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2006年10月 1日 (日)

もったいない話

新聞で見たちょっと面白い話。「引窓」裏話のようなものである。以下に私の言葉で要約する。

「引窓」は人形浄瑠璃「双蝶々曲輪日記」全9段の8段目にあたる。普通は人形浄瑠璃がヒットするとすぐ歌舞伎でも演じられるのだが、この芝居は明治になるまで上演されなかった。それは、なぜか?

実は南与兵衛は3段目で、ある幇間と争って小指を食いちぎられてしまうのだそうだ。そうなると、南与兵衛最大の見せ場である8段目でちょいとマズイことになる。小指1本なければ生活が大変不自由であろう。人形と違って人間が演じる場合、演技に影響が出る。それにカッコよく濡れ髪を逃がしてやる主役がつまらぬ幇間との争いで・・・というのではサマにならない。通し狂言が普通であった江戸時代には、そのジレンマから歌舞伎にされなかったということなのだ。

明治に入り、狂言の中の面白い幕を独立させた上演方式が好まれるようになってきた。そこで、初代雁治郎が3段目をまったく無視して、8段目を独立させた「引窓」という演目を歌舞伎に登場させた、らしい。

以上が「引窓」誕生秘話(?)のようだが、こういう話はきっと他にもたくさんあるんだろうなあ。

この「引窓」の話をしてくださったのは、小山觀翁さん(東京新聞930日夕刊)。イヤホンガイドとTVの副音声の違いというテーマで、イヤホンガイドでは説明できない話として紹介されている。小山觀翁さんは、その飄々とした語り口の中にも歌舞伎の良さを伝えたいという熱意が溢れ、私は大好きである。これまでも、月に1回、東京新聞にコーナーをもたれて歌舞伎に関するさまざまな話を紹介して下さっており、私にとって土曜夕刊を読む大きな楽しみであった。それが今回で終わってしまう。非常に残念である。今後、イヤホンガイドはガイドとして、またどこかで觀翁さんの博識ぶりに接したいものである。ああ、觀翁劇場も昨日が千穐楽だとは、本当にもったいない。

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コメント

觀翁さんのファンとのことですが、10月16日(土)朝日カルチャーセンターで、勧進帳の裏話というテーマの講演があります。13時からです。

投稿: midori | 2010年9月25日 (土) 15時48分

midori様
情報ありがとうございます!!
大変興味を惹かれるタイトルですね。現時点では、ちょっとまだ予定が入れられないのですが、都合がつきましたら是非お話を聞いてみたいと思います。

投稿: SwingingFujisan | 2010年9月25日 (土) 20時02分

midori様
やっと日程が調整できましたので、本日申し込みました。ありがとうございます!!

投稿: SwingingFujisan | 2010年10月12日 (火) 10時26分

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