると、なぜか必ず招待状が送られてくる。今回は大好きな星の王子さまだから、喜んで出かけた。
「星の王子さま」が語りかけてくる言葉をいくつかとりあげて、そこにこめられた意味が解説されていたり、サンテックス(サン・テグジュペリのこと)自身が描いたいろいろなデッサン、不遇の友人レオン・ウォルトへの絵入り手紙(これが胸を打つ)、「The Little Prince」の初版本(英語のほうが先に出版されたんだって、知らなかった)、それから初版本と同じであることから自筆と確認された実業屋の原画(日本で発見された「幻の原画」なんだそうだ)などが展示されていた。
内藤濯さんのコーナーもあり、最初は他の人が翻訳するはずだったが、その人が「この作品には、音で文を作る内藤さんがふさわしい」といって内藤さんが手がけることになったのだそうだ。私は翻訳本は読んでいないので何とも言えないが、原作も口述筆記だったそうで、だからこそ音に出して読むリズムが大切にされており、日本語もそれをそのまま踏まえたほうがいいという判断だったのだろう。内藤さんが主宰されていた「星の王子の会」(だったか、なんだったか忘れたが、勉強会のようなものらしい)には美智子皇后も参加されていたということだ。内藤さんの和歌に美智子皇后が曲をつけていらっしゃる、その楽譜もあった。
ミュージカルで使われた衣裳のコーナーではビデオも流れており、私が見たのとは違うものだったが、あの時の熱い気持ちが甦ってきた。
見るだけでなく、ちょっと参加型っていうようなものもある。たとえば有名なうわばみの絵の中に、うわばみに呑まれた象の姿が見えたり、飛行士が描いた箱の中に羊が見える仕掛けは、ごく他愛もなくて単純なんだけど、王子様と飛行士の気持ちが思い起こされてちょっと切なくなった。
体験コーナーみたいなのが
2カ所あり、ひとつは王子様と空を歩こう、っていうようなもの。壁と薄いシースルーの布に区切られた細い通路を仕掛けのあるボールを高く掲げて持って歩くとそのボールに光が集まって、布に描かれた鳥たちが一緒になって空の散歩をしてくれる。肝心の王子様は一緒だったのかな、よくわからなかった。外側からも見えるのだが、中を歩くとと~っても幻想的で、これをやった人はみんなきらきらと目を輝かせていた。もう1カ所は、王子様の星が映ったスクリーンに向かって手を高くあげ左右に交差させると、天井に無数の星が瞬くというもの。これも他愛はないが、美しい満天の星を独り占めしたようで嬉しくなる。
最後は、アニメ上映。朗読(要するに声ね)は岸田今日子、名古屋章など。そしてその脇に世界各国で出版されている本がずら~っと並べられている。アフリカの聞いたことのないような言語にも訳されているのには感動した。
展示を見ると、「星の王子さま」に書かれた一言一言が、どんなに深い意味をもっているのか、サンテックスの思いがどんなにこめられているのか、改めて心に響いてくる。この本を読んだとき、作者自身のことはあまり考えなかったのだが、今もサハラ砂漠のどこかで眠っているであろうサンテックスという人の温かくやわらかい心がじわ~っと胸にしみこんできて、ああ、私は「星の王子さま」のお話が大好きだと、また気持ちが熱くなるのであった。
デパートでのこういう展示には珍しく、カタログを販売していたが、やはり人気が高いのだろう、売り切れで予約注文になっていた。展示場の外にはグッズがたくさん置いてあり、もうどれもこれも欲しくて、たとえばTシャツなんかどのデザイン、どの色でも1着ずつ欲しい。で、決めかねているうちに時間がなくなり、結局なんにも買わなかった。全部欲しいときには一つも買わないのが正解かもしれない。

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2007年4月27日 (金)

奮闘、そして撃沈

念じ方が足りなかったかな。何しろ演舞場とぶつかっちゃったから、最初から諦め気味だったもんな。
俳優祭チケットのことです。
私にしては朝はや~く家を出て、まずは銀座駅の日比谷線ホームに公衆電話1台発見、1015分前に東銀座に着いて、演舞場側改札を出たところに2台発見。それを頭に入れておいて、演舞場になるべく近いところにないかな、と探していたら歌舞伎座の向かいの裏通りに1つ見つけた。もともと最近は公衆電話なんてほとんどない、っていう先入観があったから、それを見つけたことで嬉しくなってしまったんだけど、これが案外失敗だった。
10時に間があるから歌舞伎座を眺めていたら、こんなことやっていた。↓
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なんか紐をほどくのに手間取っているみたいで作業が進行しないので、仕方なく公衆電話のところに行き、10時前だったけど、とりあえず松竹チケットホンの番号をまわしてみた。もう繋がらないでやんの!! 携帯と公衆と交互に、時には同時にかけていたけど、そこは日が当たらずちょっと寒いし、電話に小さなドアがついていてかけづらいし、やがておじさんが出てきて怪しそうに見ているし、場所を変P1030524 えるべえと表通りに出たら、もう垂れ幕の作業は終わってしまっていた。どうせ繋がらないなら、そっち見てればよかった。めったに見られることじゃないんだから。
自分のリサーチ不足というか、普段何見てたんだろ、ってマヌケさ加減を痛感した(毎度のことで、今さら、って感じだけどね)のは、三原橋の交差点を歌舞伎座側に渡ったところにボックスが1つあったこと。そこは人が入っていたから、歌舞伎座のほうに歩いてみたら、な~んだ、歌舞伎座の前にボックスが2つもあるじゃん。ホント、私って普段な~んにも見てない。そこも1つはふさがっていた。地下鉄出口に近いほうがあいていたから入ったら、お隣さん(男性)も俳優祭狙いらしく、同じ番号をちゃちゃちゃちゃ、ちゃちゃちゃちゃ押している。なんか恥ずかしいから私は彼に背を向け、階段をのぼってくる人を眺めながら、公衆と携帯でかけまくっていた。田中伝左衛門さんだ、って思う人(一瞬横顔が見えた)が階段をあがってきて左折した。楽屋口がそっちにあるからね。
そろそろ演舞場に行かなくっちゃなあ、と1040分頃そこを離れた。オニイサン、まだ頑張ってたよ。演舞場にも1階と2階に公衆電話があるじゃないの。1階の場所がわからなかったので、昼の幕間に2階に行ってみたら、女性がやっぱりチケットホンの番号(確認はしてないけど、指の動きが絶対そう)を何度も押していた。先越されたから仕方ない。1階を探したらあったけど、これもふさがっていた。こちらは俳優祭ではないらしい。仕方ないからロビーで携帯で何度も何度もやってみたけど、ダメだ。次の幕間。1階の公衆で何回かやっていたら、後ろに人の気配。即電話から離れた。ここの電話はけっこう利用者が多く、意外な思いだった。結局あまり独占しては悪いから、やっぱり携帯でチャレンジすることになる。さっきよりはちょっと可能性が見えてきた(話中になったり、電波を探していたり)けど、それだけのこと。
芝居が終わった3時頃、おおやっと繋がりました。ってことはもう売り切れだよな、と恐る恐る切り出すと、やっぱりすべて完売。あ~あ、自宅にいて全力を尽くしたなら諦めもつくけど、中途半端な努力だったなあ(芝居はすっごく面白かったから、それは捨てなくてよかった)。それに公衆なら回線が確保しやすいかと踏んだのは甘かったな。あとは当日券に賭けるか。でも当日券は座席分しか出さないんだって。立ち見はない、っていうこと。90席なんだそうだ。まさか前日から並ぶわけにもいかないし、どうするかなあ。
さっきのボックスお隣さんはうまく繋がったかな。どなたか、このプラチナチケットをゲットできたブロガーさんはいらっしゃるのかな。その方のご報告に期待するか。

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たまには贅沢なディナーで

今日は、お世話になった方をお食事にご招待した。親しい方なのをいいことに、場所の決定が当日になってしまい、ネットであちこち検索して3カ所候補を選んだ。その中の一つがシェ・松尾。あれ~、これって、この前mamiさんがランチなさったとこじゃなかったっけ~。となると、私も是非行ってみたいし、相手の方もフレンチがご希望。で、mamiさんに後押しされた形で決定(もちろん私の一方的な思い込みです)。ただし、私が予約したのは、諸事情から松涛ではなく、天王洲アイルのお店。
松涛レストランはたしかに建物が素晴らしい。天王洲倶楽部はビルの中だからそこは期待できないからある意味詰まらないが、そこは夜景でカバーを目論む。
さて、天王洲倶楽部は、スフィアビルの27階にあって、エ07042266_1 レベーターホールというか入り口が24階のフィットネスク ラブとともに専用になっている。矢印が何箇所かにあったのでたどり着けたが、ちょっとわかりにくいかも。2フロアを占め、下の階がエントランスホールで、螺旋階段をあがってレストランへ。豪華感たっぷり。急な予約のせいか、残念ながら窓際の席ではなかったが、それでも大0704261_2 きな窓を通して夜景が心を浮き立たせる。お台場の大観覧車、レインボーブリッジ、東京タワー、みんな光ってる。許可を得て、窓際に行き、写真を撮った。高所恐怖 0704262_1 症の私は昼間だったらきっと、眼下の風景に足をすくませるだろうが、夜はちっとも怖くない。
お料理もワインも上品でおいしかったなあ。テーブルに並べられたフォークとナイフの数がすっごく多く見えたからびびったけど、全然胃にもたれず、量もほどよく、美味。

0704263_10704264_1フレンチで楽しみなのはソースだ。今日のソースはデザートまで全部満足した(デザートはブルーベリー系2種にバニラアイスでバルサミコソースだった)。それから私がレストランを判断するのはパン。外は0704265 かりっと焼き上がり、中はふんわり、というのが私がいいレストランだと思う基準。今日は2種類のパンをいただいたが合格(なんて、えらそうに、おこがましい)。
だけどフレンチの料理名って、どうしてあんなに長ったらしいんだろう。「イベリコ豚の何とか、キャベツ添え、何とかの香り、何とかと何とかのソース」って、なんだか重々しいような気取ったような。でも考えてみりゃ、おもな材料と料理法が全部出てきてるだけじゃん。だけど料理法なんて日本語じゃないからさっぱりわからん。フレンチではそこがちょっと苦手。ワインはブルゴーニュの白とカリフォルニアの赤にしてみた。ワインっていうと薀蓄を傾ける人がいるけど、今日の連れはそういうことがないから気楽でよい。白はさっぱりとして、赤はかなり重かった。水はなんだったか忘れたが、比較的やわらかいということだった。よくはわからないけど、やっぱり日本の水と比べると硬いというか、しっかりしていたように思う。
寝不足の身にフレンチ&ワインはどうなることかと思ったが、やはりいい料理、いい酒は違うのだろう。またフレンチっていうと、息をするのもためらわれるような、気詰まりな店があるけれど、ここはかなりくつろげたから疲労もない。そしてこの水のおかげで、酔いが抑えられ、こうしてまだ起きていられる。
★ドレスコード:電話予約したとき、ドレスコードがある、と言われた。男性はジャケット着用で、という程度のものだったが、ってことは女性もそれに準じた服装が必要なんだ。まあカジュアルすぎなければいいか、っていう感じで出かけたけど、以前、このドレスコードでえらい悩んだことがある。それは前田知洋さんのマジックショーのこと。「シティ・カジュアルで」っていうもので、そりゃいったいどんなものを着てけばいいんだ? シティ・カジュアルってなんなんだ? とドレスコードなんてものがあるパーティーなんて初体験だから、わからなくてジタバタした。ところが、それは私だけではなかったらしい。前田さんのブログに質問が寄せられた。みんな困っていたみたい。結局、あの時は男性はジャケット(スーツじゃなくて、だと思った)とネクタイというところに落ち着いたような気がする。男性はいいよね、それですむから。問題は女性よ。さんざん考えて、そこそこお洒落なワンピースを着て行った。そんな経験があるから、ドレスコードってのにちょっとアレルギー気味。

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2007年4月26日 (木)

ありがとう、終わりました~

締め切り過ぎの仕事、やっと終わりました!!
ブログを見てくださっている多くの皆様に励まされた思いで、乗り切ることができました。ありがとうございます。
2日続きで徹夜するゾ、と意気込みだけは立派(?)だったんだけど、さすがにもう若くはない身には無理で、昨夜は少し寝てしまいました。パソコンの前に座っていても、気がつくと首が垂れていて、原稿のおんなじところばっかり目が行き来しているんだもの。こんな能率の悪さじゃ、休んだほうが得だ、っていうんで、ある程度メドをつけてからごろ寝。私は短時間の熟睡はお手のものだから、目が覚めれば、かなりリフレッシュしている。
って我が身を振り返ると、過労死するほどの仕事ってどんなんだろう。今はもうそんな無茶な仕事は受けないようにしているが、この私も若いときは何でも受けた。ただ、私の場合、どんなにきつくても、その期間はせいぜい1週間から2週間。でもそれでもつらい。つらいけれど過労死するほどじゃない。第一その前に身体がついていけなくて、絶対起きていられなくなる。どんな人だって絶対3日も寝ないなんてありえない、って思う(荒行のお坊様は本当に何日も寝ないのだろうか。疑ってすみません。合掌)。過労死って、そういう身体的要素だけでなくストレスの問題が大きいんだろうな。私なんて、フリーで好きなように時間が使えるから、仕事がイヤになったら気分転換もできたし、ありがたい。
最近過労死ってあまり聞かなくなったけど、ひところは大の男が命を失うまで働いたことを思い、よく涙が出たものだ。
さて、次の仕事にとりかからなくちゃなあ。でも仕事って一つ片付けると、ちょっとは休みたい(そんな休んでばっかりいてどうするんだぁ)。それに今は眠いデス。モーレツ人間(死語か?)だった頃は、いくつも抱えた仕事をたったかたったかやっていたのに、徐々に徐々に楽なほうに流されて行く。行った結果、お尻に火がつくことはわかっているのになあ。今週も遊び第一の週だな…

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2007年4月25日 (水)

このスットコドッコイめ!

