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2007年2月 6日 (火)

「浅草名人会、浅草芸能大賞授賞式」その6

記念公演--信玄公の見事な踊り

式典が終わると、受賞記念公演。まずは藤間蘭景さんの舞踊「都鳥」。私は踊りはほとんど(いや、まったく)わからないので、よかったのかよくなかったのかわからない。正直に言えば、ちょっと眠くなった。申し訳ない。

次はロケット団の漫才。テレビにはほとんどか全然か知らないが出ず、主に寄席や演芸場で活動しているのだそうだ。だから知名度は高くないようだった。私は、「あぜくら」で国立演芸場の出演者に時々見る名前だなあ、というくらい。同じ劇団にいた2人(三浦昌朗、倉本剛)が劇団員を楽しませるためにコンビを組んだところ、役者よりお笑いのほうが向いているということで、おぼん・こぼんに師事し、本格的に漫才を始めて約6年。現在は鈴々舎馬風一門ということだ。この漫才がオーソドックスながらテンポがよく、今どきネタをふんだんに盛り込み、ちょっと危ないどこかの国の話なんかも入れて、とっても面白い。圧巻だったのは防災心得を何十カ条も、超早口で並べ立てるところ。これを何回も、1人で、また2人で口を揃えてやるのだが、息がぴったり合ってお見事。防災心得の一つ一つにいちいち頷いている人が何人かおり、それを見るのも面白かった。私は相手の欠点をあげつらう漫才は好きでない。ロケット団は、1人が山形出身で、2回ほどそれを揶揄するところがあったが、一言だけでくどくなく、漫才としては許容範囲かな。初めて知るこのコンビ、なかなか頭のいい漫才だと思った。ただ、この2人、姿勢が悪いのが気になる。表彰式で亀ちゃんの隣にいたから、よけいそれが気になった。

そして亀治郎さんの踊り「松の緑」。左隣のオバチャンは亀ちゃんのことをよく知らないようだったから教えてあげた。さっきの藤間蘭景さんは、音楽が録音らしかったが、亀ちゃんは、嬉しいではないか、ナマ演奏。幕が上がると、舞台上手に長唄連中と囃子方が並んでいる。オバチャン、「あら、本格的ねえ」と驚いていた(私、内心「そりゃあ、亀ちゃんのことだもの」と得意顔)。杵屋栄津三郎さん、田中傳左衛門さん、歌舞伎で何回もお顔を見ているのにお名前に自信のないその他の方(ごめんなさい)、全部で8人だったかしら何人だったかしら。亀ちゃんは、素踊りというのでしょうか、金屏風の前、紋付袴に扇をもっただけのシンプルな姿で、しなやかに、かつキリっと踊り、私は約20分のその間、食い入るように亀ちゃんの動きを見つめていました。とくに指先のきれいさには引き付けられます。指の動きに全然無理がなく、反ったり揃えたりが自然で綺麗。それにしても、今の亀ちゃんは亀ちゃんにあらず、この踊りも武田信玄が踊っていたに違いない。幕が降りる瞬間、後ろの女性が「オモダカや~っ」。周囲では「綺麗だったわねえ」という声がため息とともに聞こえてくる。今日、亀治郎さんお目当ての人はどれくらいいたんでしょう。後援会でお見かけしたお顔があちこちにいらっしゃいました。

最後は円楽さんとお弟子さんたちの「浅草を語る」。お弟子さんの1人が司会、3人が師匠を助けてトークする(楽太郎さんも来るはずだったが、強風で東北新幹線が止まっており、栃木から帰ってこれないと言っていた)、という図式かと思ったら、円楽さん、長い小噺を2つも立ったままして、脳梗塞で倒れたことなどほとんど影響していないみたい(私は笑点を見ていないから、回復状況を知らなかった。さっきの表彰式での挨拶もちゃんとしていてびっくりした)。とてもスローな語り口で、間も長いのに、全然退屈せず、逆に話の展開はどうなるの?と早く知りたくなるくらい引き込まれる。ここまでくるにはどれだけリハビリに励んだかが窺われるとともに、近々「芝浜」で高座に上がるという、それにかける意気込みが感じられた。小噺の一つは、円楽さんの実家であるお寺と川口松太郎にまつわるもの。もう一つは金魚の話。ある奥さんが飼っていた金魚があるとき畳の上に飛び出した。奥さんは金魚が畳の上で生きている時間を毎日の訓練で少しずつ延ばしていった。今日は5秒なら明日は6秒、その翌日は7秒というように。そして1年もたつと、金魚は奥さんにくっついて散歩に出かけるようになった。あるとき、橋の上の石ころにつまずき、金魚はぴょ~んとはねて川に落ちた。そして溺れ死んだとさ(ちょっとブラック?)。