仕事の締め切りを1日間違えていて、昨夜おおいに焦った。26日だとばかり思っていたけど、なんとなく虫の知らせというか、ちょっとイヤな予感がして、確認してみたら25日午前中って書いてあるじゃないの!!!!
ひゃあ、ヤバイよ~。だってさ、それに気付いたのが夜っていうには遅すぎる午前2時頃なんだもの。まだ30パーセントくらいしか終わっていないじゃないの。どうするのさあぁぁ。
しゃあない、徹夜だ!! っていうわけで、徹夜で必死こいて仕事したけど、結局全部は間に合わず、積み残しが出てしまった。その分は又今夜徹夜だな。
勘三サンとか見てる場合じゃなかったんだ。自制心がきかないっていうのもあるけど、かなり態度がゆるんでいる。会社にも迷惑かけてしまった。ホント、申し訳ない。どんな仕事でも締め切りは絶対守るのが私の唯一ウリだったんだけどな(私の業界では締め切りを守らないことを誇りにしているおバカさんたちがいっぱいいる)。反省反省。と言いながら、今日はキャラメルだったんだ。キャンセルはしなかった・・・。あ~あ、このスットコドッコイめ!

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2007年4月24日 (火)

サイエンスな半日その2

421日 理化学研究所一般公開
もう3日もたつと記憶も薄れるし、報告するには間も抜けるのだけど、大急ぎで理研見学の続きを。
生体学シミュレーションで半分書き忘れたが、生体の軟組織の正確な形を把握するための方法を見た。これを得るには周囲の硬い組織(骨とか)と一緒に観察する必要があるから、まずは硬組織の3次元的情報をコンピュータに取り込む。サンプルの表面をうす~くうす~く、少しずつ削り取り、顕微鏡で観察した画像をコンピュータで積み重ねて立体にする。そうすると、硬組織の中に血管などを通す管(ハバース管っていうんだって)がどのように走っているかがわかる。!!
「霧箱ってなあに?」。パスするつもりが何となく寄ってしまったら、面白かった。霧箱とは、読んで字のごとく、箱の中に霧を発生させてある。アルコールをドライアイスで冷やし、雨が降る直前の状態にしてあるのだそうだ。箱の真ん中には放射性物質を含ませたティッシュペーパーのようなものが固定されている。そのあたりをじ~っと見ていると、時々煙のようなものがふわ~と湧く。これが放射線の通った軌跡なんだそうだ。つまり、放射線そのものは見えなくても、その軌跡によって放射線が確認できるということらしい。私が行ったときは、霧箱もだいぶお疲れのようで、そうそう頻繁には煙が立たなかったが、それでも時々細く白いものが尾を引く。また、箱の側面部分についた水滴あたりでもそれが見られる。放射線が通るとぴっぴっと音の出る装置もあった。でも、やっぱり目に見えるほうが実感が湧くな。
質量分析。ここは本当はちゃんと見ようと思っていたのだけど、難しくて、さ~っと見て退散。サンプルにレーザーを当ててイオン化し、飛行時間型分析をすると、ある構造部分の質量が山型グラフとなってコンピュータ画面に現れる。公開していたのはマルトペンタオースという糖で、[M+H]+は質量829[+Na]+851なんだって。!! 山のところの数字が質量なんだって言われたけれど、山はたくさんあって、どうしてその数字だけが質量として選ばれたのかわからない。って質問したら、じっくり見ていくと山が1つの数字に集中するところがあり、それがその物質の質量として決定されるという。この飛行時間型分析っていうのは以前からあった方法らしいけど、質量分析装置が2002年にノーベル賞を授与された田中耕一さんと絡んでいたのは知ってたから、ちょっと興味があったのよね。田中さんは蛋白質のような高分子の物質を壊さずにイオン化する方法を開発したんだよ~。以前に少し本も読んでみたけど、やっぱり私にはほとんどわからん。
で、頭が混乱してきたから、次は自分の角質細胞を見てみよう、っていう体験型のところへ。3cmほどのセロハンテー0704211_4 プを手の甲に貼り、はがす。顕微鏡でそのセロハンテープを見る。きれいな皮膚は細胞の形も四角形~五角形をしている。肌が荒れていたりすると、皮膚がきれいに剥がれな いから、細胞の形もくずれている。ちなみに、私はきれいな細胞だ(本当かいな。証拠写真参照)とお褒めいただきました。
0704212_1 ここで、一休み。食堂もあるけれど、私は焼きそば・たこ焼きセット(冷めていたなあ)とコーヒー(普段めったに飲まないのに。あとでお茶の販売を見つけて、しまったと思った)を買って、外でランチ。そばにいた高校0704213_1 生の男の子たちが、場内のあちこちで配られているヘリウム風船をたくさんもらってきて、みんなで一つずつ中のヘリウムを吸い、「オレの声変わった?」などとやっているのを眺めて、可愛いもんじゃ、とくつろいだ。    続く

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8月のお楽しみ

稚魚の会・歌舞伎会合同公演の詳細が、梅之さんのブログに出ました。今年は3部制だとお聞きしていたので、どういうふうになるのかなと思っていたら、A班・B班はこれまでどおり同一演目のダブルキャスト。そのほかに、別の大きな演目がシングルキャストであるんですって!! 皆さんの意気込みも並々ならぬものであろうとお察しします。演目と配役は梅之さんのところでどうぞ。

梅之芝居日記
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2007年4月23日 (月)

勘三郎ワールドにひたる

423日 勘三郎写真展「MICK ROCK meets 勘三郎」(東京ミッドタウン、ホールB
六本木に行くにはちょうどいい東銀座。「男女道成寺」を見終わってから、日比谷線に乗った(普通に全演目を見た後では、東銀座駅はあの狭い階段が人人人で、とてもじゃないけど日比谷線に乗る気はしない)。六本木駅には4aという出口がミッドタウン方面だと出ていたが、途中に矢印をもったオジサンが立っていて、その矢印に従うと、4aとは反対方向である。そちらは8番という出口で、地下道を辿0704234 っていったら、そのまますんなりミッドタウンのホールB すなわち勘三郎写真展会場に着いた。どうやら大江戸線が一番近いようである。
ホール入り口から写真展入り口へ向かう通路に、2枚の大きな布がかかっている。1枚には中村屋の紋が、もう1枚にはミック・ロックの名が英語で染め抜かれている。それをくぐっていくと、その先にも同じ布が2枚。それをくぐると写真展会場であった。
入るとすぐ、ニューヨーク公演の「夏祭浪花鑑」の音声が聞こえてくる。ビデオでもやっているのかと思ったら、音声だけを流しているのであった。静止画像である写真を眺めながらその音声を聞くと、想像力が掻き立てられ、実際には見ていないその場面が目に浮かぶようである。
ミック・ロックという写真家ははじめて知ったが、この静止画像が実はクセモノだ。というのも、その中で勘三郎さんや、他の役者さんが動いているのだ。舞台での写真はもちろん、芝居が終わって楽屋に引き上げてくる勘三郎さんなんか、本当にこちらに向かって歩いてきている。「お疲れ様、ステキでした」と声をかけたら「よっ、ありがとう」なんて返事が返ってきそうな、そんな感じなんである。
撮影されている演目は、ニューヨーク公演の「夏祭浪花鑑」を除いてすべて2005年の納涼歌舞伎。「雨乞狐」、「法界坊」「金閣寺」「伊勢音頭恋寝刃」で(獅童の「橋弁慶」もあった)、勘三郎さんが写った大きなパネルや大暖簾でそれぞれのコーナーが区切られている。舞台が甦るそういう芝居の写真(勘三郎さんだけでなく他の出演者ももちろんたくさんあるよ)の他に、勘三郎さんの化粧風景や、役者さんたちがくつろいだ表情でいる写真がまたいい。「さらば勘九郎」や「勘九郎日記「か」の字」などから引用された勘三郎さんの言葉と一緒に見ていると、勘三郎さんが写真の中から語りかけてくるようである。
最後のほうにいくと、色々な役者さんが11人額に入っている。市川喜久於さん(「法界坊」で野分姫の吹き替えだったんだって)、中村仲之助さん、中村福緒さん、坂東三津之助さん、坂東八大さんといった、普段あまりそういう場でお目にかかれない方たちの写真も展示されていて興味深い(八大さんは女形の写真もあったよ)。

源左衛門さんと四郎五郎さんを探したら、「法界坊」で勘三郎さんとツーショットの源左衛門さんがいらして、思わず笑みが湧いた。四郎五郎さんの写真はなかったかもしれない。見つけられなかった。
写真撮りたいなあ、なんて思いながら会場内を歩いていたら、堂々とカメラをぶら下げた集団がたったかたったか入ってきた。まさか写真いいわけないよね、と何となくその集団にくっついていくと、それは当の写真家本人ミック・ロックと、日本人スタッフたち(かな?)なのであった。おお、なんかラッキーじゃないの。ミックは、最後の大きな写真、白塗りの鼻に汗の粒をたくさん浮かべた勘三郎さんのアップと、多分デビッド・ボウイの美しいアップの2枚が並んだその前でスタッフたちとのツーショット写真に入っていた。つまり、彼が被写体。首に巻いたマフラーを噛んだり、面白い顔をしたり、ただの記念撮影ではない。しまいにはスタッフと顔を寄せ合って自分写しをしていた。チラッとカメラの液晶モニターが見えたが、さすがにうまい。彼も老眼入っているらしく、それを見るときにサングラスを上にあげていたのに、親しみを覚えた。
売店には「魂」の写真集が置いてあった。シリアル番号入りの限定版は9975円もする。手拭やポスターなどがついてくるらしい。通常版は2310円。
そろそろまともに仕事をしないとマズイから、東京ミッドタウン内の探索は後日、ってことで帰路に着いた。

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私にとっての千穐楽

423日 「男女道成寺」(歌舞伎座昼の部幕見)
先々週に昼の部を見たときから「道成寺」は絶対もう1回見ようと思っていた。四郎五郎さんのことがあったからというわけではなく、今日しか日がない、というので行ってきた。いちおう用心して30分前に着くつもりだったが、少し出るのが遅れ、それでも25分前には着いたのに、歌舞伎そ0704231 ばの前まで行列ができていた。最後尾につくと、私の3人ほど前から折り返して並ぶよう指示され、だからそば屋前の行列は二重になり、その後にも次々と人がやってきて、しかも四階では何とか後列を見つけて座ったら、やがて後ろにずらーっと立ち見の人が並び、背伸びして見るわけにいかなくなってしまった。さすがこの演目は人気が高いんだなあ。

0704232 私の前に座った女性が幕が開いても手すりに肘を置いて前かがみ姿勢でいたので、姿勢を正していただくようお願いした。そうしたら、どうやらその姿勢のほうが私が見やすいのではないかと気を遣ってくださって、そうしていらしたようなのだ。その場でも恐縮してしまったが、幕が閉まってからも又謝ってくださって、こちらもお礼を言うと、「言ってくださってよかった」とおっしゃり、こちらはますます恐縮してしまった。でも、私も言ってよかった。言わなかったらこんないい方を私はずっと誤解していることになったもの。
私の隣は外国人のご夫婦らしく、ずっと手を重ね合って見ていた。でもダンナ様のほうは間もなくこっくりこっくり始め、拍手や歓声、笑い声で時々目を覚ますのだが、すぐまた寝てしまう。「ここが素晴らしいから、見て見て」「これからが面白いんだから、見ていて」などと、つっついて言いたかったよ~。残念だったな、いいところを見てもらえなくて。
踊りは前回よりもっとこなれていて、楽しく気持ちよく見られた(曲もノリがいいから楽しいんだろうなあ)。でもこの踊りは表情もけっこう大事な要素だと思うので、双眼鏡は必要かもしれない(お隣さんは、持ってなかった)。私はこの前しっかり表情を見たので今日は全体を見ようと思っていたのにもかかわらず、やっぱり双眼鏡を頻用してしまった。勘三郎さんがスッゴク綺麗で可愛らしく、又勘三郎さんの花子を見ることができてよかった、と思った。少し痩せて見えたので、ご心痛のせいかなとも思ったけれど、先日の時蔵さんもそう見えたから、4階からだとほっそりして見えるのかしら。
所化さんではやっぱり猿弥さんの踊りが私は好きだなあ。無理がなく、身についているという感じがする。梅之さんは丁寧に、楽しそうに踊っていた(この前より楽しそうな感じがした)。

手拭撒きも傍観者となって見ると、それなりに面白い。観客のどよめきが波のようで、所化さんたちの動きに合わせてあちこちで大波小波が起こる。梅之さんは手拭も丁寧に投げていた。欲しい人に届いてほしいという優しい表情だった。
中村屋さん親子は辛い気持ちを押し隠して演じていらしたんだろうけれど、多くの観客にはそれとわからない、私でさえそれを忘れるような、さすがの「男女道成寺」であった。

喜びと悲しみの入り混じった襲名公演になってしまった4月歌舞伎も、私にとっては今日が千穐楽というところかな。夜の部をもう一度見たいけれど、まず時間的に無理だろう。ところで、この前からずっと何か引っかかりがあったのだけど、何だか思い出した。それは、夜の部の口上に、なぜ梅枝クンがいなかったのかしら、ということ。今日の感想には関係ないけれど、やっぱりちょっと気になるから書いておこう。

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さようなら四郎五郎さん

今、梅之さんのブログで、四郎五郎さんがお亡くなりになったことを知りました。先日、休演されていたことをこのブログに書きました折り、コメントを下さった皆様がご心配なさっていらっしゃいましたが、私もずっと気にかかっておりました。
中村屋さんのお悲しみを思うと、涙が出てきます。源左衛門さんをお見送りになって間もないというのに・・・。
「法界坊」(平成17年8月)で「しめこのう~さうさ」と連発していた、あのひょうきんな四郎五郎さんの道具屋さんが今でも目に浮かびます。心からご冥福をお祈りいたします。

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サイエンスな半日その1

421日 理化学研究所一般公開
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年に一度の理研一般公開日。去年はじめて行って、とても面白かったから、今年も楽しみにしていた。サッカーと重なったのはきびしかったが、キックオフが16時だから見学の時間は十分ある。
理研といえば世界でも最先端をいくと言っていい科学研究所で、さまざまな発見や研究結果などが時々報道される。理研が開発している世界最速のスパコンが神戸に設置されることが決まったというニュースも記憶に新しい。
0704212_4その理研の一般公開では、それぞれの研究チームが自分たちのテーマに基づいた研究内容を一般にわかりやすいように展示・説明したり、体験させてくれる。子供向けの発表もあって、家族連れ、学校の宿題らしい高校生、若い人たち、おじさんおばさん、お年寄りまであらゆる年齢層の見学者でにぎわう。私のお目当ては、去年は世界最速の重イオン加速器リングサイクロトロン、今年は理研が発見した新元素113番である。
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研究棟は20以上もあり、とにかく敷地も広いから、計画的に歩かないと見たいものを全部見るのはむずかしい。ところが、前日、ネットで調べてざっと計画を立てたのに、脳のところで時間を食い、さらには同じ研究棟でついつい面白そうなのをみつけて予定外の寄り道をしたりして、結局半分くらいしか踏破できなかった。
最初に訪れたのは研究本館のトランスクリプトーム解析によるRNA新大陸の発見」「ゲノムネットワークプロジェクトという2つのテーマの部屋。ここでは基礎的なことは難しすぎるので、臨床的な内容について説明してもらった。それは、たった1滴の血液から約30分で薬の効果を予測するという研究。抗癌剤などには遺伝子によっては効果がないものもあり、DNAを調べればそれが予測できる。そうすれば無駄な投与もなくなり、患者の苦痛の軽減、医療費節減にもつながる。そのDNAの新しい検査法がSMAP法というDNA増幅法である。従来は結果が出るまで1週間ほどもかかっていたものが、これによってほとんどその場でわかるようになったそうでさる。すでに実用化され、臨床の場で用いられているとのことであった。
次は自分が楽しもうと思って、身体動揺測定をやってみた。正確には5分の安静後、30秒の測定を2分の休憩を挟んで3回実施するらしいが、人気のコーナーで順番待ちの人が多いため、測定は1回で行っていた。被測定者は白いベスト 0704214_1 を着用する。ベストの背中上方の真ん中には直径約3cmのマーカー(黒丸)が付いている。白いボードの前に足先をくっつけて立ち、ボードの目の高さに書かれた×印を見つめる。ベストのマーカーを視野に入れた背後のカメラが30秒後に写真撮影。これをコンピュータで解析すると、動揺角速度が出てくる。それを見て、測定者があなたのバランスは良いとか悪いとか判断するのである。このバランスとは平衡感覚のこと。私は1.1いくつかという数字が出て、「素晴らしいバランス」だと褒められた。数字の意味を訊くと、1以上だとバランスがかなり優れているということだった。普通は0.5程度らしい。私自身は、よく躓くし時々身体がふらつくから、非常に平衡感覚が悪いと思っていた。ふ~ん、実に意外な結果だなあ。
3番目に訪れたのは「ウイルスを見てみよう」。牛白血病0704215 ウイルスに感染させた羊の細胞を200倍の顕微鏡で見た。普通1つの細胞には核が1つしかないのに、ウイルス感染した細胞には核がたくさんあって巨大化している(多核巨細胞)。レンズを覗くと赤く染色された核が目に入ってきた。顕微鏡はコンピュータと接続されていて、コンピュータ画面でも同じものが見られるのだが、やはり自分の目で直接確かめたものは、おおこれがそうか、と感動する。他の部屋でも、みんなこういうシステムになっていて、顕微鏡で見るのがヘタでも(時として顕微鏡を覗くのが難しいことがある。私もどうやっても見えなかったものがあった)コンピュータ画面で見られると思うと安心はできる。
それから生体力学シミュレーションのところへ行った。ここでは脳血管内治療のためのカテーテル・シミュレーションができる。大腿からカテーテルを挿入し、脳動脈瘤などにコイルを送り込んだり、狭くなった血管をバルーンで広げたりするのだが、これには大変高度なテクニックを必要とする。そこで、研究チームでは患者の血管の
3次元モデルを作成し、カテーテルのガイドワイヤーの操作シミュレーターを開発したのである。マウスを右へ左へ動かしてガイドワイヤーの先端を血管のカーブに沿わせ、さらには上に下にドラッグして、血管内を通過させ徐々に目的の部位にもっていく。やらせてもらったが、私みたいな不器用人間には実にむずかしい。もちろん血管が直線ならどうということはないが、カーブをうまく通過させるのが全然うまくいかない。血管を破ると、コンピュータ画面が真っ赤になり、「血管が穿刺されました」というメッセージが出る。このシステムで医師のトレーニングをするそうだ。続く

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2007年4月22日 (日)

ホームで負けちゃったよ

421日 対川崎フロンターレ戦(埼玉スタジアム 16時キックオフ)
0704211 今、実はかなり酔っ払っている。なんだか、しょっちゅう酔っていてお恥ずかしい限りであるが、今日はサッカーがあるから飲むってわかっていたのに、前日あまり寝なかったのが敗因だ。

実を言えば、つい56時間前までは、私かなり不機嫌だった。そりゃ、レッズが負けたからだ。昔、よく巨人が負けると不機嫌になるオジサンというのを揶揄したものだけど、自分がそうなるとはなあ。しかも、今年は私の関心はサッカーより歌舞伎のほうに注がれていて、ほとんど興味を失いかけていたのになあ。仲間たちは、いい試合だったし(それは私も認める)、たまには負けることだってある、と鷹揚だったけど、私はなんだか納得いかなくてなあ。そりゃあ、全部の試合に勝つなんてありえないのはわかっているけどサ。ホーム不敗神話が崩れたのも何となく面白くない。
試合の最中、いつものごとくワシの下手さに文句たらたら。でも仲間によると、今日のワシはけっこう積極的だったんだって。そうかねえ(今日は理化研の一般公開に行って、サッカーは遅刻した。少なくとも私がいくまではそうだったらしい。理化研については、後日ご報告するつもり)。しかし、FW永井もダメだ。永井への期待は大きいだけに、がっかり。だけど最悪はオジェックじゃない? 今日イマイチだった伸二を引っ込めたのはいい。だけど、それだけじゃん。他に何も手は打っていない。頼むよ、私はオジェックファンだったんだよ。それなのにこんなダメ監督ぶりじゃ、私の中で大切にしていたものが壊れる…。
いっぽうで仲間Aは、はじめて去年のチャンピオンフラッグをもって応援に来て、仲間Cは同じくはじめてJリーグ杯のストラップをつけて来て、それじゃあそれが悪かったんだ、などと冗談を言い合って飲んでいるうちに、だんだん気分もほぐれてきて、ご機嫌は直ってきた。
川崎の中村憲剛は良い。でもスッゴイ猫背で、後ろから見るとショルダーパッドを入れたアメフト選手みたい。川崎のDF3人とも背が高かった。しかし、あの川崎が強くなったものだわい(なんてことを言ったら、そりゃレッズも同じだと言われそうだ)。
ところで、最後のほうで双眼鏡をもっていたことを思い出し、選手たちの足元とボールを追ってみたら、案外迫力があって面白かった。

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2007年4月20日 (金)

半分リベンジ

419日「菊畑」(歌舞伎座昼の部幕見)
どうしても「菊畑」に物足りなさを感じて、ぽかっと時間が空いたのを幸い、幕見に行ってきた。並んでいる人数が少ないように思ったが、やっぱり中に入ってみたら、席取りも楽であった。2列ある幕見席の、はじめは前列中央に陣取ったのだが、いざ座ってみると、どうも前の人(3階最後列)の頭が気になる。あたりを見回すと、後列下手寄りに45席空席があった。しかも通路際だし、ということで急遽移動。やっぱりこれは成功だった。何しろ最後列だから、見えないときに気兼ねなく背伸びも出来るし、時には立って見ることだって可能だ。
そこで「菊畑」だが、残念ながら今回は寝た。役者さんから見える席だと、居眠りにも気を遣うから睡魔と闘うのに必死になるがここはそんな心配ないと思ったら、途中ふっと意識が遠のいた。でも、短い時間熟睡したらしい。おかげで後は睡魔に襲われることなく見ることが出来た。そうしたら、この芝居って、セリフが案外面白いのだなあということがわかった。もちろん、最初の智恵内と奴たちとの遣り取り、鬼一との会話も面白いのだが、皆鶴姫と知恵内、虎蔵の3人になってからもけっこう笑える。派手な盛り上がりには欠けるが、じっくり見ていると、面白さがじわ~っと押し寄せる波のようで、時には笑い、時にはのめりこんでセリフを聞いている自分にビックリした。ただ、それでもやっぱり、次に「菊畑」を見るときもきっとどこかで寝るだろうなあ、とは思うんだけどね。
面白いと思ってみることが出来たのは、吉右衛門さんに負うところが大きいのではないだろうか。さすがの緩急自在の演技、智恵内次第でこの芝居の良し悪しが決まるんだろうなあ、と思った。錦之助さんは、虎蔵という役自体にそれほどの見せ場がないのでインパクトは強くないのだが、この役ニンかも。錦之助さんには硬さと時々垣間見せる弱さと、それでいて大きさがあり、その綺麗な容姿も含めて、たしかに虎蔵実は牛若丸に合っているんじゃないかしら。そして錦之助さんは、決めの形が美しい。最後に幕が錦之助さんの姿を隠すまで、見とれた。時蔵さんの皆鶴姫も綺麗だったなあ。「菊畑」は役者さんがみんな、錦之助さんを盛り立てていこうという感じで、丁寧に演じていたのが印象に残った。ガンバレ錦ちゃん!!
今月2度目の「菊畑」は、そんなわけでリベンジ半分というところでした。
★おまけ1:富十郎さんはやっぱり膝がまだお悪いということで、口上は立って述べ、その後は椅子(?)に腰掛けておられた。先週は口上の間もずっと腰元の1人に手を取られていたのに今回はそれがなかったから、だいぶよくはなっているに違いない。夜の部の口上ではちゃんと正座してらしたから治ったのかと思っていたけど、最初からの正座だし何かうまい工夫があるのだろう。
★おまけ2:今回の幕見は外人さんが多く、掛け声に反応する表情が興味深かった。私の数席左前列にいたオジサンは、近くの3階席から声が掛かるたびに笑い出す。ちょっと面白いので、時々観察していたが、他の席から掛かっても表情に変化はないのに、その人が掛けると途端におかしくてたまらないという顔で隣の奥さんと顔を見合わせるのである。また、芝居が始まってだいぶたってからやって来て私の一つ置いた隣に座った外人カップルのうちの男性は、声が掛かるとちょっと顔をしかめて、なんなんだろうっていうような表情をしていた。この男性は、私がすいているのを幸い隣の席に荷物を置いていたら、それを半分押しやって自分の荷物をそこへ置いた。え~っ!! まあ別にいいけどさ、ちょっと驚いた。
★おまけ3:俳優祭のチラシがあった。チラシを見れば、なおさらに行きたくなるけれど、チケット争奪戦の厳しさを考えると今からユーウツになる。10時に電話なんて絶対通じっこないもんなあ。