こんな調子だからお弟子さんたちは話すことがなくなり、なぞかけ(○○とかけて□□と解く、っていうの)をやって終わり。全体にヨイショ系で、ん~という感じ。「笑点」に出ているという好楽さんのお孫さんが2人(若そうに見えたけど、孫がいるんだ)、円楽さんに花束を渡して幕。

帰り支度をしていると、左隣のオバチャンが「色々話しかけてすみませんでしたねえ」と言う。とんでもない、歌舞伎のときは自分の世界に入り込みたいから話しかけられたくないが、浅草のこういう演芸会なら大歓迎。おかげさまで暖かいお喋り、楽しかったですよ。最後、私も調子にのって、「亀治郎さん、応援してくださいねえ。風林火山、見てくださいねえ」なんて甘ったれてしまった。右隣のおばさまとも何となく目と目でご挨拶して。

初めての経験が一杯だった、今日一日。朝から終演の1920分まで、浅草2往復、さすがに疲れました。でも、面白かったなあ。

ところで。全然関係ないのだけど、秩父歌舞伎で14年ぶりの襲名披露があるんだそうだ。一人は十二代目喜熨斗(きのし)屋坂東彦五郎、もう一人は三代目関竹寿郎。どちらも普通の人らしい。で、気になるのは喜熨斗屋という名前。亀ちゃんの本名も喜熨斗というのだけど、何か関係あるのかしら。この前から気になって仕方ない。

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コメント

なが~い一日(でも充実してますね)お疲れ様でした。そして、詳細なレポありがとうございます。おかげさまで授賞式を疑似体験させていただきました。でも、でも、亀治郎さんの踊りなんてうらやましいなあ。来年の「浅草歌舞伎」と「もんじゃ焼き」ますます楽しみになりました。
藤村志保さんもいらっしゃったんですね。先日録画した市川雷蔵主演の映画に出てましたが、かわいいんですよ。大河の共演者というだけで、親しみを感じてしまうのはなぜでしょう。ところで、浅草まで二往復の疲れはとれましたでしょうか?私、諸事情により、東京まで二日連続日帰りで観劇したことがあります・・・疲れました。

投稿: doremi | 2007年2月 6日 (火) 21時03分

詳細に書いてくださってありがとうございます!授賞式だけなのかと思っていたら、とっても盛りだくさんで充実した式典(というんでしょうか?)だったんですね。
亀治郎さんの素踊り、授賞式での素敵な姿、ぜひ見てみたかったー!素敵だったのでしょうねぇ。でも、SwingingFjisanさんのレポで、勝手に脳内映像化!です。ありがとうございました(^-^)

投稿: mami | 2007年2月 6日 (火) 22時12分

doremi様
自分だけいい思いしちゃって申し訳ないでございます。でも、一応、それなりの努力に免じてお許しを。
来年の浅草は、亀治郎さんがどのように弾けるか、楽しみですよねえ。1年のまだ1カ月しか過ぎない時点で来年が楽しみなんていうことが他にありましょうや。
浅草2往復の疲れはもうすっかり回復です、ご心配ありがとうございます。2日連続東京日帰り観劇とは! 若い!!!

投稿: SwingingFujisan | 2007年2月 6日 (火) 23時41分

mami様
ありがとうございます。本当に盛りだくさんでおいしい授賞式でした。まあ我ながらよくこれだけ書いたと思いますが、喜んでいただけて、嬉しいです。
まだまだ知らない世界があるんだなあ、生きている以上、できるだけ多くのことを経験し、吸収したいと思いました。
コメントのお返しのアップが遅れたみたいですみません。昨日じゅうに入力・送信したのですが・・・

投稿: SwingingFujisan | 2007年2月 7日 (水) 00時10分

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