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2007年4月19日 (木)

チケットエゴ

コクーンのチケット。先にログインして待機。今回は用心して、ログインしてない一覧画面(関東と関西の劇場公演を見る、っていう画面)も準備しておいた。電話の時報10時10秒をやや過ぎた頃、おもむろに関東をクリックすると、おいおい、まだ切り替わってないよ。慌てて「戻る」と、その前にいじっていた画面になっちゃって、なかなか一覧画面にならない。もう一つの画面で入ろうとしたが、これも切り替わっていない。もう30秒もたっただろうに、なんで切り替わらないのよ。
仕方ない、とにかくどちらか早く入れたほうに、と焦りながら作業を繰り返すのに、今度は「サーバーが見つかりません」。落ち着いて落ち着いて、と言い聞かせているうちに、やっとログイン済みのほうが入れた!! 
千穐楽を狙っていたので、きびしいだろうなあと思ったが、トライ。おお、まずまずと思われる席が出ました(思われる、としたのは、座席表が開けなかったから)。喜んで、しかしフリーズを恐れ慌てることなくゆったりと購入手続きをしたら、又だよ~、又「送信エラー」になっちゃったよ~(泣)。なんだ、急いで手続きしても落ち着いてしてもおんなじじゃん。座席表が開けなかったから危ないなという不安もあったのだ。案の定。
かっかっかっかっしかけてきた頭をなんとかなだめながら、最初からやり直し。これが又なかなか入れない。何度も何度も繰り返しているうちにやっとカレンダー画面に入れて、千穐楽に再トライ。出てきた席はイマイチで、もったいないとは思いながら、つい取り消してしまった(後悔するようなことにならねばいいが・・・)。ここで期待と願いをこめて深呼吸し、これで最後か、とクリック。ああ、よかった。最初とさほど変わらぬ、まずまずの席が確保できた。今度は無事に購入手続きも完了できた。エゴ丸出しのチケット予約日は、わずかの時間でどっと疲れる。
購入してすぐ、もう一度カレンダー画面に入ったら、千穐楽平場席はもうなくなっていた。危なかったなあ。そして今再び見たら、空席なしになっていた・・・。

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最高の実盛、最高の宗五郎

418日 四月大歌舞伎夜の部(歌舞伎座)
4月も半ばだというのに、冷たい雨、イヤだなあ。夜の部の開場時間に合わせて行ったら、案の定歌舞伎座前は大混雑。傘の分、余計混雑がひどい。中に入っても、西側食事予約所とイヤホンガイド前は大混雑。ラッシュみたいな人波にくじけそうになった。その割には席がそんなに埋まっていないのが気になる。みなさ~ん、錦之助さんを応援してくださ~い。
歌舞伎から帰ってきて、なんか急に飲みたくなって冷蔵庫見たらけっこうツマミがあった。こんな夜中に又太るゥ~と思いながら、自制心がきかず、ビールに日本酒なんて飲んじゃったから、感想はその勢いで徒然なるままに。
「実盛物語」。仁左様はやっぱりステキだ。なんで、あんなにいい男なんだあ。ただ顔がいいだけじゃない、こういう男の大きな優しさっていうのが、めちゃくちゃ魅力で、今日も見とれた。イタズラ太郎吉に手を焼いて、今度やったらつねつねしちゃうぞ、って言ってみたり、太郎吉の頭を撫でたり、洟をふいてやったり、馬に乗せたり、太郎吉もこれだけの人物を将来討ち取ることになり、どんなにか名誉に思ったことだろう。そんなことが窺えるような気がして、思わず泣けてきた。
魁春さんのこと、どんどん好きになっていくよ。千之助クンを見る魁春さんの表情が穏やかで、心から可愛いと思っているような微笑を浮かべて、そう母性愛を感じた。前も書いたと思うけど、私はこの人の女形に絶対男を感じない。これほど女になりきっている女形さんはいないと思っている。スッゴイ美形ってワケではないけれど、今日の魁春さんはとっても綺麗だった。まさに母になろうとしている女(葵御前)の美しさを私は感じた。
6歳の千之助クン。なんて可愛らしいんだろう。1年半ほど前(1611月)の初舞台からあまりに成長していてび~っくりした。初舞台の時にTVで密着番組やったの見たけど、見得の練習したり、舞台では愛にい(ラブリンのこと)に面倒みてもらったりしていたことを思い出した。今日は、見得も一段とうまくなっていたし、あんなたくさんのセリフを立派に言えるようになっていたし。それに千之助クンの一番可愛いところは、舞台に出てるのが嬉しくってしょうがないとでもいうように、ニコニコしていること。初舞台でもずっとニコニコしていて、こちらも思わずつりこまれて笑顔になったが、今日もついつい顔がほころびそうになって(もちろん、泣いたり悲しい場面は別)、見ている私まで嬉しくなっちゃった。魁春さんも千之助クンを愛おしそうに見ていたけど、亀蔵さんの表情にもそういうものが見えたよ。ってことは、やっぱり千ちゃんは本当に可愛いんだな。
ところで、私は歌舞伎チャンネルでこれを見たことがある。その時の小万は田之助さんだったんだけど、斬られた腕を付けられて生き返る場面で、客席から笑いが起こり、大いに湧いていた。なんでだろう。今回は、いえ少なくとも今日は誰も笑ってなかったと思うよ。
「口上」。富十郎さんの「隅から隅までずずずい~と」はインパクトあったなあ(お膝、治ったのね)。新錦之助さんが、多くの役者さんに可愛がられていることがよくわかった。そして色々な方の話しから、時蔵さんはやっぱり長男なんだ、お兄さんなんだ、って思った。福助さんがシナをこしらえながら喋った口上が私には一番情が感じられた。今、よく覚えていないんだけど、なんか心にじーんときた。思わず涙が出た。
「角力場」。富十郎さんの大きさに錦之助さんがどうぶつかっていくかというのが見どころだっただろうか。錦之助さんは堂々と渡り合っていて、いい放駒だったと思う。錦之助さんは私の中ではおっとりしながらもどちらかというと硬いイメージがある。つっころばしの与五郎も柔らかいという感じはあまり受けなかったが、つっころばしらしさは十分意識して演じていたように思う。ただ、襲名披露の演目が昼は「菊畑」、夜は「角力場」と、他の演目に比べ少し盛り上がりに欠けるものなのは、錦之助さんにちょっと気の毒じゃないかしら。「角力場」は「角力場」としての面白さがあるんだけど、他の2演目の盛り上がりに比べるとなあ(与五郎と放駒の早替りを入れても、あまりテンションが上がらない。同じ双蝶々なら「引窓」のほうが面白い)。そんなことを思うのは、歌舞伎好きとしてまだ未熟なのかもしれないな。隼人クンが濡髪の弟子で出ていたけど、セリフのとっかかりを間違えちゃって、でも慌てず言い直していた。
「魚屋宗五郎」3回目だけど、こんな面白いと思った宗五郎は初めて。実のところ、4月の演目を知ったときは「又、宗五郎かよ」と落胆した。多分、はじめて三津五郎さんで見たときはそれなりに面白かったんだと思う。でも、1回見ればいいな、っていう気もしていた。2回目は幸四郎さんだから、言わずもがな。それで大して期待もしていなかったのが、いい意味で大いにそれを裏切られた。勘三郎さん、うま過ぎ。とにかく酔っ払っていく過程がバツグン。絶妙な勘三郎ワールドが展開される。そこに絡む時様がまた良い。噂に違わず、最高のおかみさんだった。町のおかみさんだから、お姫様と違って白く塗ったりしていないのに、綺麗だったし。時様の女形にも時々男を感じてしまうが、今日の時様にはまったくそれはなかった。とくに磯部屋敷での時様は、はっとするほど町のおかみさんとしての美しさと女っぽさを兼ね備え、亭主への愛情がひしひしと伝わってきた。ああこの芝居はもちろん勘三郎さんのうまさで引っ張っていってるけど、時様の演技がそれをさらに高めているんだ、と痛感した。もう1人、この芝居をここまで面白くしたのは勘太郎クンだ。気が多くて、勘太郎ファンでもある私は勘太郎クンも堪能して、もうめちゃめちゃ楽しんだ。これなら「宗五郎」も何回見たっていい。
今月は歌舞伎もうこれで終わりだ。昼夜たったの2回は物足りない。もっと見たい。時間が取れたら、幕見で何か見ちゃおうかな(「菊畑」のリベンジもしたいし)。

★おまけ:そういえば、磯部のところの悪役、岩上典蔵が筋書きでは四郎五郎さんになっていたけど、実際は松之助さんが演じていた。松之助さんは筋書きでは荒波伴蔵役になっていて、ではその荒波伴蔵はどなたが演じていたか、ごめんなさい、思い出せない。四郎五郎さんは体調でもくずされたのだろうか…

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2007年4月17日 (火)

ハートフル亀ちゃん

NHKの「ハート展」の番組に亀ちゃんが出ていた。この展覧会は、障害を持つ方々の詩に、各界の著名人がそれをモチーフとした絵を描き、詩と絵をペアで展示するというものだそうだ。今年ですでに12回目になるというのに、私は全然知らなかった。多分今年だってこれに亀ちゃんが参加していなければ気が付かなかったに違いない。東京展はすでに3月に終わっており、今は日本各地を巡回している。私はこのとき見損なってしまったのが大変残念で、失敗したと思っていたら、12月にスタジオパークで展示があるという。あと半年以上も先の話だが、これは見逃せない。

しかし、実際の展覧会に行くより前に、今日番組で亀ちゃんの絵を見る機会があったというわけだ。亀ちゃんの絵は、8歳の視覚障害をもつ女の子の「おじいさんがすき」という詩をモチーフにしたもの。実に強烈なインパクトをもちながら、優しさも感じさせる絵であった(背景にこの詩を置いたところに余計それを感じた)。嬉しかったのは、私がインパクトを受けた、まさにこの詩の真髄はここにあると思ったフレーズが、亀ちゃんもまったく同じ感覚でいたことだ。それは「おじいさんの ての けっかんが すき」というフレーズ。

三宮麻由子さんというエッセイストがいる。やはり視覚障害を持つ方で、この方の書く文が大変良い。しみじみと素直に「生」の喜びが伝わってくる。「おじいさんがすき」の詩を読んで私が真っ先に思い浮かべたのは三宮さんのことだった。感性に共通するものを感じたのだ。そして亀ちゃんが汐織ちゃんというこの詩を書いた女の子の姿から教えられるものがある、と言っていたが、私もまったく同感で、三宮さんの文から教えられることが多々あったことを思った。

汐織ちゃんが詩にうたったおじいさんと汐織ちゃんの交流を眺めていた亀ちゃんの目は優しかった(亀ちゃん、子供が大好きなんだって)。亀ちゃん自身はおじいさん(三代目段四郎)を直接には知らないから、羨ましかったのかもしれないな。私も三代目段四郎さんのお顔は覚えていないが、亀ちゃんの描いたおじいさんの絵は、何だか亀ちゃん自身に似ているような気がした。亀ちゃんが年齢を重ねたらああいう顔になるんじゃないか、ってそんなふうに思った。

汐織ちゃんと亀ちゃんのペアのほかにもステキな詩と絵がたくさんありそうで、12月スタジオパークにゆっくり見に行きたい。

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2007年4月16日 (月)

嬉しい伸二の初ゴール~奢らず邁進せよ

415日 対柏レイソル戦(国立競技場、15時キックオフ)
ふ~っ、ここのところ仕事をダラダラやっていたから、締め切りぎりぎりになって慌てた。やっと何とか間に合ったから、昨日の試合のレポができる(あ、以下の文で「今日」というのは昨日のことです、ややこしいけど)。
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昨日も今日も会場は国立(片や劇場、こなた競技場)。今日みたいな時間帯・天候でサッカーを見るときは準備に迷う。国立の上方の席は案外寒いのである。一応ひざ掛け2枚は持っていったが、これが正解であった。というのも、前半は日差しが強く、タオルで顔を隠すほどだった(シミができるぅ~)のだが、後半に入ってしばらくすると雲が出てきてかなり寒くなってきた。1枚は座布団代わりに、もう1枚を腰の周りに巻いたが、それでも冷えた。後半は点も入らなかったからなあ、余計寒かったんだろうなあ。

よくレッズサポはアウェーの試合でもホームにしてしまうと言われるが、今日は失礼ながら珍しく柏サポも多く、応援席の色分けは半々くらいだった。私などはレッズサポとしての驕りがあったから、今日も当然国立は真っ赤だろうなんて思って行って、ビックリ。ごめんなさ~い。柏はJ2から上がってきて、これまで負けなしの首位だったからね。やはりチームが強ければ、みんな見にきてくれるのだ。

07041503_1そんな快調な柏を相手に、まだエンジン全開にはほど遠いレッズはどうなっちゃうのか。ホームでは圧倒的に強くても、今日は一応アウェーだからなあ。なんて、元々この試 合は行くつもりがなく、1週間前に仲間に半ば強引 に渡されたチケットをムダにするのもなんだから、とチンタラ出かけたのだ。地元の駅までは散歩気分であちこちに咲いている花々を楽しみながら、そして何とか地下鉄の国立競技場駅を利用するようにと経路をとったら(信濃町や千駄ヶ谷から歩くのはかったるい)、20分以上も遅刻して席に着いた。
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相変わらずワシントンはダメだ。と、ワシ好きの仲間Bに又イヤミを言いながら見ていたら、おやおや珍しくワシがゴールを決めた。ま、FWなら当然だ。本当ならもっともっとチャンスをモノにしなければならないのに、やっと1点取っただけで喜ぶな!(好きでない相手にはかなりキビシイ私です。みんなが立って喜ぶ中、私だけは座っていた、とうイヤな女だ)何でワシが好きでないかというと、アイツはチャンスにシュートしないのだ。FWならどんな体勢でもチャンスにはシュートしろよ。キーパーが前にはじくかもしれない。ゴールラインを越えてコーナーのチャンスが生まれるかもしれない。シュートしなければそんなチャンスもないんだよ。ワシはさ、ボールを持ちすぎるんだよ。いい体勢になったときには相手DFに入られたり、ボールを持っていかれたりする。Jリーグでこういう嗅覚が優れていたのはゴンだった。ワシなんかこの前のACLはひどかったぜ。氷雨の中観戦していた仲間たちもかなり苛立ったらしく、さすがのBでさえ「見限ろうかしら」とTV観戦で1人罵っていた私にメールを送って寄越した。ワシのことを書いていたら、また気持ちが悪いほうに高ぶってきたので、話を変えよう。

今日は伸二がいいぞ、と思って見ていたら、やったやった!!  11になったキーパーが前に出て、空になったゴールへ伸二らしい落ち着いたシュート(こういうときに慌てると案外ふかしたりするんであるよ)。もうこれは絶対入るなと思ったのか、伸二はボールの行く末を見もしないで、笑顔で戻ってきた。これも伸二らしいな。やっぱり伸二の笑顔は太陽だねっ。もっちろん、今度は立ち上がってジャンプして喜びを発散させたよ、私は(かわいそうに、仲間Aはビールを買いに行っていて、このシーンはテレビで見たんだと。ナマの試合を見に行って最高のシーンをテレビとはねえ)。伸二は前半、珍しく一生懸命走っていたし、足の痛みが完全に治ったのかもしれない。後半はさすがにスタミナ切れしていたようだったが、徐々に本来の力を戻しつつあることがこの何試合かで窺われる。

どの試合を見ても、いつも危ないところを救うのは啓太だ。派手な活躍とは言えないかもしれないが、とにかくその献身的な働きには、それほど思い入れのない私でも感動する。啓太を代表に入れたオシムは見る眼がある(っていうか、代表に入って当然。それまでの監督に見る眼がなかっただけだ)。

チームはまだまだチグハグなところもあり、後半は柏にかなり攻め込まれてもいたし、点が取れなかったし、高い評価は与えられないが、それでも好調のチームに勝つということは、本当の力がついてきたのかもしれない。たしかに、開幕以来これまでの試合を見ていると、地力は絶対レッズが上だなと思うことがしばしばだった。しかし地力だけでは勝てない。勝とうという気持ちで相手に上回られたら苦しくなる。どのチームを相手に迎えても、奢らず、謙虚に戦ってもらいたい(奢っている私が言うのもなんだけど)。首位に立つのが早すぎるような気もするけれど、せっかくだから、このまま逃げ切ろうぜぃ!

★おまけ①:今日はバックスタンドだったが、こちらは改修されていないのか、背もたれのない席のままで、当然ドリンクホルダーもない。私は試合中は何も飲まないからいいのだが、まわりで足元に置いた紙コップが倒れる危険性があって、イヤなんだなあ。それに、人が座ると座席前にはスペースがほとんどなくなり、その前を歩いて自分の席に行くのが大変。ホント、狭すぎる。

★おまけ②:隣のおニイさんだかオジサンだか、ひっきりなしに何か食べていて(何とかイカがすっげえ匂い)、キツイ匂いの酒飲んでいて(多分焼酎)、その匂いで酔っ払いそうだった。

★おまけ③:信濃町駅付近の飲み屋で祝杯を挙げた。ナマのあとは焼酎のお湯割り梅干入りを2杯飲んだ(「黒亀」っていう名前に惹かれてね)が、寝不足のせいもあるのか、効いた。ここは酒が値段の割に良く、翌日に持ち越さないのでいい。昨日のあの効き方では二日酔いを心配したが、やっぱり大丈夫だった。
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2007年4月15日 (日)

稚魚の会・歌舞伎会合同公演

そういえば、国立劇場にチラシが出ていました。日程と出演予定者のみですが。
日程は8月22日(水)~26日(日)
今回は3部制になるそうです。ってどういうふうになるのかなあ。この期間はあけておかなくては。
電話予約は6月13日(水)、窓口販売は翌14日開始予定だそうです。

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2007年4月14日 (土)

厳粛と睡魔と

414日 法相宗の慈恩会その2(国立劇場)
さて、ここからは実際の法会になるが、長いし、文を読むだけではやっぱり退屈かも。
★夢見の儀
解説のお坊様が去られると、薄暗い舞台中央に何か掛け軸があり、その前に赤い法衣の僧とその手伝いみたいな僧が座っており、その向かいに白い装束の僧が立ってお数珠をたぐりながらさかんにお辞儀をしている。やがて、白い僧が赤い僧のそばに寄り、赤い僧が袖に隠して問題を白い僧に渡した(らしい。私の席からはその様子はよくわからなかったが、客席にちょっと笑いが起きたし、状況からそう察した)。白い僧は再び立ってお辞儀を繰り返す。これが<夢見の儀>か。
★入堂
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ここで、薄い幕があき、祭壇がはっきりと現れる。真ん中の掛け軸に描かれているのは慈恩大師の御影だろう。左右 Photo_48 に縁台のような長い台(以降、便宜的に縁台)が置かれ、 向かって左の一 番手前には1人の僧が座っている。この方が註記というお役目の僧らしく、法会のすべてを取り仕切る。実際の法会の間は司会のような役割で、一つ一つ大きな声で法会の進行について指示を出すと、少綱(しょうごう、侍とも言う)がそれを繰り返すとともに、その指示に従って灯明(本当の蝋燭です)や儀式に必要なものを運んだり講の終了の鐘を鳴らしたりする。だから少綱さんはかなり忙しい。
2本の通路から、それぞれ白丁(白装束に烏帽子をつけた人、金属の杖みたいなものを持ち、その先端についた輪をかすかに鳴らして歩く)を先頭に僧侶が67人ずつ入堂する。僧侶たちの一番後ろには小学生くらいの子供の僧がいて驚いた。それぞれの列の僧は舞台に上がると真ん中で入れ替わり、各1人を除いて左右に設えられた縁台みたいな台に座った。座らなかった2人は祭壇の両側の高座に登った。向かって左の高座が講師、右が読師である。
★四箇法要
僧侶たちは少綱から底に赤、緑、白の紐が垂れている皿みたいなものをもらい、縁台から降りて、唄(ばい)、散華(さんげ)、梵音(ぼんのう)、錫杖を行う。さっきの皿のようなものに薄い経典か何かが載っていて、それをめくりながら、歌うように読み上げるのだ。これが実にいい声で何を言っているかわからないけれど聞き惚れる。途中でみんな、ぱっと何かを撒いた。後でわかったのだが、撒かれたのは花で、これが散華だったわけだ。声明というのだろうか、この法要には面白い節回しもあり、音楽的にもなかなか興味深かった。しかし、私のまわりでは寝ている人たちがかなり多くみられた。註記さんもひどく眠そうで、必死で堪えているように見えたけど、まさか、ね。でも、他にも眠いお坊様だっていらしたのではないかしら???
★講問論義
講師が慈恩会の目的や趣旨、慈恩大師の業績などを読み上げる。私はもう後半になってから、舞台両脇に字幕が出ているのに気付いた。慈恩大師の業績というのは比較的聞き取りやすかったが、もっと早く気付いていればよかった。ただ、私の座席は字幕を見るには前過ぎて、少し身体を左後ろにずらさないと見づらかった。
その後講師がさまざまなお経や仏の名を読み上げている間に探題が入堂する。梅杖(梅の葉っぱのついた枝)を持った僧、探題箱を持った僧が探題を先導する。梅杖は祭壇に立てられる。探題は向かって右側の縁台の一番奥に座られた。
講師はよく透るいい声でず~っといろいろ読み上げており、その肺活量には感心する。読師はほとんど出番がなかったが、正式な儀式ではもっとあるのだろうか。講師と読師が高座を降りると、全員で般若心経を唱える。
★番論義
論匠が番論義の主旨を詠み込んだ漢詩を詠唱し、問者と答者の名を呼ぶ。呼ばれた者は通路から駆け込んでくるのだが、驚いたことに最初に現れたのは子供の組。さっき一番最後に入堂した子たちだろうか。舞台中央床に敷かれた円座に蹲踞し、まだ幼いといってもよさそうな子供たちがむずかしい論義をする。字幕が出るので何についての問答かはわかるのだが、その内容はよくわからない。問者の問いに対し、答者が「まいちど(もう一度)申せ」と何度も繰り返すのがご愛嬌で、客席からも笑いが起こった。問者は呆れて「何度言ったって同じだ」みたいなことを言っていたように思う。それでもやっと答者が返答したようで、この組は終了。2組目は大人の僧で、同じように円座に蹲踞し、これもむずかしい内容の問答をする。けっこう早口でやりとりするのでよけいわからない。番論義は献花を以って終わる。
★竪義
いよいよお目当ての口頭試問だ。呼び出しにより竪者が入堂し、探題箱を開けて、竪義の論題の書かれた短尺を見る。そのとたん、あまりのむずかしさにぐらっとよろけるのだが、夢見の義で問題を見せてもらったんじゃなかったっけ? 竪者は向かって左の高座に上がり、自分はこれから論題に答えていくという意思表示をする(竪者表白)。そして一つの論題に対し問者が5問出し、竪者が答え、精義者から矛盾点の追及があり、竪者は自分の解釈を曲げることなく最終解釈を述べ、精義者がさらに難問を出して、竪者は「自分は未熟者だが、一生懸命答えます」というようなことを言い、問答が続く。あまりのむずかしさ、早口に私はついていけず、一番楽しみにしていたここの部分でついに睡魔に襲われた。ところどころ聞いてはいたが、結局泣き節はわからなかった。残念!! 最後に精義者が合否の判定を下す。たしか、今日は1問は合格、もう1問は吟味の余地ありだが、竪者はよく研鑽を積んでいた、と褒めていたように思う。竪者が高座から降り、すべてが終わる。

お寺や仏像を見て歩くのは好きだが、仏教の実際といえば、お葬式や法事程度でしか触れたことはない。また私は仏教徒ではないし、わざわざお寺にまで行ってこの儀式を見たいほどの関心は正直持ち合わせない。したがって、近場でこれを見る機会を逃さなかったのは我ながら上出来であった。
お経を読み上げるお坊さんの声は朗々として素晴らしいといつも思っていたが、慈恩会では声明や問答だけでなく、呼び出しなどにもなんとも言えぬ節回しがあり、全員が唱和したときにはそれぞれの声が微妙なハーモニーとなって、大変心地よく聞こえた(だから、こっくりこっくりしてしまうのね)。
口頭試問は現在では自分で考えて答えるのではなく、いわゆる過去問から選ばれた論義を丸暗記するのだそうだが、それでも古語の長文だから大変難しいらしい(もちろん、素人である私には聞いていてもほとんどがチンプンカンプンだ)。竪者の21日間の修行も、私みたいなユルい生活をしている人間には想像を絶する。それだけの修行に耐えたのだから、もうそれだけで合格させてあげたくなってしまう。
儀式というのはとかく退屈なものだが、劇場での慈恩会は正式な儀式を約半分に凝縮させ、ある意味ショー化したといってもいいのだろう、それだけに重要かつ興味深いエッセンスは伝わったのではないだろうか。
檀家を持たないお寺というのは資金集めに苦労するようだ。高名な薬師寺や興福寺にしても事情は同じらしい。薬師寺の写経セットを売っていたが、私は何年か前、どこかのデパートで行われた薬師寺展で絶対やりもしないくせに買ってしまったため、今回は遠慮した。最後に下世話なことを申しました。

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慈恩会ってなあに?

414日 法相宗の慈恩会その1(国立劇場)
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「ほっそうしゅうのじおんね」と読む。薬師寺と興福寺が合同で行う儀式である。あぜくら会の会報で見て、何だかわからないけどなんとなく面白そう、と思って買ったチケットは、前から2列目のセンターよりやや花道寄り。居眠りするには最前列では申し訳ないし(って、最初から寝る気でいたりして)、いいお席が空いていた。で、今日行ってみたら、花道は使わず、2カ所の通路のところに舞台に上がる階段がついていた。そして私は下手側通路際の席。ラッキー♪
薄暗い舞台には4本の柱が立てられ、祭壇(っていうのかな、以降便宜的に祭壇)が設えられていた。開演5分前に「開演でございます」というアナウンスはあったが、その後何もないまま気がつくと舞台にお坊様が1人出ていらっしゃるところだった。祭壇に一礼したお坊様の影で、舞台にうす~い幕がかかっていたことを知った(ただでさえボンヤリな私は視力もあまりよくない)。そのお坊様が8分間、慈恩会の説明をされた(「8分間」というところで客席は笑いに包まれた)。以下に、その解説とプログラムを参照して、慈恩会について少し触れるが、ちょっと退屈かも。
★慈恩会の歴史

慈恩会は元々、玄奘三蔵法師の高弟かつ法相宗の宗祖である慈恩大師(窺基とも言うらしい、632682年)を追悼する法会であったが、これに学問的要素が加わり、竪義(りゅうぎ、僧の昇進資格試験のこと)が一緒に行われるようになった。幕末から明治期の神仏分離政策期には中断されていたが、現在は慈恩大師の命日である1113日に、1年交代で興福寺と薬師寺を会場として実施されている(はじめは法隆寺がこれに加わっていたが、法隆寺は昭和25年に法相宗を離れた)。慈恩会を寺で正式に行う場合は45時間かかるが、今回は劇場公演ということで2時間弱にまとめたものである。
★竪者の修行
私が関心をもったのは僧の口頭試問であるが、これを受ける僧は竪者(りっしゃ)と言われ、21日間加行部屋(かぎょうべや)に閉じこもり、不眠・無言・不過中食(ふかちゅうじき、正午以降何も食べてはいけない)を守るという。ただし無言を守るというのは、毎朝のお参りなどで加行部屋を出たときのことである。不眠は、座しての居眠りは許されるとのこと。しかし7000余巻の経典のどこから問題が出るかわからない。そのため必死で勉強しなくてはならない。非常にきびしい修行であるから、最後には意識がもうろうとしてくる。すると竪者は夢を見る。試験問題を作る探題大僧正(現在は薬師寺管主)が夢の中で問題を教えてくれる。それも袖の下からそっと問題を書いた紙を渡してくれる。そこから「袖の下」という言葉ができたとか。これは実際にそうやって渡されるそうだが、慈恩会においては<夢見の儀>と呼ばれている。竪者は答えを必死で暗記するのだが、その答えを精義者に次々と追及され(そういう追及する僧を精義者という)、答えに窮して喋りながら泣くのだそうだ。これを泣き節といい、他にも「指声(さしごえ)」、「切声(きりごえ)」などが猿楽などの芸能に伝わったそうだ。

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笑って笑って

たまたま皮膚癌の記事を読んだ、何十年も前に負ったヤケドや、子供の時に受けた放射線治療がもとで皮膚癌を発症することがあるのだそうだ。

実は、私は、小学生時代、扁桃腺に放射線照射を受けている。当時は、扁桃腺、アデノイドというのが子供に多く、私もご多聞に漏れずそれにかかってしまったのだ。太~い注射を喉にして麻酔をかけ、手術をすることを聞いていた。そうやって治したクラスメートもいた。それは私にとっては大変な恐怖で、喉にそんな太い注射をするくらいなら、扁桃腺が治らなくてもいいとさえ思っていた。ところが放射線で散らす方法もあることを知り、私はそれに飛びついた。今ならそっちのほうが怖くて敢えて注射を受け入れるかもしれない(やっぱり、それもコワい)が、当時は救われた思いがしたものだ。それで、毎週末学校が終わると病院に通って放射線照射を受けたのである。

え~っ、そんな子供時代のX線が癌の原因になるのぉ~?! しかも皮膚癌って、目に見える分悲惨な気がする。

そうだ、癌は免疫性に関連する。笑いが免疫性を高め、ひいては癌を治すという説がある。私はそれを信じている。だから、できるだけストレスをなくし、笑って笑って生活しよう。

なんてことを考えていたら、昨日乗ったタクシーの運転手さんが話好きで、自分の癌体験を滔々と聞かせてくれた。去年、睫毛のところに癌ができたのだそうだ。皮膚癌である。はじめはものもらいかと思ったけれど、癌だとわかり、その部分を1cm四方くらい切ったんだって。もちろん、現在こうしてタクシーを運転していられるのだから、幸いにも眼の機能に影響はなかったのだろう。この運転手さんはとても明るく積極的で、そういう姿勢も癌に打ち克つ要因の一つだったのかもしれない。

やっぱり、♪明るく~明るく~(相当古いね、なんの歌だかわかりますか)、♪笑って~笑って~(これも古い。大好きなアニメの主題歌のごくごく一部)だね。

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2007年4月12日 (木)

よくよく考えたら豪華な顔ぶれ、よくよく考えなくても豪華な顔ぶれ

412日 四月大歌舞伎昼の部(歌舞伎座)
新錦之助さん、おめでとう!!
歌舞伎座入り口を入ると、時蔵さん、信二郎さんの受付のところに、お母様だろうか、品のいいご年配のご婦人がいらして、うれしそうにファンからのお祝いの言葉を受けていた。私も心の中でそっと「おめでとうございます」って声をかけたよ。
すでに何人かの方が錦之助さんのお祝いの幕の写真をブログに載せてらしたから、歌舞伎座の人に訊いたら、幕が閉まっている間は写真を撮っていいのだということだった。なんだ、知らなかった、それなら、というので、私もけっこうバチバチ撮っちゃった。
「當年祝春駒」。曽我対面のバリエーションの一つ。出演者は獅童、勘太郎、七之助、種太郎、歌六と、すべて中村姓。長唄の歌詞に「中村がどうとかこうとか」っていうのがあって、遅きに失したがその時はじめて、ああそういえばみんな中村さんじゃないか、と認識した。獅童はいつだったかなあ、「雨の五郎」で五郎を踊ったが、その時に比べてうまくなっているのではないかと思った(そりゃ、進歩がなくっちゃ困るよね)。意外にもなんていったら失礼かもしれないが、意外にもよかったのが種太郎クン、踊りが上手じゃないのぉ。お顔もきれいで、清々しいお坊様でした(そういえば、昼の部はお坊さん2題だったのね、種ちゃんは)。踊りはソロ以外はみんなの動きが違うから、あっち見たりこっち見たり、忙しかった。ドンドンという足の踏み鳴らし方もそれぞれに違うようで。こういう形式的な曽我対面モノって割と好き。
「頼朝の死」。第一場はなんだか乗り切れないうちに終わった。まず出だしがなんだかごちゃごちゃしてよくわからなかったのと、その場を仕切る役の東蔵さんのセリフが何となくモゴモゴしていて、いつもと出来が違うような気がしたのと(そういう役柄なのかなあ。でも何となく体調が悪そうな様子にも見えた。勝手な判断御免)、畠山重保(歌昇さん)の悩み苦しむ姿にも入っていけなかったのと……。とにかくすべてが何となく進行していってしまった。ところが第二場になったら、徐々に私の中でテンションが上がっていって(よくわからないが多分、二場のほうが真山青果らしさが強かったのではないかしら)、激情に駆られる頼家の梅玉さんにどんどん惹き付けられていった。自らの罪の重さにおののき、また頼朝の死の秘密をどうしても守らなければならず苦しむ重保は、歌昇さんの熱演にもかかわらず、私みたいな単純な人間には合わない。「言っちゃえ言っちゃえ」ってけしかけたくなるのだ。と同時に、父親の死の原因をどうして頼家に言っちゃいけないのか。そこには尼将軍政子(芝翫)と冷静な大江広元(歌六)の配慮が働くのだが、それからして頼家の置かれた立場がわかろうというものだ。ましてや「家は末代、人は一世」という政子の言葉を聞けば、イヤホンガイドの解説に言われなくても、その後の頼家の運命を象徴していると気付く。梅玉さんは「御浜御殿」の綱豊といい、この頼家といい、ただの優男より、こういう緊張感のある役のほうが私はずっと好きだ。ところで、芝翫さんの政子が長押から長槍を取ったとたん客席に起こった笑いは何?
「男女道成寺」。仁左様が白拍子姿で踊っている間、ああ、どうしようどうしよう、って不安になった。だって、花子の勘三郎さんと違って、なんだか踊りは硬くてぎこちないし、あまり似合わない。そうしたら、本当は男だったのだ。男の狂言師だった。ほっとした。男になったら、やっぱりカッコよかったわ。勘三郎さんは安心して見ていられる。時に清姫の亡霊の目をして、鐘を見上げるところが、何かが起こりそうな予感をさせて、私は好きである。実を言うと、今日の出し物の中で、私はこれが一番満足した。道成寺もいろいろなバリエーションがあり、これもその一つだけど、やはり踊りに変化があり、いつどれを見ても面白い。勧進帳とともに道成寺モノがよく演じられるのは、やはりその面白さによるものなのだろう。昼食の後の踊り、眠くなるかと心配したが、全然寝るどころか、楽しくて楽しくて、長唄や常盤津に合わせて思わず拍子をとっP1030312_2 てしまいそうで、抑えるのに苦労した。手拭いは、ラッキ ーなことにいただけました。ていうか、勘三郎さんが後ろ向きに投げたのが飛んできて♪ ここのところ、手拭いに見放されていたので、とっても嬉しい。ありがとうございます!! もらえなかった方、ごめんね。
「菊畑」。本命なのに、道成寺でエネルギー使っちゃったせいか、かなりつらかった。もうダメ、と沈没しかかった頃、口上になって、ああよかった。富十郎さんは23日前に膝を痛められたとかで、正座することができず、立ったままご挨拶した後、床几に腰をかけていた。ずっと腰元役の方に手を取られ、お元気そうではあったけれど、お年を考えると膝の痛みはきついだろうなあ、なんて心配したりして。お大事に。
昼の部の口上は、富十郎さんと吉右衛門さんとご本人の錦之助さんだけ。時蔵さんと歌昇さん、隼人クン(女形で登場。変声期は乗り越えたのか、声はかすれることなく出ていた)は並んで手をついてはいたけれど、ご挨拶はなし。富十郎さんは、さかんに4代目時蔵さんと初代錦之助さんが喜んでおられるだろうと言っていた。昼の口上はその程度なのだけど、先ほどの受付でのお母様のお顔を思い出して、私はちょっと涙が出そうになってしまった。錦之助さんって、どこかそういう気持ちをそそるところがある。
芝居は、結局やっぱり睡魔から脱し切ることができなかった。それでも3回目の「菊畑」にしてはじめて<完全には>沈没することなく見られたのではないだろうか。錦之助さんは、お人柄を思わせる真面目でていねいな演技で好感がもてる。しかし虎蔵という役はあまり前面にぐいぐい出る役ではないからかもしれないが、少し寂しげな印象を受けた(意識が時として遠のく中での感想なので、間違っていたらごめんなさい)。体も大きいし(大きく見える)、清潔感あり、口跡さわやか、これからはもっともっと華のある役者さんになってほしいわ。時様ファンとしては、可愛い弟君も応援してるよ。ところで、時様は、今日も錦之助さんに舌打ちしたのかしら(→asariさんのRiddle me this! 参照)。このエピソード、好きです。
★梅之さんウォッチング:「頼朝の死」で、申し次ぎの侍女。政子登場を頼家に知らせるセリフは、どんなお声で?と期待。それほど高くなく、奥行きのあるお声でした。鎌倉時代の侍女っぽかった(って、鎌倉時代の侍女がどんなだか知らないけど、イメージイメージ)。「男女道成寺」の所化。と~っても可愛らしいお坊さんでした。視線の置き所が難しいとブログに書いておられたので、その辺をちょっと注目して時々ちらちらと見ていたが、梅之さんはちゃんと考えて視線を置いている様子が窺えた。
★今日のおまけ:幕間に廊下をフラフラしていたら、なんと昨年11月の稚魚の会のパーティーでお隣の席だった方に再会した。こういうご縁ってとっても嬉しいものだし、大切にしたいと思いました。

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2007年4月11日 (水)

信じられるのは誰と誰?

410日 映画「アンフェア」

前の日に久しぶりに三省堂に寄った。文庫を一通り見て歩いたけれど(ハードカバーはほとんど買わない)、いまひとつ食指を動かされるものがなくて、結局、買ったものは映画のチケット2枚。

その1枚、「アンフェア」のチケットを眺めていたら、行かれるときに行っておかないと、という気持ちになって、近場の映画館へ。「アンフェア」は、たまたま第3話を見てはまってしまった。こういうこわ~いドラマは基本的に見ないのだけど、毎回メチャメチャ怖がりながら、とうとう最終話まで見た。で、第2弾は2時間もののスペシャルで、2時間ドラマはほとんど見る気がないから、これはかなり飛ばしたけれど、こうなったら最終ラウンドの映画も見ないわけにいかないし、っていうわけ(これって、たしかアンフェア・ファイナルみたいなことを言われていたように思うけれど--違ったかな--、まだまだ続きそうな予感がする)。

映画は、思ったより怖くなかった。その理由はたぶんはっきりしているけれど、それを言ったらネタバレになるから、残念ながら言えない。細かい感想も言いにくい。だから、思い切りミーハー的、表面的感想のみ。

江口洋介は初めてカッコいいと思った。今まで好きじゃなかったのだけど、今回はメガネがインテリっぽかったせいかな。椎名桔平は、はじめてまともに見た。ほっぺた宍戸錠系かと思っていたけど、それほどでもなかった。成宮寛貴、「魔界転生」以来よくお目にかかる。やっぱりこの人にはどことない下品さがあって、それが魅力なのかもしれない。

俳優についてはここまでにしておこう。他の人について触れると、ネタバレしそうだから。ただ、ひとつ、雪平の娘美央ちゃん、いつもいつも大変な目にあうね(これくらいはお許しを)。

篠原涼子って、意外と手の格好がよくなく見えた。女優さんってみんなほっそりした指ですらっとした手をしていると思っていたが、篠原涼子は違った。刑事だもの、頼りがいのある手で、なかなかよろしい。それに、私みたいなゴッツイ手女は、そういう篠原涼子にとっても親しみを感じる。そうでなくても、私はこの雪平=篠原は好きだけどね。

ただ、このシリーズはテレビでも時々感じたけれど、映画でもちょっとした矛盾というか、変に思うことがなくはなかった。おかしいんじゃない?と心の中でツッコミを入れながら見る場面もあった。でも、寝不足なのに全然寝なかったし、かなり引き込まれた。面白かった。

面白かったといえば、「犬神家の一族」。思いもかけず、帰りの飛行機で見ることができた。行きは「ナイト・ミュージアム」をやっていてラッキーと思ったが、意外にもつまらなくて寝た。帰りにまた同じ映画だったらイヤだなと思っていたら、新作「ホリデイ」と犬神家に当たったのだ。「ホリデイ」は日本語吹き替えで、妙に眠くて、寝ては巻き戻しを繰り返して、6時間くらいかけて見た。犬神家は怖いという先入観で、昔は見られなかったのだけど、今回は菊ちゃんが出ていることに勇気づけられ、怖かったらいつでも切っちゃおうという覚悟でいたが、面白くて一気に見た。富司純子がよかった。女優としての富司純子って、静御前しか知らない(古い!!)から、新鮮だったし。菊ちゃんはまあまあかな。画面が小さかったせいか、映画そのものの作りのせいかわからないが、ほとんど怖くなかった。でも、死体が池から両脚をつきだしている場面はちょうど食事中だったので、ちょっとエグ~イなんて思いながらね。

映画は一度見ると続けて見たくなる。ま、今週は時間がないが、もう1枚チケット買ってあるからね、これは来週か再来週行きたいと思っている。

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2007年4月10日 (火)

アクセス集中にパニくるの巻

ひゃあぁ、今日のチケット取りは時間がかかったぁ。何しろ出だしを10秒確実に待って入ったのに、まだ購入画面に切り替わっていなかった。いったい、どういうタイミングで入ればいいんだろう。仕方なく戻ると、今度は切り替わっていたのに、データ読み込み画面が出てこない。先月もそうだったけど、真ん中に緑の帯が出てくるだけ。もうっ!! 戻って戻って戻って、やっとカレンダー画面になり、まずは夜の部を確保。いつもデータ送信でトラブるので、今日もビクビクしていたが、ああよかった、うまくいった。

で、引き続き購入をぽちっとやったら、むむむ、公演一覧画面にすべて×がついているではないか。な、な、なんなのよ。アクセスしなおすとともに、もう一つ購入画面を立ち上げたが、これからが大変。どっちもサーバーが見つからないか、込み合っていますメッセージが出てしまうのだ。もう何十回、いったりきたりしたことか。パニくりながら、機械的に操作を繰り返していたら、やっとつながり、昼の部もゲット。そしてもう1回、7月の巡業中央コースを予約して(これはすぐできた)、今日の大仕事は終わり。なんと、これまでの最高、14分かかってしまったワ。

心の中で大騒ぎした割には、<だいたい希望の席>が取れた(^_^)。歌舞伎座の場合、なぜか、毎月昼も夜も、同じ席が当たることが多い。そこで、私は図々しくも秘かにその席を「マイシート」と呼んでいた。今回夜はそこが取れたが、昼が微妙にずれている。本当に1つ2つずれただけなんだけど、「マイシート」でないっていうのが微妙に変な気持ちである。だから<だいたい希望の席>なんである。普段はきわめて控えめな私ですが(本当か?!)、ことチケット取りになるとエゴむき出しになるのです。まったく私って(^-^;。

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パリのアルバム

あまり間が抜けないうちに、テーマ別にまとめたアルバムをアップしました。ブログに載せた写真とダブるものもあるかもしれません。大半に簡単なコメントをつけました。

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2007年4月 8日 (日)

ありがとう、桜

毎年老いた両親とする花見が、今年は今日になってしまった。でも、神様は両親にまだまだステキな桜を残しておいてくれたよ。

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花吹雪のなか、母は子供みたいに喜んだ。ひらひら舞う花びら、写真でわかるかな。

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父は水の流れを花びらで確かめていた。

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来年またみんなで花見ができるかどうかはわからないけれど、日々生きていることに感謝。

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欲張りFujisan

二日酔い気味の少しぼんやりした頭で仕事の準備をしていたら、宅急便が来たのに気付かなかった。息子が受け取って、机の上に置いておいたと言う。え、ないじゃん、どこ? と目をこらすと、小さな封筒が。
おっ、もしかしてチケット?! そうですそうです、「エレンディラ」のチケットです!! 3月にさいたま芸術劇場の先行販売があって、FAXで申し込んでおいたのだ(今どきFAXっていうのが面白い)。ただ、この先行販売は芸術劇場主導でなくて、ホリプロがやっているということであった。だから当たらないかもしれないなあ、と半分は諦めていた。しかも当選者には44日以降チケットを送るというのに、ちっとも来ない。一般販売に賭けるか、と思っていた矢先のチケットだ。
へへ、嬉しいのなんのって♪♪。でも座席を見てちょっとがっかり。かなり後ろのほうなのだ。先行販売ってそんなものなのかなあ。薮原検校もそうだったなあ。座席を確保できただけでよしとするべきなのに、いざそれが叶うと、ついつい欲を張ってしまう。だって劇場の料金設定って大まかすぎるではないか。いかんいかん、謙虚にならねば。

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勝てば桜もより美しく~信玄公祭

4月7日 レッズ vs ジュビロ磐田戦(埼玉スタジアム19:05キックオフ)

4月最初のイベントは、埼玉スタジアムにおける対ジュビロP1030252 磐田戦であった。色々言いたいことは、いつものように山ほどあるんだけど、とりあえず勝ったうえに、仲間とさんざん酔っ払い(自分で自分が酒くさい…)午前様で帰宅したあとでは、迫力も出ない。だってね、散々飲んだり食べたりして、すっごく満足したのに、うちに帰ってお茶漬けなんて食べちゃったのだ。あ~あ。サッカーの満足度が80%なら、おなかの満足度も80%だったのかしら。

ところで、今日は甲斐の国の信玄公祭りでした。行った方のご報告では、大変な賑わいだったようです。そりゃそうだよね。亀ちゃんも内野さんも参加して、今年の盛り上がりは格別だったでしょう。内野・勘助と亀治郎・信玄のトークもあったようで、亀ちゃんが語りだすときに、一陣の風が起こり、見事な桜吹雪が会場を吹き抜け、場内が大いに沸いたそうです。静かなときに、一度は信玄ゆかりの地を歩いてみたいと思っています。8日の「風林火山」は19時15分からですよ、お間違いなく(って、亀治郎さんが強調していたとか)。

P1030250 桜って咲いてみると、どこにでも咲いているんだなあ。あそこにもここにも桜が、って気がつくのは楽しい。埼スタの桜もあと数年したら、見事な枝ぶりが期待できそう。

試合を見ながら、川口ってカッコいいなあ、とつぶやいたら仲間に「そんなこと言っちゃダメ」って怒られた。でもさ、実際に見る川口は敵とはいえ、ほんとにカッコよかったのだ。ゴンは出てこなかったなあ。カズもゴンも見たかったのにな。

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2007年4月 7日 (土)

チャイナ服の亀さん

昨日、夕飯の支度をしながら、今日の「芸に生きる」(歌舞伎チャンネル)は亀ちゃんだったな、と思い、TVをつけてみた。昨日は別のつまらぬ録画が重なり、亀ちゃんは録画もできないし、この時間帯(18451945)はなかなか落ち着いて番組を見ることもできない。それでもやっぱり気になってね。

あらら、亀ちゃん、中国服に身を包んでいるよ~。青い長袍に赤いベスト。なんでも卒業旅行で行った中国で求めたものだとか。この収録は2000年で、当時25歳の亀ちゃんの顔は今と全然変わっていないみたい。中国旅行の話はとても面白そうだったけど、なにしろ火をつけたり水を流したりしながらだから、あまりよく聞こえなくて、落ち着かないから諦めた。次回オンエア日は15日(この日は、新錦之助さんの最新インタビューもあるよ)。歌舞伎チャンネルは1週間分しか予約できないみたいなので、忘れないように番組表に大きな赤丸をつけた。

で、さっき何となくあちこちのサイトを見ていたら、こんなのを発見

http://juku.keio.ac.jp/pdf/252/jukuinsanmyaku.pdf

歌舞伎チャンネルが卒業旅行の話なら、こちらは入学のときのエピソードが紹介されている。去年のインタビューなので、もう既にご覧になった方が多いとは思うが、亀ちゃんの一貫した姿勢と自負心がここでも現れている。それは努力に裏付けられたものなのだろう。

ところで、歌舞伎チャンネルは再放送も多く、このように亀ちゃんの古いインタビュー番組が今見られるのはありがたい。んだけど、時々ダブってDVDに入れちゃったりすることがある。何十枚にもなったDVDの中身のリストを作っておかないとなあ、と毎度思いはするのだが、なかなか。今日は10時から13時半まで「天守物語」「芸に生きる(猿弥)」「走召まU〃」と続いていて、あとの整理が大変だわ♪♪

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2007年4月 6日 (金)

東京駅で歌舞伎

今月27日に、新丸ビル開業を祝って、東京駅特設会場で菊ちゃんが「春興鏡獅子」を踊るそうだ。いいじゃ~ん、そういう雰囲気(ってどういう雰囲気だ?)の中での歌舞伎も見てみた~い、と思ったけど、27日ってなんかあったような気がするぞ、と手帖を調べたら、「桂春団治」の千穐楽だった。しかもこの日は俳優祭の申し込み日。なんで、いろいろ重なるのじゃぁっ!! 仕方ない、丸の内歌舞伎は諦めよう(25組50人の事前応募制)。

http://www.shinmaru.jp/01_news/event_news.html

春団治といえば、今朝NHKの「生活ほっと」を狙ってつけたら(金曜日って歌舞伎役者さんが出ることが多い)、ごひいき藤山直美さんが出ていた(今日も演舞場が11時からあるのに生出演)。TVつけてよかったぁ。芋たこの最終週を見られなかったのがとても残念に思っていた(毎日録画しておくのもなあ、とやめてしまったのだ)から、「生活ほっと」の中で最終回の1シーンをちょっと流してくれたけど、それだけでウルウルしてしまったわ。直美さんは、40歳までは喜劇ってイヤだったんだそうだ。好きな人に、芝居の中でする面白い顔を見られたくなかったって。私は堂々と喜劇を演じる直美さんしか知らないから、ああ彼女にもそういうことがあったんだ、なんて可愛いんだろう、とますます好きになってしまった。また、お父様の寛美さんが「喜劇は受け継ぐものではない、発想と感性だ」とおっしゃったそうだが、直美さんはまさにDNA+発想と感性を持ち合わせているのだろう。

舞台があるのに半年間のドラマ出演っていうのが、私の中では亀ちゃんとかぶっていた。だから余計、直美さんも芋たこも気になっていたのかな。

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春ららら

髪を切った。パーマもかけた。頭が軽くなった。髪を切るといつも思う。髪の毛って重いんだなあ、と。
私の行く美容院は少し高い。高いからいつも行くのをためらう。それでもなぜ行くかと言えば、まず第一の理由は、自宅に近く、しかも待たされないのである。次にウデがいい。そして店の雰囲気が明るい。それまであちこち行ったところは、1時間待ち2時間待ちはざら(ウデが気に入ると予約制なしだったりして)。中に入ってもやたら時間がかかる。
今、私の担当をしているのはそこで<先生>と呼ばれる人で、とにかく手が早い。でたらめやってるのではないかと思うくらいぱぱぱぱっと切る、ぱぱぱぱっと巻く、ぱぱぱぱっとはずす。一度それをほめたら、こうなるまで、切って切って切りまくったと言っていた。それを聞いて、有名人の客が多いという鍼師を思い出した。その人もぱぱぱぱっと刺すそうだ。やっぱり刺して刺して刺しまくったという。犬や猫や、道端の石にまで刺したんだそうだ。鍼師もだが、<先生>も、そういう練習からくる早さに加え、ウデに対する自信、自負心が感じられる。そこも私は気に入っている。
パーマかけたて、髪切り立てって、なんか自分の顔が見慣れなくてテレくさいものがあるけれど、日が経つにつれそれが馴染んでいくのが楽しい。
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2007年4月 4日 (水)

寂しい桜

何とか間に合った桜なんだけど、こんなにたくさん咲いているのに、なんだかこんなに寂しい感じのする桜は初めて見た。空のせいだろうか。

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2007年4月 3日 (火)

パリ話大詰--パリの交通

パリ滞在の最終日、午前中に路面電車(トラムウェイ)にPhoto_14 Photo_16 乗りに行った。おおお、トロリーバス(昔東京でもみられた)みたいじゃん。パンタグラフがある。パリの地下鉄や郊外電車は駅も車内も汚いこPhoto_17 とが多く閉口するが、さすがトラムウェイは新しく、明るくきれいだ。線路には一部芝が敷き詰めてあり(運転席から見えるのがそれです)、ちょっと心和む思いがする。現市長ドラノエがエコ政策や文化政策に力を入れており、こういうところにもそれが現れているらしい。

1_4 パリの交通でちょっと面白いと思うのは、地下鉄でもバスでも、行きは止まるけれど帰りは止まらない駅があること。つまり路線が往復同じところを通らない部分があるのだ。これをうっかり忘れると大変。私はバスで1回それをやり、××の次の停留所だなといPhoto_18 うことだけを頼りに降りたら、それは全然知らないところで、大いに焦った。幸いすぐそばに地下鉄があり、地図と路線図を10分眺め回し、やっとその地下鉄で目的地に行かれることがわかって胸を撫で下ろしたのであった。誰かに訊きたいところだったが、訊くことはできても、相手の言うことが理解できない!! フランス人は日本人は英語ならわかると思って、用事があるときは英語で話しかけてくることが多いが、こちらが片言のフランス語を喋ろうものなら、喜んで凄い勢いでフランス語を返してくれる。こちらはキョトンとせざるを得ない。ごめんなさい、ろくすっぽ喋れもしないのに生意気しました。でも、せっかくパリにいるのだから、フランス語で少しでも会話ができたら嬉しいと思うのは人情だろう。娘に言わせるとそれが危ない。たとえば私1人で電車に乗っているとき、誰かが話しかけてくる。するとつい、何でしょうという感じで相手の話を聞こうとする。ところがそのときにはもう何人かに囲まれてカバンの中に手をつっこまれているという寸法。若い子たちのこういうスリが多いらしい。娘は私の単独行動時、それを注意するのを忘れたと、ひどく心配したそうだ。

閑話休題。それから、地下鉄の駅など改装するとなったら、その駅を閉鎖してしまうのにも驚いた。たとえばオペラ駅がそうで、この2月から来年5月まで、どの地下鉄もオペラには止まらない。本当だろうかと、ためしに乗ってみたが、たしかにオペラ駅は廃墟のようになっていて、地下鉄はさっさと通り過ぎてしまった。隣の駅で降りて歩いてもたいした距離ではないからそういうことができるのだろうが、東京じゃ考えられない。

交通費は色々な制度をうまく利用すれば安い。私は26日かPhoto_191週間のオレンジカードを買った(16ユーロ。月曜日分からでないと買えないらしい)。カードといっても大きさは普通のチケットと同じで、一定のゾーン内ならバスも地下鉄も路面電車も郊外電車もすべて乗り放題。パリ市内はほぼゾーン2に属するから、疲れたときに我慢して歩かなくてすむ。1駅でも1停留所でも乗って楽ができる。地下鉄や郊外電車は改札にチケットを通すが、バスは運転手に見せるだけでよい。私がいつも感心するのは、運転手がチラッと見ただけでよくこのカードの期限を認識するなあ、ということ。だってチケットには有効期限ではなく、購入した日が印字されているのだ。似たようなカードに1日有効券などもあり、一瞬では絶対判断できないと思うのだ。そこで私は、運転手が「あ、こいつちゃんとカードを持っているな」ということしか確認していないのではないかと踏んでいる。

若者の中には無賃乗車をする不届きものも多く、地下鉄の入り口が日本のように高さが低ければ飛び越えたり、背の高い自動ドア式のものだとキップを持った人にぴったりくっついて入ったり。出るときはキップがいらないから無賃乗車できてしまうのである。これはフランス国内でも問題になっているようで、先日も1人の少年の無賃乗車をきっかけに警官隊が出動する騒ぎがどこかで起こった。コントロールという検札もいるが、めったに出会うことはない(滞在中、1度だけバスで出会った)。

Photo_20 電車はだいたい4人掛けのボックスシートで、その背中に跳ね上がり式の椅子が据え付けられてあり、これが気軽に座れていい(写真の青い部分。1つのボックスシートで裏表合わせて8人腰掛けられることになる)。

帰国のため空港に向かう車内に、2人組のバンドがやってきた。1人はウッドベース、1人はアコーディオン。私たちの車両に入ってくると、「枯葉」「Strangers in the night」「ラ・クンパルシータ」などお馴染みの曲を次々演奏する。それが終わると、ショボい紙コップかなにかを持って座席を回る。演奏がなかなか優れていたので、私たちは大枚(?)2ユーロを入れた。2ユーロあればバゲットが2本買える。いやバゲット1本とワイン1本でもよい。などと、大枚なのかわずかなのか、2ユーロの言い訳を自分にしながら演奏家を見送った(だって、この車両では私たちだけだったんだもの)。フランスでは色々な方法で車内で稼ごうとする人たちを見る。先日も触れた物乞い、座席に子供が喜びそうなオモチャを配っておいて、こちらがうっかり手に取ったらお金をせびろうという人、何か怪しげなものを手にして目が合ったら売りつけようという人、慣れない観光客は物珍しげにしていると、カモにされちゃうかもね(オヤジギャグですまん)。旅行される方はお気をつけて。

パリのお話は、これで最後。ただ、私のことだから突然また何か思い出して書くかもしれない。その時はお許しを。

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2007年4月 2日 (月)

設定変更とお願い

ココログフリーもスパム防止策が取られるようになりました。そこで、これまでコメントを頂く場合はメールアドレスを必須入力事項にして、そのうえにタイムラグを設けていましたが、今後はそれをやめ、ココログ自体の防止策に頼ることにしました。これで問題が生じなければ、ずっとこの方式でいこうと思っております。
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パリ話ラス前—おまえら、ええ加減にせいや!

恋の国フランスでは、いちゃついているカップルはパリに限らずどこにでもいるが、まあ今回あきれたのは、美術館で完全に2人だけの世界に入っちゃってるカップル。ルーブルのような大きな美術館になると、こっちの名画の前で「こいつら~」、あっちの彫刻の部屋で「ここにもかよ~」。アンタらいったい何しに来たのよっ。そういうことは外でしてよっ。

じゃあ公園ならいいかっていうと、これが公園になると歯止めがきかなくなっちゃう。ベタベタベタベタ寝転がって、真っ昼間だというのに、おいおいそこまでやるか、それ以上は勘弁してよ、というカップルをよく見かける。目のやり場に困っちゃうよ。って、広い公園なんだから別にそいつらを見なくたっていいんだけど、呆れてつい目がいっちゃうのよ。フランス人はそんなことにいちいち目くじら立てないのかもしれないけれど、奥ゆかしき日本人の私としては「おまえら、ええ加減にせいや!」と言いたくなるのである。いや失礼、「お二人さん、すこしは人目というものを意識していただけないでしょうか」と。

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2007年4月 1日 (日)

夢から現実へ

331日午後7時過ぎの飛行機でシャルル・ドゴール空港を発ち、41日午後、無事に成田に着きました。約10日間の夢は終わりです。

私と娘が手を振り合っているとき、そばでは単身赴任らしい若いおとうさんとその妻子が別れを惜しんでいて、パリに残るおとうさんは半泣き顔。私だって娘とのあっという間の10日間を思ってちょっと胸に迫るものがあるのに、可愛い盛りの子供さんと愛する奥さんを見送るその男性の胸中はいかばかりだったでしょう。第一、これから旅立つ者は帰国の途につくとはいえ、まだ夢の中にいるものです。現実は残される者のほうに先、突きつけられるのです。娘も笑顔で見送ってくれましたが、内心寂しかったに違いありません。いずれにしてもお互い、今日から再び現実の中で暮らすことになります。

パリの歌舞伎のご報告は皆様のご期待に添うものではなかったと思いますが、多くの方にアクセスしていただき、またコメントもいただいてありがとうございました。私自身は、やっぱり歌舞伎は面白い、いいものだなあと楽しんだ以上に、さまざまな役者さんがさまざまな挑戦をしていることが歌舞伎の未来に繋がることを認識し、改めて自分が歌舞伎という文化を有する日本人であることを誇りに思ったのでした。

今日41日はルーブルで団十郎さんを囲むイベントがあったようですが、日程が合わなかったのが残念。

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